冷凍庫に
たくさんの思い出が保存されている
消費期限が古いものから解凍して
毎晩妻と二人で食べる

これは去年の夏の海ね
妻がうれしそうに話す
去年の梅雨の日のドライブ
まだ残って ....
曇へ向かう本
曇へ向かう本
忘れられた頁の
砂と波と息


羽に包まれ
石が流れつく
本は見つめ
火をふりかえる


雨が雨に落ち
空になる
手のひらの空
し ....
しんえん と呟きながら
浅瀬をえらんで 辿ってゆく
夢をつたうひんやりとした風が
時折 うなじに触れてゆく
誰かが指をつないでくれているような
そうでないような気がする

深淵
踏み込 ....
傷ついた黒板にチョークでキキキと悲鳴を書いた聴こえてますか?。


感情が通ります白線の内側までお下がりください「バカ!。」




口数の少ない入り口 ....
陸地がだんだんと溶けていってしまったので
今はもう 小学校の運動場ほどの大地
そして水平線
終わりに着いたんだね、と君は言う



 ....
息苦しくて書けなかった
だけど
今ならわかる

あなたを信じていなかった
そうじゃないか
世界は
誰かを裏切ることで
幸せになっていくから

無償の愛がここにある

私はいい ....
羊たちが目覚めて草原をさまよう、朝の陽は山々にさして、青みがかったきみの虹彩に映るのは昨日落としたまま忘れてしまったきみの幼年時代だ、きみは蜂のように騒ぎながら羊たちと踊る、朝の食事の合図が聞こえてく .... さん、と僕の身体を抱きとめた草が音を立てた


風に撓る青い草原の
むせ返るような草いきれを感じて
濃密でしめやかな匂いにくらりと倒れたい

羊雲が速いペースで視界の上を飛び越える

 ....
ばかだな
いまなら
ばらだって
いきていたろうに


さびしい
よるには
なしくずしに
らんどすけーぷをちぎる


オリオンの三つ星

ルビーの睫
ヴァリエーション4、 ....
曇ってても干し物

ネコがガラス越しにそれをみつめて「ウーン」と言った

わたしは水筒をつかんで「冷てえ」と言った

昨日、珈琲を入れておいたやつ
一月一七日が近づくと 朝靄の中 仮設住宅の立ち
並ぶ 通学路を抜けて 初めて学校へ行った日を思
い出す 眠る街は 雪を待つ すれ違うこともでき
ず 呼び止められて 思わず受け取ってしまった 優
 ....
冬の雨は

フロントガラス曇らせて

季節はくりかえし

ふたりになにを言い聞かせていた



     /



あれは冬の白いひかりだ


鳥たちの一斉のカーテン ....
コップしかない家
水とともに夜を
飲み干す家族

幸せでしかない事
テア・ドロップ
みたいな形

月が風に
たなびいて
夜明けのいろした
足長を待っている。
ねえ にんじんさん


なんで きみは あかいんだい



おふろに はいったから?


やけど しちゃったから?


だれかに たたかれたから?


つち ....
言葉のひとつ
近づいてきたら  追いやって
離れそうになれば 手繰り寄せている
縁側でする遊びのようで 意味なんてないのだけれど

笑顔の会話を 遠くにききながら
追い払われたひとの行方を ....
プラットホーム
薄青く透けた空白へ
真っ直ぐに冴え立つ
色の無い脊椎の林の
プラットホーム


始まる
冬の朝の微細な輪郭線は
薄荷のことなど忘れた振りをしよ ....
ひしゃげた真実を
縫い合わせる、ように
なにやら、はたはた
と、せっかちな右手


寂れた街にも
喧騒という虚栄心を
夜に素直なことも
混沌で覆ってしまえば、いい
欲に ....
背伸びして掴んだギリシャ文字を
ノートの隅にしたためる
方程式をプログラムした紙飛行機
その切っ先は水銀の鍵ということを
疑いもせず
七時間目の学校
屋上の手すりから放つ

サッカーボ ....
見えぬ鳥いだく重みに耐えかねて歩み止めし時そは飛び去りぬ



一枚を破いたはずが二枚なりお前をどこに葬ればいい



あなたにはあなたの石がわからないあなたの水に削れ ....
(きみは近く
 足元から古い崖が、伸び悩み

 きみはすぐ下のことが分かる)

