クラッカーが鳴らされた
遠い船旅への出航にも似て
さまざまな色の
無数のリボンが流れては
黒い羅紗の床を汚してゆく
ひとつの別れなのか
祝うべきことなのか
知らない
どこへ ....
 
ものごころついたときから
あるもよおしものが
そこでおこなわれていて

開催期間:ひとのきかん

とかかれてあるので
ふしぎにおもい
うけつけのおねえさんに
ひとのきかんとは
 ....
同じ図書館は二つとないね
どの図書館も違う

引っ越したあとも使っていた
利用者カードの期限が来て
今度は更新できない

一度別れてしまった恋人の手や髪や唇には
二度と触れられないよう ....
一週間ぶりに
病院に行くと、
よっ、と
笑顔をつくっていくと、
きみは
雨の中でかがやく
太陽のような笑顔をわらう。
そうして
よっ、と
握り拳に近い
Vサインをする。
ああ夢みたいだ
のみこんだ群青
ぼくを加速させる
きみは幾度も
刹那を待ってる





ながめる宇宙は
果てしないが
ぼくがいる世界は
ここにある
きみの瞳には ....
夕暮れの水位は
さざなみ
浅い胸に、さざなみ
空白で埋めたはずの
小さな画布が
素朴に満ちてゆく

海面に浮かぶ
危うい杭に
うずくまる鳥の
膨らませた羽から
零れる文字のやさし ....
 
お見舞いにいくと
ベッドと見まちがえるほど
平らになっていて
痩せていた
祖母と手をにぎりあって
見つめあっていた

帰り際に
手をふった
なるべく笑顔で
いつものように
 ....
シャボン玉のなかの、人気の無いシャッター通りを
くぐりながら、眠れない半分の顔は暗闇の書架を見上げた。
玩具の戦争が終わったら、地平線のうしろに隠してある
重油の山を売り払って、腹が裂け ....
わたしは川になりたい
草原をうるおし、森をいつくしみ
たくさんの魚が群れ泳ぐ
川になりたい
やがて大きな海にそそぐ川に

わたしは、はるか大地のおく
山の斜面にねむる池。夜ごと
星が  ....
手のなかの電池の切れた携帯電話だけが熱かった
毎日一度も鳴ることはなく
しかし今日も握りしめて生きている
何もかもが煌々と夜を照らしても
手のなかの電池の切れた携帯電話だけが熱かった  ....
白梅も微睡む夜明けに
あなたしか呼ばない呼びかたの、
わたしの名前が
幾度も鼓膜を揺さぶる

それは
何処か黄昏色を、
かなしみの予感を引き寄せるようで
嗚咽が止まらず
あなた、との ....
鳥と話が出来たら、教えてやろう
 あの明るいのは火星で、地球と同じように岩の塊で、
 風が強くて、とても寒い
 その先の木星はガスの塊で、すごく大きい

鳥は言うだろう
 そりゃぁ、すごい ....
そこには自分を高く売ろうとする女と、それを安く買おうとする男がいて、隠し切れない欲望が渦巻いている。

何を勘違いしたのか、誰かが値札を貼り間違えたようだ。
怠慢なトラブル。
アンファンテ ....
愛に迷う朝の瞳に抱かれた
木陰は透きとおり
空へと還る一つの現象で
(降っている、)
砕けた青の波を
すべりおちていく冬の光

潤滑する霧のなみだは
雪片を
あかあかと燃 ....
自転車で法定速度はこえられない/次のカーブを鋭く曲がる




風船に君の息が入っていく入っていく
やさしい すこし こわい




屋根裏でなくした白紙の古い絵本
握りつ ....
空というものに
きっと知らない世界があると
雲の大きな
さかさまの地面をけって
落ちてきた
僕が笑っているので
なんだか
ほんとうに
なんだか
スぅっと遠くに
泳いでいくクジラにな ....
雪が私の小さな夜に降りしきます
冷たいものを無限に受け入れて
静かなまま染まるのです
記号という名前だけをもらった
小さな星雲たちみたいな
街灯が青白く照らす夜です

星を頼りに渡る鳥は ....
私の祖父はうまく焼けなかったので
2度焼かれるというレアな体験をして
ウェルダンされた

生乾く人

小林宏史という写真家の本に『死と葬』というものがあ
る。インド、カルカッタ。寺院の前 ....
「 いってきます 」 

顔を覆う白い布を手に取り 
もう瞳を開くことのない 
祖母のきれいな顔に 
一言を告げてから 
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く 
散歩日和の道を歩く 
 ....
月がきれいだよって
君に教えようとしたのに
君を見たら君がきれいで
そのまま君を見ていた僕に君が
月がきれいだよって

そうそう
月がきれいなんだよねって
思い出して見上 ....
 
