【見えない力】

桜の葉が
秋の雨に打たれて
石畳や道は艶めいている
やがて すべての葉は落ちてしまうのだろう
しんやりとした風に心を寄せると
桜の匂いがした

たとえ花はなくとも桜 ....
乳母車を押して
雪道を祖母が
駅まで迎えにきてくれた
ずっと昔
汽車は忘れるほど駅に止まってたもんや
毛糸玉がだんだん大きくなっていく
古い服が生まれかわって
新しい冬を越す
ぼくの記 ....
霧が鳴いている
遠くへ存在を送るためでなく
内側にどこまでも響かせるように
霧が水の衝動を鳴いている
霧の中に沈む街並み
の中に沈み込む人々
霧が覆い隠すのは風景ではない
人 ....
都会の住宅街の歩道を 年末を迎えようとする空から
心臓に刺さる零度の雨が 濡れ落ち葉にも突き刺さる

若葉だった頃 親木が大切に繁らせた「父」という葉は
厳格ではなく 風が吹けば吹くまま ....
休みの日
うだうだ家にいる

仕事では夜の首都圏を走る
赤羽 池袋 新宿 渋谷 神田 三田 五反田
駒沢 荻窪 吉祥寺 青梅

池袋や新宿歌舞伎町には
所在なげなあるいは
あきらかに ....
佇んでいたのだろう
あの時のわたしは

苦手なことを並べた
傷付きたくなかった
それでも出会いを求めて
やって来た

缶ビール片手に
やわらかな言葉で話す
路上に座り込み
生活者 ....
即興ゴルコンダ(仮)参加作品です。今回は、三つをオムニバスにしました。
http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=4832676#10633425

 ....
算段立てて
最後は徹夜のレポート
三枚刷って左をとじた朝
まぶたが

間にあった
満員電車に
街へ運ばれるあたしの
まぶたが
まぶたが

お昼に食べた菓子パンが
お腹で小さくな ....
ふだんは優しい女房が
時折、般若の顔になり
言葉の弾丸は
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
柳のような面影で
げっそりとした
僕の髪を靡かせ
遠い彼方へ通過 ....
 淡いタイプの夕日が差し込んでいる、すこしやわくなった空間でふわついてた、なにするわけもなくそんなときあるよね、僕はなぜかそんなときがあった『そんなときある派』側の人なんだけど、そんな人なんだけど、は .... 会社の帰りに実家に寄り
母を乗せて 病院に行く
入院している父に会うため
一日中 林檎畑で働いた後
母は着替えて 私を待つ

七十歳を超えて 疲れただろうに
駐車場について 歩きながら
 ....
大田(桜公園)


{引用=油まみれの 谷やんは
朝からネジ切り 夕までネジ切り
グリス塗り塗り ハンドルと
ダイヤルゲージ 光る眼差し

油まみれの 谷やんの
屋根に煙突 雲に飛行 ....
ししとうはすいかに意地悪をしたい
だから襟口をまっすぐ指さしながら
お米が付いているよと言い添えてやる
すいかは自動的に俯いて
始めの釦と二つ目の釦のあたりを
つまみつつ見つめているのだが
 ....
栽培キットに水をやる
夏がまた巡る

一昨年は朝顔
去年はミニトマト
今年はホウセンカ

今日三つ花をつけた

鳳仙花
紅い花

今年もそろそろ花が咲くと娘を呼ぶ

鳳仙花 ....
窓から通りに停めているトラックの荷台に
トマトを投げる
ここらは駐車停止なんだ
このように常に自分には病識がある

通りに車を止めているトラック運転手が「何をしてるんだ!」と怒ってきたら
 ....
瞳の奥底に隠れてこっちを覗いている
裸の抒情の手足を縛り上げ
哭きながら何度でも犯し続けよう
石切り場から運んできた
重い想いを凪いだ風に浮かし
寛容な字面をことごとく摩耗させて
のっぺら ....
はるか
昔を向いているひとの
すべてが灯りと
なりますよう、
祈るわたしは
濁れるわたし
ひとごとみたいに
まったく淡い
時刻表

五本の指があるわりには
そこに受け取ら ....
〈誕生〉
生きるために産まれてきたのでも死ぬために産まれてきたのでもない。
目的がないのではなく目的を作るあなたが産まれたのだ。
あなたは自由でもなければ不自由でもない。
自由を作るためにあな ....
目を閉じて

