たんぱくしつは
熱せられて
固まる

夏に固まった
たんぱくしつが
秋にゆっくり冷えていき
やがて
土に還っていく

冬にほどけた
たんぱくしつは
僕との螺旋の約束を
のんび ....
僕の範囲は僕だけだ

僕だけだ

全身タイツのようやぴたりと

僕の中だけだ

部屋は広すぎる

空気が多すぎる

空間が広すぎる

年老いていけば

自分ですら自分の ....
積乱雲が雨を降らせる。
空が好きだな。雲が好きだな。それを映す
水面が好きだな。言い出したら霧を見つけた。靄も好きだ。
雲の根源は地上に流れる水にある。
葉の裏から出た水蒸気にある。
空が私 ....
響き合うことに楽譜は要らなくて夜の舞台で雨が奏でる からっぽの溝に鳥が死んでいた

学校の帰り道

それだけでしょんぼり出来た

世界は知らないうちに壊れていた

世界はこころそのものだった


誰彼かまわず挨拶していた

た ....
1.

信じ続けることは海になって
みんな浜辺でお祈りをしている
空になれる日はきっと近くて
折り曲げた姿で翼を待ってる

消灯されていく物語たち
電光をやどす唇(すぐに手放す)
な ....
紅くてちりちりした涙が枯れ果てる

オレンジ色の小さな花の

フルーティな抹茶みたいな香りが

ぼくらの世界を席巻している

それはグーグルアースにも映らない


道をゆく者たち ....
ありのままの
星空よりも
ふんわりと雲のかかった空を見上げ
満天の星空を
想像する方がきれいかもしれない
ありきたりなことだけれども
わたしたちの想像力は
ある種の創造力よりもずっとずっ ....
夏休み最後の日曜日
娘達を連れて出掛けた『ツタンカーメン展』                          

それまで静かに私の後をついて来ていた下の娘が
王妃の小像の前で時突然口を開い ....
よってたかっての虫達が少なくなった頃を見計らって甘い香りを遠慮もなく振り撒いて
誰を誘惑しているのか
ずるい金木犀だ

俺だって 夏からつきまとわれて 迷惑している女の子達がいて

 ....
  金色の水がつたうと
  かたく四角いその壁は
  栗鼠のようにまるくなる
  ひとびとの話す声が
  物陰にひしと隠れる秋  
  きみの舌は木枯らしをつかみ
  それからねむ ....
夏よりも冬のほうが好き。冬が終わるときはなんとなくさびしい気持ちになるけれど、夏が終わるときにはいつも少しうきうきしてしまう。
ただ好きというのと得意というのはやっぱり少しちがっていて、色々なも ....
シュッと宙に向けて突き出した切っ先が
目に飛び込んできた
暗い展示室にひときわ輝く一振り
研ぎ澄まされた刀身が
強いスポットライトを跳ね返して
銀色の光を放っている


思わず吸い込ま ....
こどもだ
というだけで
みじめだった
おんなが

おんなだ
というだけで
蔑まれるのは
道理か

どのみち
ここへ着くだろう
どのみちをとおっても
おんなへ
着いただろ ....
{引用=
 うつむいてばかりいて、
気づきませんでした



 見あげると
すべてを忘れさせてくれる 秋の空がありました
ぬけるような碧の その広がりは
人の小ささを教えてくれるため ....
目の前で可愛がっていたくまさんが流されていって
お気に入りのピンクのクロックスは濁流でもう見えない
夢だ、
そう気づいた時には
もうそれは現実になっている

小さなお墓があって
小さ ....
夜の中心に置かれた
玻璃の器の中で
微光を放っているのは
誰にも問われることのなかった
ひとつの答えである
猿山の
一番見えやすい位置に
子猿を抱えた
母猿が座っていて
まるで「うちの子可愛いでしょ?」
と言っているみたいで
親ばかは
人間だけじゃないのかもしれないと
わらった


