ペットボトルの中の液体が
あなたの喉に落ちてゆく様子を眺めながら
みんないつか死ぬのだ
ということをあらためて確認する

悲しみよりも大切なのは
明日の朝食べるパンで

切なさよりも大 ....
新しい病院へ向かう車の後部座席で
寝転がって窓の向こうを見ていた
お泊りはもういやなんだけど
指を銜えるほど
もうちっちゃい子供でもない

やがてドアが開き
傘をさしながら
ゴメン
 ....
四畳半の狭いアパートで暮らして数年が経とうとしていた
脚の折れたテーブルとポンコツのテレビと敷きぱなしの布団しかない部屋
窓を開けても射し込む光は薄汚れていた
ギシギシと鈍い音が出る階段は何回も ....
あついなつ
日陰の冷蔵庫
10円が鳴る
静か静か静か
ぬる風に
吊られた飛行機
白い外
影は逃げ水に溺れてた
僕も逃げ水の中
君も逃げ水の中
手をつなぐ
あつい
また手をつなぐ ....
また夏がめぐり来て
空も緑も色深まり
光と影が幻のようにあざやかに世界を象っています

夏の花々も色が強く
私には似合わないのです
降りそそぐ{ルビ眩=まばゆ}さと熱にも
ただただ圧倒さ ....
ぼくはただもう
汗をかいて生きよう
排ガスさえ流れてこないよ
よどんで静止する空気のなか
一瞬!の風を
ヨットの帆のよう
全しんをぱんと張って受けている
止まっては溶けつつ
ひたすら冷 ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
エオリアンハープの 響きと色が 乾いた

白砂の フィールドを 打ちひらいて いった





旗になってしまった 白いシャツを なびかせて

少年や 少女が まだ 薄 ....
ぽつり ぽたり
何処からか
ぽつり  ぽたり
巡り来て

ぽつり ぽたり
何時からか
ぽつり  ぽたり
集まって

ぽつり   ぽたり
月明かり
ぽつり    ぽたり
照らさ ....
ツバメが低く飛ぶと、雨が降る
ツバメは海を渡る夏鳥である

青く育つ水田を横切ると
ムッとする草いきれがくる 夏休み
夏空の濃い青色はとても好きな空の色だ

夕立の匂いと雨の音
風が流 ....
プールの水底でわたしはじっと空を見上げる

水面は太陽のひかりを反射して
きらりきらきら眩しく輝き
いっそう深く深くにわたしを沈めゆく

人魚になれれば涙も忘れて
このちっぽけな塩素の海 ....
夕暮れ、
遠いほうから、
なつかしい風と、
鈴の音が聞こえた

まずは左手をかけ、
それから右手をかけ、
首の根元を、
きつくしぼり、
左手がほどけ、
右手がほどけ、
首の根元が ....
明けてゆく
夜の濁りが沈んで
上澄みみたいな
透明な青に
鳥のかたちの
見慣れぬ生き物が
一羽
滑空して
かき消すように
蒸発する
黒い河のほとりで
まつ毛の先
震わせながら
 ....
部屋に閉じ込められて
いつからの「君」との文字遊び
浮かぶフォント
踊る僕の指
大好きな演奏曲はスピーカーの闇から
昼間の蛍光灯はチカチカと死にかけてる
そんな日々の中
僕の打つ言葉 ....
ぼくの 守護天使が 堕ちて いった

それに さよならを 言えなくて

それを たどって いった





花咲いていた {ルビ時世=ときよ}には 終わりの 結び目が  ....
アフロヘアーを見た
どんなアフロかと言われても
きのこ雲のようだったとしか言えない
爆発なのかと言われても
わからない作り方を知らないからとしか言えない
ただ憶測でいいなら
ドリフの雷様と ....
雨あがりの道を母と歩いていた

虹だ
おかあさん
虹だよ

ふりむくと母はいなかった

手の感触も覚えていない
母はよく左の胸をおさえていた
あれは母の癖だとばかり
思ってい ....
裸足で しるされた やはらかい 足跡に

さらさらと 波が 水を しみこませてゆく

その消滅の a・b・c(ア・ベ・セ)たちの

静かに 弾けあがってゆく モノフォニーの
 ....
わたしが シンデモ かぜはノヲ 吹いて いるだろう。わたしが シンデモ かぜはふくのを 辞めないだろう。わたしが シンデモ 人々は争いを 止めないだろう 。わたしが シンデモ 人々は平和を ねがって  .... 火の大輪が 咲きほこるのを 待った

ふたり 森蔭の 薄明の ベンチで...





