真夜中
眠らないで
夜汽車の音を聴いてるの
羊が何匹飛んだって構わない
みんなが寝てるのに
ひとり起きてるのって
いい気持ち
あたしは
あたしを探す
どっかに置き忘れた
....
ありがとう、と言うと
むねに少し雪のふるような
はかなくて、とけるとしゅんとなる
それはもうこのひとつに
わたしがさよならすることだから
ありがとう、この年
そして今日がすぎる
....
ちっこいきみがわらうと、おはながさく
あめの くらいにわに
ちっこいきみがかえってくると、
おはながさいて
やわらかくほほえむ
長いものに
巻かれている
巻かれたまま
雨にうたれている
門柱に汚れた表札
無い
と思う
年末の大掃除の
音と匂いが
街を満たす
そんなに好きなら
大掃除だけしていれば ....
まぁやぁ 赤ちゃんて
こんな ちぃせぇもんじゃったけぇなぁ
玄孫の姿を
光の乏しくなった瞳でとらえ
しわだけの顔になって
ひいばあちゃんは言った
そして もう一度
同じ言葉を繰り返してか ....
途切れた先のピアノ線
かつての相対的な不協和音
世界中のノイズから
取り残された果て
遠くで一瞬のまたたき
目を凝らした瞬間に
それは波動に飲み込まれ
見えない明日をブ ....
14 絵
なぜ
観覧車が少女のために
あれほど傷つき
苦しむのか
わからなかった
今でも
本当に理解できている自信
はない
そ ....
銀色の鍋でじっくりことこと、
蜂蜜は茶色の小瓶から、
そんな情景にあこがれるけれど
現実世界の僕は まぁ
時の流れに逆らう気力など持たず
透明なカップを電子レンジに、
プラスチックケースか ....
可愛い人がいる。
「一緒に寝ないんですか」七月にそう私が聞いて、並河さんは
「うん 寝ないよ」そう答えて、奥の布団で眠った、夏。
九月、眠っている私の頭を撫でて、並河さんが ....
レコードの針 ぱつ ぱつ
エネループが空になった
そんなら 次に写真をとるのはいつだろ と
猫に携帯を向ける
灯油がたかいのでホットミルクをつくる
だんだん眠くなると ああ このままが経 ....
風のかがやきとセピアを追いかけるようにくるるるらせんを描く
あっ銀杏仲良く囁きあってるねあれは秋の置き土産なの
後にも元にも戻れない路上のニュースペイパーサクサク言って
....
安っぽいイルミネーションに彩られた
クリスマス・イヴの東京の街角
元・恋人に貰ったiPodから
アクセル・ローズの悲痛なシャウト
全てはもはや記号に成り果て
ウォーホルもレノンもコバーン ....
男の人が白い塀に寄りかかってる
ぼんやりした格好で
衣服には模様のようなものがついている
何をしているのか聞くと
誰かの夢の中なので勝手に動くことができないんです
と言う
かわ ....
水道の蛇口から
船の汽笛が聞こえる
船に乗った
親子の会話が聞こえる
いつになったら
港に着くの
少女の声がする
父は黙して
母はかもめを指差して
話をそらした
遠い昔
....
あのひのにおい
あめのにおい
きみがこわれたんじゃない
ないたのはぼくだ
ビニールのかさ
ふりまわして
とんだんだっけ
いっしゅんだけ
ぼうふういきのなかでは
せんたくき ....
071223
考える人のポーズで休んでいたら
さぼるなと先輩にどやされた
先輩はそのまた先輩にどやされて
休むことはさぼることだと信じている
生きている ....
廃園に またひとつ
石の 虹の種をまく
ふりかえるな
ほりかえせば たちまちに
そこで ゆめ やぶれさる
歯ブラシを持って
弟がどこまでも走っていく
小さいころから助走をつけないと
歯磨きのできない子だった
誰よりも美しい
世界で一番の助走だと思った
最近人の目を見て話ができるようになった ....
1.少女
地平線の上で
縄跳びをしている
少女がある日
その向こう側に
行ってしまった
縄は残されたまま
速度をうしなわずに
今もまわり続けている
地平 ....
ぼくがしってる かぎりあるきみと
ぼくがしらない かぎりないきみ
ねえ それを
うちゅうにたとえたら
りっぱなしじんだというのなら
ぼくはそれをえらばない
ぼくがしってる かぎ ....
老人たちの寝息が 午後を 静かに揺らす 時折
声にならない声が 響いてくる 痩せた腕で
眠らない彼女は 本を 差し出す
名前を呼んで
私の名前
忘れえないでいるものを
彼女の眼 ....
少年は
言葉の世界に暮らし
少女は
意味の世界に暮らした
地平線には
さみしい遊具があった
あれからどれくらい
年月が過ぎたのだろう
錆びついてしまった
心のように
ち ....
かなしみの
うたを
きく・
・ ・・・。
愛の言霊 生まれて きたのよ
と ....
花の名前をひとつ忘れる
波の音が庭を巡る
部屋の空をひとつ名付ける
花が花をなぞる
目を閉じ 聴いている
指先へ指先を唱うかたち
羽の輪を呑み
誰もいない明る ....
停止線を越えたぼくの感情のかたまりが
きみの言葉で編まれたハンモックに絡め取られた
ぼくが自分の臆病さを知る頃にはすでに
第二の呟きが世界の水面に波紋を描く
....
琥珀色の教室の隅で
うずくまった
背中のよわい夕日が
一年後と
十年と
未来、のあいだに
消えてしまわないよう
お ....
雑踏で喫煙をしていると
衛生的な感じの服を着て
酸素マスクを付けた人たちが
群れを成してやって来て
あなたはどうして煙草を吸うのか
と言う
くちごもっていると
健康の為に今すぐにやめ ....
キラキラしたものが
上に登って行くのを見てた
ふわっとして
とてもハッピーな気持ちになって
生きたくて
キラキラしたものを見ているだけで
こんなに幸せなんて知らなかったから
床に足をつけ ....
地平線の上で
縄跳びをしている
少女がある日
その向こう側に
行ってしまった
縄は残されたまま
速度をうしなわずに
今もまわり続けている
地平線の向こう側には
言葉のい ....
真冬に尖っている
(栄養摂りすぎちゃった)
真夜中に尖っている
無数の電線を切り裂いた
自動販売機の釣銭を漁った
真夜中に尖っている
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123