 ひどく、近く
 じっとしている
 長いこと
 息を奪われて、呑みこんだ夜
 ふさわしい音はながれ ....
高校で処方されたトローチを
ずっと舐め続けている
いつか消えるという
先生の言葉を信じて



大学生にさん付けされ
上司にはくん付けされる

しかし口の中にはまだ
トローチが悠 ....
浮遊する
旅に出る
ひとりを逃げる

暗いとこからお月様をみる
お星様と電話する
猫ごっこをする
紫に赤と黒を足すと黒くなる
をやめる

紫をすみれ色にする
春への近道をみつける ....
{画像=110417071821.jpg}


壁にもたれながら先輩とふたり
休憩をした。
明け方までの青果市場のアルバイト。
色々な野菜が振り分けられて、
段ボール箱に入れられた。
 ....
温泉に行った
ほっかほかにあったまったあとは
冷たい麦茶がいい

自動販売機のまんなかに 麦茶があったっけ

からん

コインを入れた


熱をもった ほっぺたに
瓶をくっつ ....
指でつよく弾いた煙草追い風に乗って

柵の向こうの砂利に落っこちた

よく晴れた日

めずらしく暖かい日差しのなかで

弾かれた煙草ゆらゆらとのぼる煙

柵にもたれ掛かるのは僕
 ....
   裏庭について – それからすこし家の話

 北里、という地名がある。しばらく住んでいた時期があるが、そこの風景を思い出そ
うとすると、まず祖父の家の入口が面している道路から左手 ....
{引用=





冷たく冴えた月光に
白く抑えつけられて
家並みは動かない




家並みの間を
老いた野良犬が
痩せた影を落とし
トコトコと 走る
  ( この ....
道を歩く
たとえば都会の中の
南北に良く延びた
見通しの良い、ゆるい起伏のある道
道の両脇に少し、窪地のように
段差を持って民家の屋根が見え
ちょうど腰の辺りにゆれている鍵束の
しゃんし ....
一、たらちね

ふるさとの町は
訪れるたびに輪郭を変えてゆく
けれど
夕暮れどきに帰りつけば
あいも変わらぬ暖かさで
湯気の向うから微笑みをくれる
あの人のおかえり

ただいま、と ....
小鳥を逃がした事がある
さみしい時に啼いてくれたのに
鳥籠にいる姿がかなしくて
僕の目の届かない世界まで遠くへやって
今もふとすると胸うちで啼いている
傷ついたその折れた翼で


   ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
記憶- 小川 葉自由詩608-1-13
跡音- 木立 悟自由詩208-1-13
拡_散- 塔野夏子自由詩12*08-1-13
「_キキキ。_」- PULL.短歌5*08-1-13
終わりに着いたねと君は言った- Utakata自由詩808-1-13
それでも夜は流れていく- umineko自由詩8*08-1-13
羊の朝- 佐々宝砂自由詩1808-1-13
缶けり- musi自由詩208-1-13
あふさかのせき- 自由詩4*08-1-12
くもり- A-29自由詩1*08-1-12
一月一七日が近づくと- kaori*自由詩4*08-1-12
さよならの形- 吉岡ペペ ...自由詩108-1-12
無題03- ねろ自由詩208-1-10
ねえ、にんじんさん- むむ自由詩408-1-10
水辺- clef自由詩6*08-1-10
薄荷時間- A道化自由詩2108-1-10
スロゥテンポのお化粧。- うわの空 ...自由詩608-1-10
ソクラテスの左側- 悠詩自由詩6*08-1-10
むすび_たかなり- 木立 悟短歌408-1-9
心臓をたもつ為の、遺された- 石田 圭 ...自由詩2008-1-9
変わるくらい- 佐々木妖 ...自由詩25*08-1-9
黒からピンクまでのグラデーション- れんげ自由詩508-1-8
夜明け時のアルバイト- beebee自由詩2*08-1-8
いちごみるく- 池中茉莉 ...自由詩3*08-1-8
古い写真のこと_思い出のこと_憧れのこと- 水町綜助自由詩5*08-1-8
【エッセイ】裏庭について_–_それからすこし家の ...- mizu K散文(批評 ...5*08-1-8
冬の夜のスケッチ- まどろむ ...自由詩8*08-1-7
mahirunoyumearuki- 水町綜助自由詩8*08-1-7
春へ- 佐野権太自由詩13*08-1-7
Loneliness- 石瀬琳々自由詩22*08-1-7

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