おおきな 火祭りのピエロ 花火よ





ひかりの 満ち潮を ください ....
おくさん わたしね
まいにち あぶられ
むされて もはや
なまもので ないから
あんしんして たべて   
視覚は記憶

聴覚は予感

触覚は誤解

味覚は現実

嗅覚は本能


風にまじった君の匂いに びくっ とする
夏に凍てつく

雨は胸をこして硝子玉になる

抱いている

空のように抱えきれない空を

わたしのてのひらも腕も

骨になり粉になり空中に舞った

雨は風鈴の匂い

哀しい ....
暮れてゆく暮れてゆく

錯誤してきた人生に
さようならを言うくび傾げ
ゆっくりゆっくりの足音が
あたしに何かを加えたり
時には奪ったりする

あらゆるものを取り出して
綺麗に洗っ ....
南にむかって
角をひとつ 曲る
てのひらに 
陽の照るように
ゆっくり

あなたのほほからたちのぼる
あたたかなあめの 午後は
甘くて
空をむかえる地べたのように
五つのゆびを ....
クレープを たべながら
女の子たちが へらへら
そよかぜに とばされている
男の子たちは ぼろぼろ 
あるきながら こわれている
国境には まだ 霜が 降りて いた

ぼくは ひとさしゆびを かかげて

空 いっぱいに 伸ばした

虚空の なか 水の 夜明けの アラベスク

{ルビ四十雀=しじゅうから}が ....
にわか雨は 去り 桜草の 露の うすももいろに

ぼくは きょうを 生い 立って ゆく

( 撒き 散らされたんだ )

それは ブリリアントに かがやいて

偶成の 初夏 ....
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった

十二年前H君は中国人の留学生に ....
病窓の 最後の 一枚の 葉っぱ

とは ちがう 美しい まだらな 編み物の

精緻な 空間が 午前の ひかりの なかで

なごやかな シラブルに 響くのを とおく 聞いた

 ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Mさん- 大覚アキ ...自由詩506-8-16
車窓に雨、- AB(な ...未詩・独白706-8-10
四畳半- 海月自由詩4*06-8-7
あついなつ- ススメ自由詩406-8-7
夏に還る- 塔野夏子自由詩14*06-8-5
汗をかいて生きよう- シホ自由詩406-8-4
サミーラ- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-8-3
エオリア- モーヌ。自由詩14*06-8-3
11、滴_【しずく】- 雨宮 之 ...自由詩2*06-8-3
- 服部聖一自由詩206-8-2
[_真夏の人魚_]- 渕崎。自由詩206-7-28
気づき- 中村猫彦自由詩3*06-7-27
夜明けの青- 大覚アキ ...未詩・独白406-7-25
思い出しました- ススメ自由詩206-7-24
えんぷてぃ・はあと- モーヌ。自由詩9*06-7-24
地下鉄アフロ- 若原光彦未詩・独白206-7-22
- yo-yo自由詩606-7-20
ろまん・こみっく- モーヌ。自由詩10*06-7-18
わたしが_。風と_わたし_。- すぬかん ...自由詩206-7-18
花火- モーヌ。自由詩8*06-7-16
そろもん(夏のセールスマンの話)- みつべえ自由詩306-7-15
五感- 436自由詩2*06-7-14
たけぶ空- つきのい ...自由詩1006-6-30
日暮れ- 田島オス ...自由詩506-6-28
夕餉- はな 自由詩1506-6-26
そろもん(街角の話)- みつべえ自由詩706-6-7
かたいくちびる- モーヌ。自由詩11*06-6-7
とりすてす・あらんと- モーヌ。自由詩9*06-5-30
鳥人間コンテスト- ZUZU自由詩1306-5-29
詩人の日曜日- モーヌ。自由詩15*06-5-26

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