女性の胸は
乳首さえあれば
こと足りるのであって
必要以上に大きい人からは
その大きさに応じて
税を徴収するという
巨乳税法案が
文芸筋の女性で結成された
日本貧乳党から提出されたが
 ....
φ
私は、ヘッドホンを通して、
電力会社とつながっている。
地磁気みたいなの感じるのよ。
私とあなた。私とあなたと太陽のあいだに。
私はヘッドホンを通して、
ニック・ドレイクとつながってる ....
雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白

海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる

時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの ....
 四年京都に住んで
 今でもよかったと思うのは
 はる を覚えたことだ
 生まれ在所に戻ってからも言っている

 開けてはる居てはる植えてはるえづいてはる起きてはる
 噛んではる切ってはる ....
崩落した記憶は
心の底に蓄積するままにしておけ
無理に掘り出そうとしても
指先を傷つけるだけ
荒れた舌のような色の夕焼けを見た日に
幾つかの欠片が取り戻せないところまで ....
高原にそよ吹く風も冷たく、歓喜に満ちた秋の午後だ。
遠くを走る小海線に乗客たちは陽炎のようで、
近くの白樺林をくっきりと現実のものとしている。
道端に咲くコスモスに子供たちの息吹を感じる。
 ....
平凡な沿線のこの街に
夕暮れが密度を増してゆく一刻

零れ落ちそうに客をのせて電車がレールを軋ませ
商店街は夕餉の想いに満たされて

帰ってくるあるいは帰ってこない主人を待つ願いも時間が経 ....
建築の生み出すリズムは移動する目に心地よい
そのリズムが絶頂を迎えるころ
私の体に驚きを点ずる廃屋があった
塀は義務に反抗するかのように崩れ落ち
庭木は空間をまさぐるかのように枝を伸ばし
 ....
休みだというのに
僕だけが疲れていた
何もかもが夢の中にあって 確かめられないでいる
子供の頃のように
心の中から 流れ出している
生まれたばかりの頃のような思いが
表参道の墓場へと  ....
 
雨にとけて流され残ったのは、ちぃっちゃい欠片

ウチがウチであるための、ちぃっちゃいちぃっちゃいウチ

たぶん、もう傘はいらん と思う



 
ある傾斜においてうつむくのでなく
あたまならがっくりと
垂らすせいで
きみの、
頸椎が
くらい空にすっかりひえてむけてしまい
きみの視ないものにちゃんとかぞえられる
都心から二時 ....
詩にならない言葉ならべてインクのな
くなったボールペンに私は告白したの
です。今までありがとうずっと好きで
した。ボールペンは息をひきとり今は
コンパスの隣りで眠っています。退屈
していた言 ....
窓の外を風が揺らして
役目を終えた葉が落ち
かさ、かさりと
聞こえない音を思うとき
お疲れ様でしたと囁くこと


天敵のヘビに襲われ
生きるために切られた尾が
ぴく、ぴくりと
私は ....
王女の名を持って生まれ
運命のいたずら
雑草の間に
根を下ろすことを余儀なくされても
小公女のように気高く
品位を忘れぬ立ち居振る舞い
汚れない肌
たとえ
嵐になぎ倒され
獣に踏みに ....
   
     
       いろんな恋の末に
       じゃがいもが
       えらんだ相手は
       いつも隣りにいた
       にんじんで
        ....
からくりをひらくと
蜘蛛と草が居た


蜘蛛が草に話しかけると
からくりは動き
草が蜘蛛に話しかけても
からくりは動かなかった


からくりを閉じた
ほんのわずか ....
第一形体は無に等しく
第二形帯は無限に等しい
そして第三形態

既に独りの刻ではなく
多数に
引き千切られた告白であり
目前、黒く固い鉄の炭のイシの
(何かが燃え尽きたシ、ジツ、ZON ....
秋の午後を脅かして
突然の雨
雷の轟音に
台所から急いで
手をエプロンで拭きながら
昼寝している児のもとへ
布団に起き上がり
今まさに泣きだそうとしていた彼は
私の胸にかじりつく
よ ....
たったひとつの科白で終えるとき
誰もいない薄暗い部屋を飾ろう
もし手向けられるならば
二度と咲かない蒼い薔薇がよく似合う
使われない硝子が棚の底に
染み付いた煙は放置され
黒い黴が支配 ....
白い鳥は
どこに飛ぶ
心の どこに
何を思って


