物、その影は
量となり
嵩となる
影という影は
新たな影をつくり
高く目を瞑ると
擬音語のような
か細い音を立てて
雨が降り始める
わたしは先ず
折り急いだ
紙のこと ....
私の恋人はとても天才
だれより天才
だってマーメイドに花の名前を教える。
「グラジオラスの花の色のドレスが欲しい」
「どくだみの花のような控えめなドレスが欲しい」

マーメイド、
君に似 ....
おはよう  校舎から放射状に伸びて校門を突き破って生えている杉の木と
レンガの上に一列になって羽を畳み損ねているてんとう虫が
機械化された栄子の胸を圧迫する様に私はただ積み重ねてきたレンガを一個一 ....
笑った顔をして
こっちを向いている。
物悲しいようで
寂しいようで

誰にも見えない
少女は立って
消えていった。
霧の中に

公園の水飲みが
流れていた。
時計台の鐘が
鳴 ....
 水晶に映る未来なんて信じない

     私の未来は

   いつだって私の物よ

     占いなんて

   食べかけのチップスよ
からだじゅうをかきむしって
みどりいろのどろどろにからまった言葉やあるいは意味をもたない記号たちをしぼりだす
さながら泡立ったメロンソーダのようなそれに
どうせならあまいあまいバニラアイスをどう ....
{引用=

みなも、
おおきなうねり、
くしゃみを、
すると、
さかなは、
はねる、
おとは、
よろこび、
きみは、
おとなになる、
ずっととおい、
ひるさがり、
から、
 ....
歌うなら声を殺して
くれぐれも僕に聞こえないよう

泣くなら声を張り上げて
喉が裂けて血がしぶくほど

恨まないで
嫌いなわけじゃない
ただ一緒にいたいだけ
蝉のプラモデルを買った
部品をよく確かめながら
組み立て方を見て作った
完成した蝉は
少し違う形の虫だった
説明書に完成したら
ボタン電池を入れ
冷暗所に保管
と書かれてあ ....
楽屋には雨が降っている
彼は黒い傘をさして
鏡の前に坐っている
これまでに舞台では
幾千もの笑顔を見せてきた彼だが
今はそのどれとも違う笑みを浮かべている
愛する者と共にいるときに
見せ ....
たった一秒の甘い闇

長い抱擁のさなかで
奇跡のように あなたの背後に現れた
 虹の向こう側へと
人生の進路を変えたふたり

永遠の魔術を受け入れた瞬間…

自ら望んで 口に含んだ禁 ....
昨夜は、本を抱えたまま眠る人だった

活字は描いた
夢の中へ浸水するやいなや
なめらかな黒髪の毛先を
屈強な体躯の背中を
雨露でできた葉むらの中の
縦笛のようなフクロウの響き
カミナリ ....
スピード感を着た〈ち〉 は
ねずみの時間を生きているようだ

暇は肩身が狭い

電脳空間で
ヒマをマヒされられた〈ち〉は
走り続けて
衝突することで終える彗星のように
終わりに向けて
記憶を更新 ....
おじいちゃんと森で薪を拾う
僕が手当たりしだいに
背負子に放りこんでいると
そいつはまだ早いと言う

幹を離れてまもない小枝は
水分を含んで
みずみずしい
生木の範疇を出ないものは
 ....
光はあふれる
白亜の{ルビ建物=ビルディング}の上に
海鳥の白い翼に
青くうねる海原に
光はあふれる

光は波打つ
どこまでも続く青い穂波に
涼やかに流れる川面に
青い空と風の中に
 ....
私は
私を選んで生まれてきたのだろうか
もし そうなら
私は私でありたかったのだろう
そこまでして
選んだ私を
どうして私はすきになれないのか
もしかしたら
認めたくないからなのか
 ....
星の余韻にひたされて
自転車の窓を開ける
白い胞子を吸い込んで
肺がケホンと拒絶する
ペダルを恋でどこまでも
そんな気持ちでいたけれど

ハンドルが糸を引く
いっぱいの花が咲いてる
 ....
つ 
これだけでも想いが込められているというのに
量がおおう
泣きがお
腸のままなら毒らけ
天地ないので知り合えた

