弟ガイウ
母ガ癌ダト
マルデ命ヲツカサドル神ノヨウニ
母ノ余命ハ半年カラ一年
私ハワライナガラ
ソレヲ知ラナイ母ニ
来ルコトモナイカモシレナイ
来年ノ旅行ノ話シヲシタリスル
海ヲ渡ッテ ....
わたしはCちゃんにわるいと思った
でも下手くそなところがわたしの
いいところだと思った
上手いひとにのせられて
するするすーすーいけたら
しあわせだし
一生って
言えると思う
....
110225
行人偏は疲れると
台所の包丁とまな板が相談して
ストライキをするので
来期の売り上げが期待できなくなると
専業主夫気取りの亭 ....
今日あったいいことを
風船に隠してあなたに贈る
ぱんと割れたなら
幸せになってほしい
割れないのなら
天井で控えています
いつかあなたの
悲しい窓辺で割れますように
雪の降りた朝に
わたしは吸い込む
冬の鳴き声を
しっかりと逃がさないように
両の耳で
抱きしめる
冬の呼気を
愛おしいから
二度と離れるのはいやだから
この手は放さない
とくん とくんと
鼓動の音が耳につき
眠れない
夜
あなたに
電話をかけた
そんなときは
リラックスだよ
やさしい
あなたの声だ
ありがとう
....
はこにはいって
きみはやってきた
とおいそらから
はこをあけるまで
そのすがたは
きみにもわからない
さしだしにんは
くうらんだった
そこにわたしとつまの
なまえ ....
神様の爪先からこぼれた水が
南極の氷になってアイスコーヒーを冷やしている
ふつふつと白く昇る泡が
46億年の想念とブラックホールを残していく
果てのない黒い海
....
探すつもりのない貝殻に
出あって手にとった
何事か話しあって
そっと海にかえす
明日への道は
互いに自然に呼吸をして
迎えたいね
波につぶやいて眠る
少年が電話の凹凸に触れているころ
少女はまだポストの中で
封筒から漏れてくる潮騒を聞いていた
すべてが終わったら、
横断歩道をきれいに塗りなおそう。
町中いたると ....
自分の素顔を忘れそうな日は
林の中へ吸い込まれ
木陰に腰を下ろし
正午の空に輝く太陽を仰ぐ
まっ青な空に向かって張り巡らせる
桜の枝先に
春をずっと待ちながら
全身にひ ....
私という人間は、一冊の本なのです。
四角いからだに手足を生やし
不恰好に揺れながら
人々の間を往くのです
私が通り過ぎる時
誰もが振り返り
「何だい奴は」と{ルビ嗤=わ ....
今も変わらず君は舞台に立ち、故郷の燃え
たぎる夕陽の耀きを、客席の一人ひとりの
胸へ、放射する。僕が最も弱っていたあの
日、濁らぬ瞳できらきらと「君は素晴らし
い」と言ってぽん! ....
冬と春が手をつないでいる夕方に
静かに立ってそとをみていました
わたしはもう少女ではなく
絶望と仲良くもありません
ひとりで
静かに立ってそとをみていました
燃えつきる煙草、蘭のつ ....
火山をあるいていた
手みたいなかたちに固まったそこここに
生き物たちの目みたいなオレンジ
そのままダイビングした
青いドーナツ珊瑚礁
ミルクティーはお月さま
首をか ....
透明な壁
両手のひらをつけたら
冷たい冬の風が伝わってきて
内側と外側の隔たりを感じた
両手のひらを胸にあてたら
どうしても届かないところにあって
淋しくなるほど困った
夜になって窓を見 ....
)?
ことばに鍵をかけて生き埋めにしてやろう
(その上をアスファルトで固めて 」
「駐車場にしてやろう)
‥はてな
?
凹凸と窪み
まもなくどちらか裏切れば
白い造 ....
私の母は奇跡を起こした
汚染された体でふたりも子供を残しどちらも大人になった
母は最大の炭坑の町で生まれ育ち
彼女の父は炭坑夫で体中を癌に冒された
彼女のきょうだいもみんな癌に冒された
きょ ....
夜をひとり歩いている
もう1時間はんになる
コンビニの袋がちりちり
さびしくないと言えば嘘になる
電車が音をたてている
町のあかりが点滅している
星が粗雑になっ ....
さかあがりが できないころ
さかあがりのあいまに
けんかした
さかあがりのあいまに
学校へ 行った
おまえんちの家の前の空き地に
むかし なまくびが ならべら ....
にょうろりにょうろり長い紐
トタン屋根またがり
ポストくぐって
にょうろり、にょうろり
どこまでいくのか
酒屋のシャッター錆びの穴
にょうろりにょうろり
中に ....
草原に降り始める雨
傘のない子供たちのため
世界に向けてそっと差し出す
そんな素振りで
行き場を失った
すっかり冷えて
寒さに震えるぼくたちの
気持ちを凍えさせたくなくて
きみ ....
荒川の河川敷 土手の下に
古ぼけた木造アパート
モルタル塗らしかった壁の
モルタルは剥がれ落ち
グレーの下地に
枯れてしまった
蔦のツルがへばり付いている
空き家のようだが
夕暮れ ....
草のなかにレールをみつけた
錆びた鉄の平行な二本線が
弓なりに
ここから延びていた
または
この草のなかで
すっぱりと裁断されて尽きていた
あおぐらい記憶 ....
暗闇の中に見たものは 一体何か
ああ それは 一体 何なのだろう
手にしたものたち 例えば 眠りの隅っこで
それ自体は面白いものなのだろうか
それとも 長い 旅路の向こう側なのか
理解す ....
コロラドの鴉は『Shit!』って啼く
....
もしも、もしものことだけれど
ぼくに彼女ができたら
ぼくは回転寿しで、
絵皿ばかり食べようと思う
お祝いに
ビートルズのUKオリジナル盤を、
まとめて買おうと思う
ラバーソールは ....
エリカの部屋へ電話をかけて
ハイパーメディアクリエイターの芝居
続けてみたけれど
あの娘ももはや
興味なさそうで
そうそう付き合ってももらえない
用事がなけりゃ
連絡するな
そもそ ....
りんご静かに
さびしい時に、お友達から
手紙がとどく
さびしいんでしょう、
白い詩がすきなんでしょう
さびしい時に、お友達から
手紙がとどく
あけてみれば、
一枚の白い便箋。
あ ....
君を産んでよかったと思うけど、君を生んだことで君に終わりをつくってしまった
母が言う
....
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