いろとりどりの

小さな折り紙

小さく小さく折って広げて一息吹けば

真っ白な折り紙鶴一羽

もう一息吹けば

いろとりどりの折り紙鶴が手のひらから溢れて

 ....
素敵な比喩が思いついたと
受話器にむかってささやこう

部屋を出る
大義名分ができた

僕たちは不自由な生き物

理由がないと
自由に街を歩けない

街は雨

雲からワインが ....
夜の{ルビ静寂=しじま}が
私を思考の世界へ誘う
仄暗い豆球がシーツの海を照らして
波打ち際には夜光虫のように
ラメ入りマニキュアが光るから

私の思考回路は小舟に乗って
大海原へと漕ぎ ....
 懇親会です。皆さんワイワイ集まって、知り合う前から仲良さそうです。幹事の方が「無礼講だ」と嘘を吐きます。よくあることです。誰も信じていません。嘘です、少しだけ、信じている人が混ざっています。羽目を外 ....

前へ逆らってくるものに濁った静寂を飲ませよう。人間は平等な墓石の上で草になるのを待っているから。広がって他を照らそうとするものをそれ以上の絶対的な光で鎮めよう。あらゆる広がりは人 ....
夜の帳に溶け込んだ心情が 淡く病む。
シタールの音色が鋭く僕の喉を刺す。
震える手で連ねる恋文は
異国の呪文のように匂い立つ。

ああ、夭折した画家達よ。
あなた方の創造した世界はなん ....
雑司が谷のアパートを追い出された当時二十歳の俺は
池袋の東口で路上生活をしていた
今のタクシー乗り場付近には花壇と
その花壇を取り囲むように丁度ルンペンたち横になれるコンクリートのベンチがあった ....
今時手紙だなんて
何の意味があるのか

下書きまでして
何の意味があるのか

800円もするのに二通しか入っていないレター・セットに
何の意味があるのか

細くて伸びやかな青いインク ....
遠い夕陽の揺らめく畑で
夫は手にした鍬で土を耕し
赤子をおぶる妻はそこへ
種を蒔く

貧しい日々の暮らしに
俯きあう
ふたりの野良着は
仄かな金に縁取られ

夕陽に瞬く無数の種は
 ....
      朝刊に折りこまれた
     それは裏面が真っ白な
    パチンコ屋のチラシ広告
(メモ用紙にと気をきかせたのか)
            そして
     無聊に明け暮れてい ....
片羽の鳥が燃えながら
旧い炎をついばんでいる
公園であり庭であり墓である場所に
両手に剣をかかげた子が立っていて
両目を閉じたまま鳥を見ている






 ....
辿り着いた 秋の日
南天が 笑って いました

お前の出番は もう少し 先でしょう? と
笑いかけると

太陽よりも キラキラとした 笑顔で
見つめ返されて

何だか ちょっと 照れ ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
星の王子さまによせて_- るるりら自由詩1514-12-1
そのとき光の旅がはじまる- yo-yo自由詩16+*14-12-1
- 葉leaf自由詩314-11-29
濡れ落ち葉- 為平 澪自由詩13+*14-11-26
Holiday- 梅昆布茶自由詩1214-11-25
手をとる- 鵜飼千代 ...自由詩18*14-11-24
ことばのエンジンを_廻せ!_オムニバス三篇- るるりら自由詩1314-8-7
まぶた- かの自由詩1*14-8-5
姉さん女房に捧ぐばらっど- 服部 剛自由詩614-8-4
夢見る惑星マジックテープオーケストラ- さわ田マ ...自由詩414-8-4
つれ- 砂木自由詩12*14-8-3
花火の夜- AB(な ...自由詩114-8-1
- 桶谷自由詩414-7-29
鳳仙花- N.K.自由詩4*14-7-29
トマト- 馬野ミキ自由詩6*14-7-28
わたしは喜んで嘘を書こう- ただのみ ...自由詩27*14-7-27
水の駅- 千波 一 ...自由詩614-7-26
人へ- 葉leaf自由詩314-7-24
折り紙鶴- 灰泥軽茶自由詩1014-7-24
詩人の恋- やまうち ...自由詩414-7-22
【_思考する夜に……_】- 泡沫恋歌自由詩15*14-7-21
ありがちなこと- DAICHI自由詩214-7-21
コンプレックス- 葉leaf自由詩814-7-21
恋文- ヒヤシン ...自由詩14*14-7-21
池袋_二十歳- 馬野ミキ自由詩914-7-20
いまどきの特別- クナリ自由詩4*14-7-19
夕景- 服部 剛自由詩614-7-18
折り紙- 信天翁自由詩714-7-18
ノート(旧い炎)- 木立 悟自由詩314-7-17
空気清浄器- 藤鈴呼自由詩5*14-7-17

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