四条烏丸から








大丸デパートへ向かって











大 ....
指先が追いつかないから
言い訳を放棄した七月
名前には太い訂正線が引かれ
出席番号は削除された
どこからか、逃げて、と言う声がしたけれど
靴箱はすでに包囲されていたから
上履き ....
出口があまりに白過ぎて
産道の途中で立ちすくむ
心細さに
両手に暗闇をひとつずつ握りしめた
行く宛のないいのちはやがて
小さなひと型になって二本足で歩く
発達した耳に語りかける ....
僕は自分が死ぬと知ったとき


僕の人生を嘲笑でも冷笑でもなく


腹の底から笑って死んでやろうと想っている


意識があることが大前提だが
あなたと手を繋ぐ夢をみた

幸せな気分で目が覚めたけど

逆夢だと思い至ると


泣きたいような

笑いたいような




(青空だという事に気がつく朝に)

 ....
または
明かりではなかった、暗がりは
孤立して際立つ口唇と砂利に


舗道はいつまでも弱く、
ささくれだつ陽炎の軋みに
(あるいは、と、それから)
遠くはないとして、それでも眼前には ....
夏の始まり
山へ向かって
坂を駆け上がり
坂の上の神社から
振りかえった僕の目の前には
静かな港の防波堤の内側
鏡のような水面が見え
防波堤の外側には大きな青い海が広がる
水平線に見え ....
鏡に映った
昨日より
一日分白さの増した生え際を見て
思い出す
巧妙に細工された嘘が
ゆっくりと正体を現すように
染めた髪がもとの白い色に戻る

白髪は中学生の時から
生えていたよう ....
アルバイト先のピンサロでひろった
ミッフィーちゃんのストラップ大事そうに
ケータイにつけてる女の子が
ともだちのともだちにもらったハッシシでふっらふらになって

うすぐろいどろどろしたみずた ....
透明な境界線を
一人、歩く
夜の中、世界は
白んでいる
僕は今ーーー
言葉の橋を渡ったばかり
乾いた地獄はもう十分見た
これからは地獄に立脚した
天国ばかりを夢見るとしよう
僕の「ポ ....
朝 今日こそは詩を書こうと思い

一時間寝てみるが 何も浮かばず


窓から春らしい光が射しているので

散歩でもすれば きっと詩が見つかるはずだと外に出れば

緑の何やらのつぼみが ....
春が来るたびに
色が褪せて行った
女はテーブルに きいちのぬりえ を開き
サクラクレパスで塗って行く

夏が来るたびに
心が剥がれて行った
何ひとつ帰り来ぬ家の 何ひとつ得られぬ部屋で
 ....
すれ違うだけで、
空へと舞い上がれる気がする。
有頂天な私を誰かが笑っているかも知れない。
目が合うと、
私の息は、ハッと止まる。
やさしい風が、私を包む。
このまま、地面には戻らないでい ....
いつも隣には君がいる。
笑顔の君がいる。
悲しい。

僕は泣いた
いつも一人で歩いていた。
優しいのは寂しい。

うなずく君は可愛い。
階段を登ると
太陽が沈んでいた。
向き合った途端、一瞬たじろいでしまった
あまりにも真っ直ぐに見つめられて
ファインダー越しに覗いた
淡いピンクの大輪


千重咲きの奥に守られている花芯は
何か語りた気に
唇をうすくほ ....
以下、ネタバレを含みます .... 闘いの布石をする
陣地を作るために
白石を置いても
ほころびはでる

黒い石を
囲んだつもりが
逆に囲まれて
陣地が取られそうになる

碁盤の闘いのひとところ
先を読むために重ね ....
ところどころ淀んでいる、日々のあわいに
用意された長椅子に座ると、
世界が淘汰されていく
眼前には池があり、蓮が眠っている


見たことのない男が隣に座り、
見たことのない水母の話を続け ....
折り畳み傘の畳み方には コツがあって
器用ではないのに私は そこは 得意で
自慢するほどでもないことが一番素敵で

端麗に畳まれた造花の朝顔を傘だと指差した指が
私の人差し指をちいさ ....
踏み出すのは一歩
その前に越えなければいけない
いくつかの壁があって
その一歩が遠いねと
君は言った

