消防署の隣に
積木で家を造りました
小さな家でしたが
お祝いにひとつ
ほおずきを添えました
出会ったときには
もう家族でした
グッバイベイビー
きみはまだ
そこにいるのかい
トンネルを抜けると
そこは
まだ雨が降らない
東京駅だった
高層ビルが
山のように建っていて
お洒落だった
遠くの景色が霞 ....
たった
一つの愛しみを
抱いて
思うところを
見つめ
寄りそう人の
片時
で
ほほ笑んで
いる
貴女の
握りしめた
左の手の
小さな 小さな
種に
なりた
....
書いては消し、
書いては、
消し、
夜 、
に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
頑張ってない
そんなぼくだって
ほら、
頑張り方がわからない
そんなきみだって
ほら、
生きてる
手だって動くし
感情だって揺れてる
頑張っていない人なんかい ....
{引用=
(光を常に浴びて変われ
きみという緑の輝きの)
(そのうすい葉脈のすみずみまで満たせ
それがたとえ何かを)
}
おぼろなる
季節は過ぎて
五月
つつ ....
おいしいと評判のケーキ屋さんは
有精卵をつかっているという噂だった
怪物みたいな冷蔵庫を開けると
そこには透き通るような殻をした
まだ温かい卵が並んでいるのだと
早朝
こっそりケーキ屋 ....
仕事の帰り道
遅くなって借りた傘をさすと
すこし前を地下鉄のとおい駅まで
歩いて行くふたりは
みんなにこそこそかげぐちを言われてる
おんなのひとのほうはついこないだ
離婚した
おとこ ....
影なびくほうへ
路を曲がる
前も後ろも
午後になる
花の色と
名前を忘れる
すぐそばにただ
ひとつ揺れる
雨と雪が経ち
かたちは鳴る
すぎてゆく手に ....
みじめな欲望じゃけえ、今目の前で失うても構わん。ヒクヒク鼻を近づけて臭てもろても構わんけん、その代わり腰をくねらしたシルエットはきれいやと言うて。朝ごはんに作る味噌汁に何の具を入れるんか考えることだけ ....
{引用=
あるんだ、
のお前は、
....
春の日に 知らない色を びりりとやぶり
ただあかく塗り潰し
集めて君に突き立てて
これでも浮かれるかと問う
君 くろい髪ばさりと落とし
あか くらり
うすらいで
は ....
地上を覆う
夜の帳の重さを
老木の林が支えている
土深く
張り巡らせた
無数の根足を踏ん張りながら
夕闇に黒く浮き立つ
老木達をじっとみつめる
君の体から放たれ ....
あらゆる方向から放たれる光の線を
波には乗らず
その透明さを感じながら
髪をなびかせ
駆け抜ける
ひたいの汗
ぎゅっと握りしめた手からは
こぼれ落ちそうな
ちいさな希望のかけら
....
シャキ
ジャキ
ジャギ
ジャギッ
落ちる
落ちてゆく
さっきまでわたしであったそれ
ぎらり光るハサミが引き離した
箒で集められ
ゴミ箱へ
見送ることが出来るのは ....
ジャパン・ランドのうえを
ひかりが
風が、雲が
ちからの流れを変えてゆく
ぼくらはどこから来たのか
ぼくらはどこへ向かうのか
おなじでも
べつべつでもないのに ....
{引用=気がつくと私は朝食を食べていて
ちょうど大根の葉の炒め物を乗せたごはんをお箸で持ち上げようとしたところだった}
突然ですが
はだしの生活を始めて
そろそろ3年になります
コン ....
おでことおでこをくっつけて
君と春のうたた寝
寝息が波のように遠ざかり
いつしか君は夢の中
匂うような春はこんなふうに
小さな子供に戻って
やさしい眠りに包まれていたい
そっとそっとゆら ....
疲れ果てて
今日が始まった人たちと
逆行して帰っても
朝日に照らされると
なぜか顔がほころんだ
時間は平等なはずなのに
僕の時計は気がつくと遅れている
一歩、右足を出すと
....
君が牛乳なら
僕はコーヒーだった
国道4号線
右折しても左折しても
そこは鎖骨だったから
かならずてのひらで行き止まりだった
行き止まりの
てのひらを握りあって
....
{引用=雪見大福サイズの
雪見大福みたいなうさぎたちに 羽がはえて
ぶーーーーん って
いっぱい空を飛んでる
なんだかあわててぶんぶんしているので
いっぴき 飛ぶうさぎを ....
なんでこんなにさみしいかなだれかわたしをさらってください
さよならにまだ泣いている心臓がきみを思ってとくとくとなる
水分を全部きのうに連れてってきみの涙を消してあげるよ
....
きみの
手がはえてくるのを
まってる
すわってる
いないひと
いない
せーのでふりむいて
まもってるから
あめ
あめ
あめ
きりのように
いっていいこと
わるいこ ....
僕は睡蓮の池の絵に
名前を付けた
夕暮れ
どこかヨーロッパの石畳の町
大きな花屋が一軒あって
歩道に沢山の鉢植えの花をいくつもならべて
ほとんど黄色の花が多いみたいだけれど
どれも金塊を ....
昔 父さんが庭の木に作ってくれたブランコに
僕たち兄弟が並んで
そうやって
毎日 そうやって暮れるまで
永遠に思えるような時間を過ごした
季節が変わるたびに
短くなっていくのだ ....
こんがりと焼けた茜に
今宵あなたとニコーラへ
とろりと滴るバターの琥珀
バジルで装うゴルゴンゾーラ
ギンガムクロスに灯るオイルランプが
ゆらゆら ゆらゆら ゆらめいて
窓から見える ....
なまえ、ください。
道路の上に横たわる、かぞく
駆け寄った。悲しくて、悲しくて。
もう、しんでいるのでしょう?
あぁ、どうかこれ以上
ひかないで、踏まないで
魂は、 ....
突如帳が切って落とされる
ブラックアウト!
一番星見いつけた
何処に?
(鋭角な紅い山の頂に白い驟雨が降り注いで)
左足の小指さ
生まれ変わったら、
猫になりたい。
生まれ変わったら、
あの人の兄弟になりたい。
あの人と、猫として、穏やかに暮らしたい。
今は会えないけど、その日まで、さようなら。
ナイロンで滑る指
艶めかしさに酔い
月の果てに漂う
今宵の月
冴えて
今宵の月
独りで
輝いている
夜の屋内プール
水面に反射する
水銀灯・ナトリウムラン ....
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