私 ....
いつか何処かで――  
あなたに逢った気がする 

あなたのお母さんと 
歌に生涯を捧げたあなたの思い出を 
初めて語り合った日の夜 

生前のあなたも来たという 
故郷・朝霞にある  ....
爪先が深く沈み

濡れた砂が潜り込む

薄曇りの空の下

静かに呼吸している海は

黒に擬態している

青のような色をしている

ひとの姿はなく

ひたすら ....
母の作る
遠足のお弁当
いつでもそこには
りんごのうさぎ

黄色い躯体に
赤い耳

役に立たない耳の端(は)を
世界に
ぴん、とそばだてて

ああ
君がい ....
廊下、というよりも百貨店の通路のような広い
人が通り、買い物などしているような道の真ん中の
売り場の壁の後ろで、仕事に疲れていたわたしは携帯を見ながら休んでいた。午後四時半。
誰かが来て請求書の ....
                 121007

共感覚の指令の下に
自転車を漕ぐと
待ち合わせの人が微笑んで
昨日の猫が舌を出す
奴は今から欠伸をして
背筋を伸ばして
何処かに遊びに ....
いつもMDのラフマニノフは家に帰ると鳴りっぱなしで乾いた道と渇いた人にちょっと疲れた心をなぐさめてくれるのだが。
現実派ではもともと無いのではあるが独りの家計はあらためて可処分所得の少なさをしっかり ....
おにぎりは
人のために握っても
自分のために握っても
いいものですね

ぱっと手が熱くなって
はふはふがまんして ぎゅっ

相手のことを考えながら
自分の今日を考えながら
おまじな ....
浮き足立った歩道から
急ぎ足で流れていく
目映いテールライトの
真っ赤な花束を見ている
視野の真ん中に
ぼんやりと
あの日のきみが
スライド写真みたいに


寄せては返す
きみと ....
闇がやってくる
やがて
海と空の境界線をうやむやにする
闇がやってくる

完全なる闇の中で
闇を知ることはできない

闇を知ることは簡単だ
ぼんやりとでも
灯りをともせばいい

 ....
元気よくそらにむかって目玉たちは落ちてゆく
音のするほうへ飛ぶことに
慣れてしまったからだから
重力のための地図がまぶしくひろがって

ビルが生え変わる
あたり一面
びっしりと背をのばし ....
信じられない、と言うのが聞こえたあとにもう一度信じられない、と言うのが聞こえたので私は礫(つぶて)になってしまった。弾けて路傍。鮮やかなつま先であなたが私を蹴り上げる。信じられないと言う声がまだ胸 .... 不在を証明せよ、
と、
書きなぐられた、
黒板が、反響する、チャイム、
放課後の静けさ、誰もいない、教室の大気、
歪な、掃除要具入れの、造形美、
フローリングの線に沿って、並んだ机達が、
 ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
たんぱくしつ- そらの珊 ...自由詩712-10-13
下り坂の何処にて- 短角牛自由詩212-10-12
一昨日の私は明後日の空を想像できない- かんな自由詩12*12-10-12
雨の夜- そらの珊 ...短歌812-10-12
少年世界- 吉岡ペペ ...自由詩1812-10-12
1- いつも神 ...自由詩212-10-11
宇宙には届かない- 吉岡ペペ ...自由詩412-10-11
曖昧さをかかえて- かんな自由詩12*12-10-11
ツタンカーメン展と娘- 夏美かを ...自由詩18*12-10-11
星は流れない- ぎへいじ自由詩14+*12-10-10
秋の夢- 草野春心自由詩912-10-10
10/31- はるな散文(批評 ...112-10-10
斬る- 渡 ひろ ...自由詩21*12-10-10
みじめ- はるな自由詩412-10-10
**_/紅葉/希望/夢/私- 月乃助自由詩15*12-10-10
足元を流れる水の底の色、その地下を流れる- ピッピ自由詩812-10-9
He_said- 塔野夏子自由詩9*12-10-9
親ばか- 小原あき自由詩9*12-10-9
盃の音ー蕎麦屋・吾平にてー_- 服部 剛自由詩712-10-8
アンモナイトをおぶさって- ホロウ・ ...自由詩10*12-10-8
りんごうさぎ- umineko自由詩28*12-10-8
ウォーターフロント- 渡邉建志自由詩412-10-7
日々の暮らし- あおば自由詩7*12-10-7
生活者のうた- 梅昆布茶散文(批評 ...21*12-10-6
魔法のおにぎり- 朧月自由詩512-10-6
メビウス- 寒雪自由詩112-10-6
夜光虫- そらの珊 ...自由詩17*12-10-6
メモ- モリマサ ...自由詩612-10-5
つぶて- はるな散文(批評 ...312-10-5
詩人不在証明その3- rabbitfighte ...自由詩3*12-10-5

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