僕はその意味がわかったようで
わかっていないようで
ただ
遠近感の違いみたいな ....
分かりやすいモチーフは万人に好かれ
破壊的なイメージは拒まれる
マイノリティでは逆も然り
言うことの一つ一つは尤ですが
唯、その生き方が不快です。

どうにかならんですか
軌跡を半分にで ....
ある日ある言葉が
後光を背負ってやってきて
僕をいたく感動させる

僕は世紀の発見を
この言葉においてなしとげる
この言葉をペン先にとらえた瞬間
僕は感嘆の声をあげる

われは言 ....
本がサンドウィッチされた日本語を
シャンプーリンスして
バスタブー跨いで
くばるいばる
うすきみわるいとりこは
わたしを吸収合併した
いぶりだされ
むしりとられ
なめられた
計算低いわたしの皮 フた ....
苺は毒があって然るべき
姿形をしている
どんな顔をして
パティシエはそれを
ショートケーキにのせたのか
幸福のなかで死ぬ
誰かの最期を思い浮かべて
君の名前なのに
なんだか知らない人の
名前みたい

とおる君って
名前だったんだね

先日、彼を呼ぼうと
声をあげたら

ダー…って君の
あだ名を言いそうに
なって慌てて
呼 ....
夕べ僕はかわいい嫁さんをつかまえるために落とし穴をほっていたが
落ちていたのは中年の酔っ払いだったのでそのまま埋めてしまった
週刊誌の運勢をみたらあまりに悲惨なので世の中を憎んでいた

退屈で ....
国道のアスファルトが車列もろとも溶け落ちてセンターラインの痩せ尾根が現れたなら
俺は歩いてみたい
両手で抱えた老木の幹が一瞬で消え失せてすべての枝葉が一斉に降り注ぐなら
俺は立ち尽くしてみたい
 ....
そのポストマンに
ぼくが初めて会ったとき
彼はひたすら
ラブレターを書きつづけていた
その時はすでに
ポストマンではなかったけれど


いちにちに
白い氷の丘をみっつ越えるんだ
と ....
お金を数えていたはずなのに
気がつくと
銀行の人は星を数えていました
こんなにたくさん
どうやって集めたんですか
と尋ねるので
生まれた頃からあったと言いました
使いきれない ....
夢とも違う妄想とも違う意識下の世界で私はロープを巻き付けたミイラを引きずりながら見渡す限り砂だらけの砂漠を旅していた。太陽の照り付けが砂を焼き、遠くの風が砂丘の隆起を絶えず変えている。

 ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
天野屋利兵衛は、漢でござる。- TAT自由詩312-7-7
古い日誌- peau自由詩3*12-7-7
おまもり- peau自由詩5*12-7-7
高嗤い- HAL自由詩3*12-7-6
ポエム- 自由詩8*12-7-6
_- ehanov自由詩212-7-5
港の絵日記- ……とあ ...自由詩13*12-7-5
真白髪- そらの珊 ...自由詩13*12-7-5
ポイントいりません(ミッフィー)- モリマサ ...自由詩112-7-5
鳩の世界- yamadahifumi自由詩312-7-4
浮かばずの朝- 八男(は ...自由詩312-7-4
ぬり絵する女- salco自由詩12*12-7-3
爽空- みみりん自由詩212-7-3
君は僕の友達- ペポパン ...自由詩5*12-7-2
乙女椿- 渡 ひろ ...自由詩24*12-7-2
アクロイド殺し- TAT自由詩212-7-1
白と黒との闘い- 殿岡秀秋自由詩512-7-1
混沌- 望月 ゆ ...自由詩6*12-6-30
雨上がりに開く傘のおはなし- るるりら自由詩1912-6-30
「散歩」- ベンジャ ...自由詩212-6-30
おほ麗しのepigonos!- faik自由詩6*12-6-30
一夜- シホ.N自由詩512-6-29
とりこ- 阿ト理恵自由詩7*12-6-29
3時の疑問- Tsu-Yo自由詩412-6-29
とおる- ちゃんこ自由詩212-6-29
夕べ僕は落とし穴を掘っていた- 梅昆布茶自由詩19+12-6-29
白いノートに捧げる巻頭詩/ii冊目- 夏緑林自由詩212-6-29
ポストマン- yo-yo自由詩912-6-29
星空銀行- 小川 葉自由詩13*12-6-28
ドライ- マクベス自由詩112-6-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170