紙に落とそう つきたのを
昔の人の方が魅力的だった {画像=120530012115.jpg}



この世の中には
幕間に控えて居る役者は
いっぱいいて
人が羨む役を貰えるかは
まことに運次第なのだと思う


人は与えられた役の ....
たとえばすごいといわれるがわから
すごいというべきがわにまわったとして
すなおにいうかというと
いいたくないが
だからといって
なにか
ぶたじみた
たいどを
とると
すれば
それは ....
おもいうかべる


予感をくすねて
疲れたようにたおれる
肌のあかり 縛られたままで
暗い食事の時間を知る


軽くみすえる
秒針と影の空気
まっすぐに近づくほど信じられる
 ....
オーガンジー越しの白色が
夜明けを告げる
曇天のようだ
、ついてないな


誰もいない部屋で
あなたに語りかける
胸のロケットペンダントのなかの
白い骨が

応える
のを待つ ....
 
 
テーブルの下に
豆腐が落ちていた 
原形がわからないくらいに 
ぐちゃぐちゃに崩れていた 
世を儚んで
飛び降りたのだ
窓を開ける
初夏の風が吹いて
部屋の中を涼しくする
 ....
あどけない魔法 途切れないで
手を合わせて祈った 
田舎のおじいちゃんのような空に

くり返す切なさを 
止めどない憧憬を
持て余した 
無限にあったはずの三年間を 
悔やんでも、悔や ....
ミストのなかを
ゆくえをなくした幽霊のように
さまよっている

虹色のわたしたちの夢が
血のいろにそまって
やせ細る

初夏

ひまわりは
かがやくことを忘れ
ベットのうえに
 ....
町にゆくときにてきとうな履物をつっかけるのは、すてき。


缶蹴りをして、雨蛙が、デルモンテのあき缶から、目をまわし、それからくるると、とびでてきて、ふりかえると、かんちゃん、紫陽花の石 ....
手に持った花だけが赤くて
微笑みは色づくことなく
そんな夢の残り香だけが
寝ぼけまなこに引っかかってる


言葉にした途端に取りこぼしてしまう
こころの音階
りんごをりんごと
恋を恋 ....
黒猫が白猫を舐めるので、
私は白猫の指を舐めます

クリープが凍えてしまうと、決まって
私は 貴方を思い出しては
めそめそと泣きます

貴方の言葉をアレルゲンに
私は泣きます


 ....
宇宙空間に漂い
思うことは
生きている
時だけが徒に過ぎる

ゆっくりと動き
頭もゆっくり動く
母の胎内にいる感じだ
何も見えない聞こえない

心と心で感じ合うものを
大切にした ....
乾 加津也さんのおすすめリスト(5083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- たもつ自由詩812-6-10
とくべつなやつら- 榊 慧自由詩412-6-10
憂鬱な朝- 佐藤伊織自由詩212-6-10
少女- ペポパン ...自由詩6*12-6-9
水晶に映る未来なんて信じない- 永乃ゆち自由詩4*12-6-9
パラドックスアイスクリーム- 否々自由詩412-6-9
ミナモ- mugi自由詩3*12-6-8
蜜の味- ゆべし自由詩112-6-8
部品- 小川 葉自由詩4+12-6-7
六月の楽屋- 塔野夏子自由詩6*12-6-7
*_XI_*- 南 さや ...自由詩1*12-6-7
寝ぼけ瞼に張りついた詩- 風呂奴自由詩312-6-6
わずらった〈ち〉- 阿ト理恵自由詩6*12-6-4
小さな森- そらの珊 ...自由詩2512-6-4
- 未有花自由詩23*12-6-4
源流さがし- 朧月自由詩412-6-3
初恋- mizunomadoka自由詩412-5-31
つきつきた- 十二支蝶自由詩312-5-31
_- 番田 自由詩112-5-31
地に沁みる影が光を含むまで- beebee自由詩31+12-5-30
酢豚- 6自由詩312-5-29
折れぬ指先- 根岸 薫自由詩3*12-5-29
白色- もっぷ自由詩412-5-29
厚揚げ- たもつ自由詩1212-5-28
信用金庫が開くまで- komasen333自由詩2*12-5-28
夢のいろ- 草野大悟自由詩3*12-5-28
習2- ズー自由詩6*12-5-28
印象- 八布自由詩712-5-26
因果律- 桂川精螺自由詩512-5-26
宇宙空間- ペポパン ...自由詩6*12-5-26

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