かつて絆という
名前があったように
離れてしまった言葉の
名前を呼び続ける
声と声が平行して
共鳴する音色は
美しくせつなくて
呼び方は違っても
意味は等しく
軌跡となり
記される ....
あいの里
しのつく秋の{ルビ雑木=ぞうもく}
湯ぎりのしずく
かじかむむねのめぐみよ

髪を結い
知らぬみちをぬけて
はにかむ街へ
いつか人とはぐれて
ふちにたたずむ
銀のあかりあ ....
どんな町にお{ルビ囃子=はやし}が鳴り響いて
どんな町で葬列が連なってんのさ
僕は家へ帰る
青と黄色と黄緑のガラス窓が
なにかしらハンマーで叩き割られて
キリキリ、と
破片が落ちてゆく床に ....
て、手を伸ばして
やわらかくてをのばして

その、影
ぼくらに届いて
君は
ぬりこめられて

たいよう
やさしくしずみこみ
耳のあな
つぼみのように閉じ

ふとんを頭からかぶ ....
夏を ほどいた
波が

少し
季節はずれの
サンダルのつま先を濡らす

ここに 影もないのに

わたしは 何を 期待しているのだろう

打ち寄せる 波のレースは
その度ごとに
 ....
自分の名前を忘れてしまった
お婆さんのお尻を
「よっこらせ」
と抱えながら
車内の椅子に乗せた後  

息子の嫁さんが 
「これ、ありがとうございました」 
と透けたビニール袋を手渡し ....
ほら みて
ふってるよ


あなたが言う

窓の外をみると
ぎゅ っとひざをかかえた雪 
みたいな雹が
こつこつと
じめんにおちてきた


なんだろうね これ

ひょう ....
波あとのすなのうえについたあしあとを
くっきりとおぼえている
場面はかわっても流れている音楽はおんなじだった
われわれがみがきあげたタイルのうえを
仔どもらが駆け抜けていって
べたべたするあ ....

駐車場で暮らす人と知り合いになった
駐車場の
車一台分に四角く区切られたスペースに
うまくお布団を敷いて
机を置いて
入れ替わり立ち替わりする車のヘッドライトを灯りにし
雨が降れ ....
のぞいてごらん、おまえは蓮華畑で興奮している、鼻腔を刺激する春の芳香のなかで、何かを追いかけ、また何かに追われて、ちいさな蓮華の花を踏み潰すたびに熱くなっている、いけないことをし過ぎて気持ち良くなった ....  街に日が射して
 コンクリートの
 続く壁面が白く発光しているのを
 たよりにつたって
 あるいて
 その擦り傷のようなざらつきの
 わずかな影のさき
 壁の尽きるところの
 晴れや ....
夕されば高き帳に望月の影透けて咲きよいやみを待つ



ゆくへなき水だに君に恋すてふ命のなごりに青霧となる



秋と言ひ長き夢路を眩ませし霧は瀬に立つ蒼き陽炎(かげろ ....
瓶に鉢にポトスは生を渡しけり窓に風なき秋の{ルビ朝=あした}の たくさんの
シャボン玉が
飛んでるよ
ねえ
泣かないで
 春です
 あなたは誰かを愛していますか?
 小さな命を大切に
 大きな命と寄り添い
 あなたは幸せですか?

 夏です
 厳しい季節ですが、お元気ですか?
 子供の汗の匂いから
 ....
  やさしいのか
  やさしくないのか
  雨の日のあなた


  約束の時間に
  遅れたわたしに
  何も言わないので
  カフェオレを頼んだきり
  わたしも黙って俯いてい ....
どんなに 踏みかためても
道は じぶんのものに
ならない どれだけ
あるいても あなたの
背中に たどりつけない
夜更けのベッドの中で
あなたの背中にしずかにくちづけをする
くちびるを通して
言葉にできない言葉たちが流れだす