子供の頃の、僕と父の写真を指差して、四歳の息子が、
「お父さんがふたりいる」と笑ってる。
それから、今の僕を指差して「お父さんが、もうひとりいる」と笑ってる。
今度は少し、不思議そうな顔を ....
雨の中の
傘の下の
小さな涙

早くお家へ帰って
お菓子食べようね

池が
雨で
あふれそうだよ
 

野菜スープを
朝食と同じように,出す
雨は止み、妻帰り来る
夕食時

木曜日は絵を描く日
薔薇を四輪
妻にはまだ見せぬ
二人で外へ、傘をさす

雨の木曜日
木曜島という ....
かたことと鍋のふたが鳴る
火を弱めて中を覗けば
綺麗に透き通った大根がくつくつ
湯気に顔が火照る


昨日の雨はすっかりあがり
太陽が柔らかく照らす
洗濯物がはたはたと
光を吸い込み ....
モノクロの廊下の先にきえていく
ひかりを背負った僕の残像




何不自由なく育ちました。
ピストルの撃ち方だけを教わりました。




ガス室で呼吸ができないきみのため
 ....
今、ラスベガスのネオンを浴びている亀と話している。
その亀は、世界を旅した経験があるって自慢した、
近くのカジノで勝った、気前のいいおじさんは、イタリア語でお裾分けだと言い、自慢話をしている亀に ....
雨ふりさわさわ風の音
赤青黄色の傘揺れて
薄らぼんやりちぎり絵の
様な世界に変わります

から風びうびう冬の音
しぽしぽカポカポストオブに
魔法のヤカンがふき出して
あたしを夢へと誘い ....
少し前まで{ルビ賑=にぎ}わっていた 
デイサービスのお年寄りが帰り 
部屋ががらんと広くなった 
{ルビ掃除=そうじ}の時間 

いつも掃除機をかけるおばちゃんが休みなので 
「じゃ、俺 ....
春 近く
今 輝く大海の一滴で
水晶を濡らし
世界の浄化を試みて


春を待つ
植物らの冬ごもり
陽光の射角
昇り 高まる


温帯 東京は
冬の日光浴こそ
快適な遊び
 ....
自転車に乗って
切り裂く無限がいとしい

風と共に過ぎ行く人の
寂しげな拒絶がいとしい

どこかへまっすぐに突き進んでいく
私のありあまる馬力がいとしい

どこかへ行き着くために ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
錦繍- 水町綜助自由詩8+*09-1-30
ひとのきかん- 小川 葉自由詩8*09-1-29
さようなら図書館- 小池房枝自由詩1009-1-29
雨の中の笑顔- 草野大悟自由詩4*09-1-29
のみこんだ群青- ゆうと自由詩5*09-1-29
素描- 佐野権太自由詩19+*09-1-29
トンボ- 小川 葉自由詩9*09-1-29
白いみずおと______- 前田ふむ ...自由詩18*09-1-28
わたしは川になりたい- 寅午自由詩209-1-28
磨く夜- 因子自由詩209-1-28
美しいひと- 銀猫自由詩29*09-1-28
星の季節- rabbitfighte ...自由詩709-1-28
quack2- BOOKEND自由詩1*09-1-26
Aria_d'amore- エスカル ...自由詩7*09-1-25
方向転換禁止- しろいろ短歌1009-1-25
空とクジラの事- プル式自由詩3*09-1-25
君の朝につながって- たりぽん ...自由詩14*09-1-25
生乾き- mizu K自由詩9*09-1-25
海に還った祖母に捧ぐ_- 服部 剛自由詩3509-1-24
得意げな君と僕と月- ミサイル ...自由詩409-1-24
今、ここにいる。- 小川 葉自由詩709-1-24
今宮二丁目の池- A-29自由詩4*09-1-23
雨の木曜日- 生田 稔自由詩909-1-23
_風景描写- あ。自由詩3*09-1-23
破線上のスノウ- しろいろ短歌5*09-1-23
__ネオンと亀- つぐこ自由詩8+09-1-22
冬虫唱歌- プル式自由詩309-1-22
掃除の時間_〜延長コードと僕〜_- 服部 剛自由詩709-1-21
春_待つ- アハウ自由詩3*09-1-21
風景- 長元坊自由詩509-1-21

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