ブリキのバケツに
小石が落ちた音がした

ずいぶん長い間
水を入れていなかったな
そう思い出したけれど
バケツに水を入れてやるのが
考えるだけでも億劫だったから
背中を向けたまんま黙っ ....
重たいよ、重たいよ、と稲が鳴ります


生まれるよ、生まれるよ、と栗がもうすぐ妊娠八ヶ月です


うーーん、と心地よい秋風に、晴天が背伸びをします


ぐう、ぐう、と魚の雲を見たわた ....
祭りの夜は渦巻く貝殻
空はずっと青かった
水の流れをずっと聞いていた
草を噛むとたちまち苦みが
口なかに広がって 星が銀河が
水のように押し寄せて来る


あれは
ケンタウルスのきら ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
1.
夏の最期に間に合うようにそろって頼んだ檸檬水を交互に啜っては、八月をひたすら微分してゆく。向かいに座ったともだちの袖口から空色の蜥蜴が滑り落ちて、小さな鳴き声を立てると凄い速さ ....
ハロー、マチルダ
カビ臭さが紙の匂いだと思っていた古本の
ひさしぶりに太陽とすずしさの午後
公園では、抱えた小脇に
ひとつ大きななにかが終わるのを願っている青年と
ぼくが彼女に薦められた物語 ....
髪の毛の
おくのおくの

かきわけた
おくのおくの

うなじに近い
うぶ毛に近い

一本のみじかい
白髪まじりの妹が

ここには
いたくない
といいたげな
めで僕をみるの ....
ちゃんと頑張れていないときや
色々なことがうまくいかないときは
休みの日に雨が降るといいんだ
朝、目が覚めて
ぼんやり目をあけると
真っ暗だった部屋に
緑のカーテンを通して薄い朝の光が ....
今この瞬間
このタイミングで
あの日
じいちゃんは何を思って居たのだろう
確かまだ
南の島で
息を潜めていたのでは
無かったろうか
いや
野戦病院
だったろうか
それとも
帰国 ....
カシャとピストル撃って、たたんで
カシャとピストル撃って、たたんで

工場作業は朝9時朝礼からはじまる、それは社会の無機物の一部になる瞬間
値付けは季節の移りかわり直前とボーナス直前が一番忙し ....
純粋ではない動機
から始まって
純粋な気持ちが
後からやっと追いついた
そんな愛のカタチは
すでに複雑に捩じれ
その崩壊を
待つだけになっていて

暗闇に少しずつ
オレンジを敷き詰 ....
秋をたたえた果実が
冷蔵庫の中で
しずかにたゆたっている

喉の奥で鈴虫が鳴いたので
そろそろちょうだいよ
と ねだったけれど
まだ少し早いからって
冷蔵庫にくるんと断られた
渚のざわめきは
ナトリウム灯のオレンジに溶けて消え
九月の海が
わたしの名を呼んだ

絹を広げたように
滑らかな水面が
夜の底へと続くしろい道を見せる

爪先からそっと水を侵すと
 ....
秋の陽気に口説かれ一葉が輝き
         我も少し武装解除したし


どこまでも透ける空には有ると言う
           天空の都 仰いで汗流す


はにかむ陽に首かしげて微 ....
心臓が集まるとファンタジーになる

初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日

旅から戻ったベ ....
目指す高みは

遥か上空に在り

今はまだ霞んで見えないが

いつか必ずそこからの眺めを

誰かと並んで見ることになるだろう

そこは上もなく下もなく

ただ広く  ....
からだがあって

こころがあって

たましいがあって

ここに


となりあって

ふれあって

かさなって

いつも


さいしょは

しらない


さ ....
全席でセブンスターの煙立ちブラヴォが響く深夜のガスト


世界には苦痛もあると知るだろう彼女もきっと母になるから


根を張ればAV機器が増えすぎて自分探しの旅も出来ない


昨日か ....
人の生を、単純な線にしてみる
すべての線が、平行に走り、交わることはない
それが孤独
すべての人が、もって生まれたもの
人は、人として生まれた
幾千の星が持つ固有のベクトルに似て、
すべて ....
この部屋の中にアナログ時計はなく
壁には40年近く昔の音楽祭のポスターが貼られているだけ
花に囲まれて幸せそうな
薔薇の花冠を被った骸骨の
風化させる横流れの青い光に
少し小首を傾げた笑顔
 ....
―――いつも雨の音がする