黒い鳥は
何を描いている
遠い故郷に
傷ついて
目覚まし時計の呼ぶ声に乳白色の霧をかきわける朝

夢の続きの小路をたどればあの古い石の門がが見えるかもしれない


丘の上の教会には孤児院が併設されていて僕の友達がいた

通りを浜のほう ....
本を読むのが日課
活字にはひとつも希望が詰まっていない
友人たちの成功に
心を厳しく墨で塗られては
それでも知識を蓄えねばと
狭い部屋で魂を受験に売り飛ばす

家族は私が楽をして ....
{引用=
奥は暗くておそろしければ… 和泉式部

ふいに戸を閉められて
暗い場所に置き去りにされてみれば
息をするのもままならぬほどで
手探りで進む手に
布がひらひらとまといつく
天 ....
ありのままをみせる蟻はいないけど、わたしたちはあるがままに暮らす人だったので、ゴシック体でゴシップ斜め微笑み返しでお互いの口の中へウィスキーボンボンを放り込み、舌べらで潰しあった。薄っぺらな唇を噛んで .... 無理矢理
脱ごうとしたら壊れた
泣きたいけど
自分が雌だか雄だか誰だか
どっちでもいいような気がした


あ、そう

抜け殻
っていい響きだよね

とか言いながら
かけらを集 ....
「こちら、よろしければどうぞ」


本屋さんで新潮文庫を買ったら、
おまけに付箋をもらいました。

緑色の紙に『ワタシの一行』と書かれた、
小さな小さな付箋でした。

この本 ....
月が綺麗ですね



有名になりすぎて
照れ隠しにもならない
愛の言葉






「てかマジ月綺麗」

「なにそれチョーウケる。あたしもチョー月綺麗だと ....
  昭和と平成の間にはさまって
  押しつぶされてしまったような工場を
  眺めながら煙草を一本喫う
  犬の散歩をする{ルビ母子=おやこ}は
  怪訝な顔ひとつ見せず通り過ぎる

 ....
空気がゆがんで見える夏の日
その横断歩道には
日傘を差した若い母親と
目線のしたで無垢な笑顔で話す少年
ひまわりが重い首をゆらつかせ
真夏の中央で木質のような頑丈な茎をのばしている

山 ....
拡散する
薄く透明に広がって止まない 大地は世界は 逗留するには狭すぎるから

陽光は優しく乾いた匂い 風の中に見えるもの それを慈しんで生きてゆきたい

心は風 すべての物の中に 僕は生き ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
巨乳税- 花形新次自由詩313-10-13
Φ編- 由比良 ...自由詩2*13-10-11
時間の重さ- 梅昆布茶自由詩1913-10-10
はる- 平瀬たか ...自由詩15*13-10-10
まるで他人事のように自分の冥福を祈る- ホロウ・ ...自由詩5*13-10-8
美しき村- ヒヤシン ...自由詩9*13-10-8
沿線暮色- 梅昆布茶自由詩1913-10-7
廃屋- 葉leaf自由詩4+13-10-7
山手線の左の方で- 番田 自由詩313-10-7
たぶん- 殿上 童自由詩22*13-10-6
近景- 岩下こず ...自由詩913-10-6
題名が決まらないまま- 左屋百色自由詩16*13-10-4
落葉日- Seia自由詩313-9-25
孤島の白い髪飾り- Lucy自由詩20+*13-9-23
- 石田とわ自由詩13*13-9-22
ノート(からくり)- 木立 悟自由詩613-9-18
第三形態‏- 狩心自由詩413-9-18
雷雨- Lucy自由詩12*13-9-18
終幕の薔薇- アラガイ ...自由詩16*13-9-17
電線- 番田 自由詩313-9-17
海流の街- 梅昆布茶自由詩1613-9-15
浪人- 葉leaf自由詩513-9-9
暗峠- 春日線香自由詩713-9-9
WORD+L=WORLD - 阿ト理恵自由詩19*13-9-9
セミの抜け殻パズル- AB(な ...自由詩4*13-9-7
本のオマケ- 時子自由詩313-9-5
月が綺麗ですね。- 自転車に ...自由詩313-9-2
工場- 草野春心自由詩10*13-9-1
夏の横断歩道- 山人自由詩21*13-8-29
拡散する- 梅昆布茶自由詩1813-8-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170