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もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま

それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみた

やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった


 ....
もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま

それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみたけど

やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった

 ....
「愛してる」

簡単じゃないはずなのに
誰もが街なかでささやきあっている

君だけを
このひろい世界を




勘違いしてしまうのかな

束縛されたく無いはずなのに
相手 ....
君にとっての世界

それはこの部屋のなかがすべて

出かけてくるよ

君は寂しげに小首をかしげ

ドアをあける気配に

まだかなまだかなと待ちきれない様子で玄関を覗き込む


 ....
四月病ってあるらしい
さりとて年度替りの初々しい賑わいとは
とうに縁遠くなっているのだから

花散らしの雨もあがり葉桜と化した桜並木を
これでよいのだと独りごちながら歩む




 ....
おさんぽカーには幼い顔が幾つも並び
桜の木の下をゆっくりと進む

時おり吹き抜ける風の冷たさに

ぐずる子がいて
あやす保母さんの肩には桜の花びら舞う





手を繋ぎあう ....
期待してしまうから
疑うのか

それとも明日の訪れを信じられなくて
疑ってしまうのか

その何れでもあるんだろうけど




今年の冬はことのほか寒かったはずなのに
疑い知ら ....
こと切れる最期の瞬間まで
彼はひとりの少年だった

とっつきにくさは彼の持ち味だったし
時代を憂いても
希望を捨て去ることはなかった




そんな彼との接点
あったのかな
 ....


必要と頷いても
近くにあっては困るらしい

それは遠くにあって
必要なときにだけお世話になる

ありがとうございました

添えたお礼と深く折り曲げた腰を上げてしまえば
あと ....
あなたは積み上げる

与えられた積木を丹念に積み上げる

それが人生




親指と人差し指で作った輪の大きさぐらいな積木
いつも何かに苛立っていて

終りの無い議論を隣の積 ....
風の吹き抜ける交差点で
あなたは待つ

約束は必ず果たされると信じて

ひたすら待つ
待ち続ける

そして見上げれば雲

春の雲

おぼろげで奥ゆかしくありながら
したたかさ ....
ひとりで生きられる
生きられない

それとも、ひとりで生きざるを得ない

わたしってどれなんだろうね




無責任ってわけじゃないけど
ちょうど
満員電車のなかで誰かに寄り ....
顔見知りの男が死んだ

いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた

そんな一人の男が死んだ




よくある話しだけど
おんなが二人いた

別れた奥さ ....
不幸の似合う女優さんって
近頃みかけないよね

それだけおんなが幸せになった訳ではなさそうだけど

ひたすら運命と向き合う生き方って
求められていないのかな




冬の日差し ....
左手はご不浄らしいけど
わたしって左利き

どうしよう(笑

歯を磨くのも
お箸を持つのも

字を書くのも左なんですけど

小学校のお習字の時間
せんせいから右手で書くよう指導さ ....
今ごろ何しているのかな

きっと趣味のデジイチを首から提げて
お気に入りの被写体を求め
谷根千あたりを自転車で走り回っているのかも

そんな感じに好きなひとを想ってみる

なんか幸せな ....
私の小鳥が死んだ
何度か獣医さんに診てもらったりしたけど
これが胸騒ぎなのだろうか
部屋の錠を開けるのももどかしく逆光に沈む鳥かごへ駆け寄れば
初夏の陽射しのなかで彼は小さな亡骸と化していた
 ....