ひんやりと冷たい、鉛の棒で、
心臓をゆっくり刺し貫かれるような違和感で目が覚める、
午前3時、のろのろとベッドを這い出して、
レジ袋から転がっているペ ....
死のように
強い
反復のなかで、きみは
夜にはむかっている

それぞれは
一回限りである
という
絶対が、すべての反復を
不帰にしている
いま、
ここで





 ....
切手って
ペランとした羽根のようなもの
涙の味と似てる、切手って
おてがみにつけるお守り(ちゃんととどきますように)
(鳥がちゃんと見ているのよ)
まなーが凝縮されてるすたんぷ

誰かに ....
目をつむろうか
草花が閉じるように
ゆっくりと心にぶらさがって


切り取り線に沿って歩く
内側よ 自分のものになれと思って


誰かに火を
ともしおえたなら
安 ....
掟は高い塀のむこうで眠っている
周辺を傲慢がはびころうとする

横断歩道で信号機はたがいに孤立し
おたがいの過去をたずねようとはしない

信号機は信号機の宿命のまま
明滅している

 ....
しめった風が頬をなでるのをやめ、
埃のような雲霧が二人の呼吸を失わせていく
白くかすんだ記憶の中で
街灯だけは飴玉のように赤く潤んでいたが
  
  私はそこにいるはずなのか
  そうでな ....
ウエストサイズはミリ単位に決定される 
青シャツはすべてアイロンをかける
携帯ストラップは親友からの贈り物 携帯をもっているのは
当たり前
なので
明日の予定は明日の朝にならないと連絡はこな ....
汗をかく
したしたと汗をかき
発熱しそうな体が平熱であろうとする

腹が減る
汗をかくために必要な
熱量を摂取せんがためにただ腹が減る

眠くなる
汗をかき腹を満たし
体に不要な熱 ....
夜空が暗いのは
地球に届いている光には、限りがあるから

僕にみえるものがいくつあるだろう
届くところと届かないところ

生きている時間には限りがある
有限の宇宙
の中の有限の宇宙

バスを待ちながら ....
熱帯夜から放たれた八月のあなた
雨戸もガラス戸もカーテンも開けて
短い髪に風を受ける
シャンプーの香りがよせてはかえす
秋の虫が聴こえる
蝉の絶えそうな羽音も渇いたように
風がはためかせた ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
べぼん- 明楽自由詩6*08-9-10
初秋- 小原あき自由詩16*08-9-10
ケンタウルスの夜- 石瀬琳々自由詩18*08-9-10
交感する秋の声紋- 佐野権太自由詩27*08-9-10
ナナカマド- Utakata自由詩208-9-10
本とマチルダ- nm6自由詩708-9-10
ゆるい傘・ゆるゆる- このえ自由詩2*08-9-10
雨音と着信- しずく自由詩108-9-9
じいちゃんへ。- プル式自由詩6*08-9-9
歯車- yoyo自由詩608-9-9
暗闇に敷き詰めたオレンジ- 皆月 零 ...自由詩6*08-9-9
初秋- 明楽自由詩308-9-9
海蛍__(二)- 銀猫自由詩16*08-9-9
秋の陽気- アハウ短歌208-9-9
おかえり- たちばな ...自由詩24*08-9-9
立志- しずく自由詩108-9-9
暖かな宇宙- 松本 涼自由詩808-9-8
バーチャルに住むということは、いつか壊れるという不変の結末を ...- ピッピ短歌508-9-8
海面上昇5- rabbitfighte ...自由詩15*08-9-8
壁のポスター- 水町綜助自由詩708-9-8
青の異物__(すきとおる、- ねことら自由詩708-9-5
死のように強い反復のなかで- こもん自由詩508-9-4
切手- 唐草フウ自由詩4*08-9-4
fellowships- あすくれ ...自由詩11+*08-9-4
オミナエシ- Etuj ...自由詩208-9-3
喪失の仮面- 二瀬自由詩17*08-9-3
今日のウエストは53センチと3ミリ- リーフレ ...自由詩308-9-2
汗をかき働く日- プル式自由詩4*08-9-1
星空の限り- kawa自由詩308-9-1
秋、一番- たちばな ...自由詩18*08-8-31

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