それは「うれしい」だったり「幸せ」だったり
「ありがとう」だったり

 ....
季節はずれの
つよいひかりに照らされた目抜き通りを
影を焼き付かせて
まばらに人が行き交っている
真っ直ぐ南北に延びた道には
終わりも始まりも無さそうで
くるりくるりと仕掛け時計の太陽が円 ....
 排気音が高く
 高く空へ昇って
 陸橋を走るぼくは
 町並みに連なり
 息づかいみたいに
 浮かされて
 白くあからさまな
 積乱雲を
 水平して
 開けていくにつれ
 早く
 ....
左利きの運転手と右利きの車掌
まっしろいホームにおりたつと赤いはた
さようなら
ホームの端のポール
今夜は空が見えない
君の色を思い出せない
今日
左利きの運転手が右手で手をふる
線路 ....
ぼくは潜水艦になる
押し入れのハッチを閉じて
ながいながい航海にでる
まっ暗の中のひとすじの光は
消えることのない流れ星

ぼくは潜水艦になる
黒いごみ袋に入って
埠頭についたパパとマ ....
雪に閉ざされた街と
鉛に封じられた空が
防風林の向こうで
混じりあって、深藍に

   レールギャップを鉄輪が踏む音
   ポイントを焼く篝火の色

私は泊まる宿も決めず
真っ白な駅 ....
2006年8月26日

旅の話


八戸へ向かう新幹線のなかでうつらうつらしながら
びゅんびゅんうしろに走っていく景色をぼんやり
ああ、この辺には岩手軽便鉄道が通っていたのだ
と  ....
白い原稿用紙に痩せた象を書き、 赤い紐で閉じた 指をひらくと
きのうの夢がこぼれ落ちた
わたしたちは
月の公転ぐらいのスピードで
どんどん忘れていくのだから
泣かなくてもいいのに
と言いたいが
きのうときょうの
ことばを全部書き残し ....
増水の ために

すっかり 荒れはてて しまった

堤の かよって ゆく なかを

猫じゃらしを 噛み ながら

草ひばりの 音が ほそぼそと つづく

すすき野原を  ....
青くてすごく激しい魚を
まな板に乗せてばちんと
首を刎ねた
何の通告もなしに
首も胴体も捨てた
血の匂いがあたりに漂って
ハイターをぶちまけた
心残りは無かった
たこ

ウィンナー
はーど
ボイルド
たべ
ちゃった

がない
ので


売って
ない
タイル
ばり
しかくく
あかるく


買い物
リア ....
最初の 真昼の 星が

ことばの 紀元前に またたいて いる

やってきた 9月

地には ことしの 豊穣を

やくそく した 稲穂たちや 曇った空

透明な 稲びかり ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日々の果てまで- 小川 葉自由詩107-10-1
鏡恋歌- 佐野権太自由詩10+*07-10-1
大通りに、投げる- 水町綜助自由詩15*07-10-1
あさが_くる- ふるる自由詩17*07-9-30
秋を迎えられなくて- Lucy.M.千 ...自由詩207-9-29
味噌汁の絵_- 服部 剛自由詩207-9-29
みず_たま- はな 自由詩11*07-9-29
(無題)- キキ未詩・独白407-9-28
出会った人々についての話- 吉田ぐん ...自由詩23+07-9-28
収穫- はらだま ...自由詩13*07-9-28
白い壁沿いを歩く日- 水町綜助自由詩1207-9-28
ブルー・ミスト- Rin.短歌18*07-9-28
蔓と葉- A-29短歌2*07-9-27
シャボン玉- チアーヌ自由詩207-9-26
初恋の人へ- doon自由詩207-9-26
金木犀- 嘉野千尋自由詩27*07-9-24
そろもん(星の歌)- みつべえ自由詩407-9-22
夜の鼓動- 宮市菜央自由詩3*07-9-21
わすれない- 水町綜助自由詩707-9-20
海を見ている十七歳- 水町綜助自由詩1007-9-19
そことこことないこと- 渡邉建志未詩・独白407-9-18
潜水艦の季節- くろねこ自由詩1107-9-18
駅・五所川原- たりぽん ...自由詩10*07-9-17
葦間さんの旅日記その1- mizu K未詩・独白307-9-17
正しいことが鉄の雨のようにふりそそいで- リーフレ ...自由詩207-9-17
(無題)- キキ未詩・独白607-9-16
誰かが去ったあとを見る- モーヌ。自由詩25*07-9-14
廃棄- チアーヌ自由詩607-9-9
おべんと- 君の、自由詩207-9-8
天国の子どもたち- モーヌ。自由詩16*07-9-7

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