ちゃぶ台をひっくり返す
それって池田屋階段落ちのカタストロフィなのか
それとも寺内貫太郎の癇癪玉が破裂したのに似ているだけなのか
亡くなった父親がちゃぶ台をひっくり返したのに一度だ ....
糊の効いた藍染めをくぐり抜けると
石鹸の香りがいらっしゃいませと迎えてくれる

散歩の途中でみつけたお風呂屋さん
モクレンの香りに誘われて迷い込んだ小路
朝夕通っている駅前通りとはさほど離れ ....
このところちょっと体調悪くて
なんにしても
弱気がちな自分に気付いてみたりする

元気なときなら
生になんて執着しなくて
潔い
そんなことばの良く似合う心模様だったはずなのに

具合 ....
爪を立てないようお気に入りのレギンスを下ろしながら
一瞬の冷たさに身震いなんかして

いまどき珍しいよね
ウォシュレット付いていないなんてさ

ちろちろと可愛い音させるのも粋よねとは思いつ ....
この野郎、ピンポンダッシュしたろかな

マンションだと言われればそんな気もするアパートの角部屋
レースのカーテン越しに人の気配が行ったり来たり
どうやら生きてることは間違い無さそうだけど

 ....
宅配便の到着を知らせる呼び鈴に立ち上がると
私の下半身を跨ぐように放屁ひとつ
あけすけな音と不摂生な臭さにパタパタと手にした雑誌で扇ぎながらも
これが夫婦ってことなのかと改めて考え直すまでも無く ....
よっこらしょ

そんなことばが口癖となった
ひとしきり身の回りの片づけを終えると
臨月の大きなお腹を抱え物干し台兼用のテラスへ這い登る

白いペンキを塗り重ねた木製のデッキチェアに身を委ね ....
ひとの気配に気付き上体を起こしてみると
逆光に髪の長いおんなの姿を認めた
それがあのひとの妻美佐子さんとの最初の出逢いだった

彼女について何かとあのひとから聞かされていたのと
私に用事があ ....
あの上り電車で何本見送ったことになるのだろう
別に数えている訳では無いし
有り余った時間を費やせればとストールの毛玉など毟りながら
外界と隔絶された待合室の硬いベンチに腰掛け
あの夜の顛末でも ....
あのひとから乞われた訳じゃない
成り行きでと言えばそんな感じだった
奥さんよりも私を選んでくれた
そんな幼い優越感が無かったといえば嘘になる

幸せだった頃に家族で訪れた事があると話していた ....
{引用=死ぬ気になれば何でもできる…

それは瀬戸際に立たされたことの無い人間の言葉}


新地に棲んでいた頃の母を良く知っているといって
狐目の男が自宅を訪れることがあった

その度 ....
壮佑さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
もうちょっとなひと(みんなありがとう!)- 恋月 ぴ ...自由詩3812-5-9
葉陰のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*12-5-7
Raindrops(ちぎるひと)- 恋月 ぴ ...自由詩28*12-4-30
うつろぎのひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*12-4-23
口ずさむひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*12-4-16
陽春のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*12-4-9
幕間のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*12-4-2
Fish_&_Chips(時代少年)- 恋月 ぴ ...自由詩30*12-3-26
望むひと- 恋月 ぴ ...自由詩2812-3-19
積むひと- 恋月 ぴ ...自由詩2312-3-12
Crosswind/Crossroad(契りのひと)- 恋月 ぴ ...自由詩29+*12-3-5
顔なしのひと- 恋月 ぴ ...自由詩3012-2-27
奈落のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*12-2-20
Shadow_Dancing(向き合うひと)- 恋月 ぴ ...自由詩24*12-2-13
悩むひと(仮題?)- 恋月 ぴ ...自由詩27*12-2-6
優しいひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*12-1-30
止まり木のひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*09-5-4
めでたし- 恋月 ぴ ...自由詩15*09-4-27
ぷかり- 恋月 ぴ ...自由詩33*09-4-20
ららら- 恋月 ぴ ...自由詩28*09-4-13
ですなひと- 恋月 ぴ ...自由詩17*09-4-7
ピンポンダッシュは二度ベルを鳴らす- 恋月 ぴ ...自由詩22*09-3-31
ふだんのひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*09-3-23
潮騒のひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*09-3-17
修羅のひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*09-3-8
臙脂色のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*09-3-1
らっかするひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-2-22
新地のひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*09-2-8

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