僕らは
指定席とよばれる
ひとりずつ与えられた席にすわって
ときには時速三百キロメートルを超える
レースドライバーのように
ふと孤独の恐怖に気づいたかと思えば
またすぐに慣れてしまっ ....
奨学金の返還誓約書を提出しなきゃいけないとかで
今日、はじめて三号館という建物の七階までのぼって
はじめてそんな高い場所からこのキャンパスを見おろした

僕は、
四年もこの学校に通って
そ ....
白く
抱かれている女の子を見て
きれいだな と思う
やさしくふれられて やさしいことばを感じて
ため息を漏らすの
メロディーのように
たぶん アイラインを落としても
つむった瞼にまつげは ....
君はミルクを温めていた
空白の時間を縫うように
冷えたキッチンをほんの少し
人の心に近づけようとするみたいに

昨日(一昨日かもしれない)、タクシーを盗ん ....
朝起きて僕はまず
鳥かごのひよちゃんとちよちゃんにあいさつをする
(おはよう
(ひょひょ
(ちょちょ

今日は曇り空だ
傘を持って家を出る
(いってきます
(ひょひょ
(ちょちょ
 ....
秋雨というのはひどく冷たく
(ほんのりと金木犀の匂いがして)
ちょっと生っぽい
(フレッシュではなく、賞味期限切れの刺身のアレ)
トイレ、みたい
(芳香剤の匂いは金木犀らしいですよ ....
 ねえ 

 ちょうちょあそび、しよう、ひそひそと。


 おわったら、ぜんぶ、けすの。


 おもいでにしか、のこさない の。



 おもいでは

 すきとおって ....
風邪が流行ってきたので 
今日もデイサービスにやってくる 
お婆ちゃん達が
がららららっ てうがいできるよう 

蛇口から水を流して 
大きい容器に水を入れる 

からっぽの空洞を  ....
孤独は ビタミン
孤独は 存在
孤独は 原子核

私の小さなマイナスを あなたの周りへと投げる
電子のひと粒で

私たちはつながっている
ように見える

私たちは触れあっている
 ....
身のまわりの色彩が不思議と淡くなる夜
胸のうちに浮かぶ
いくつかの
花の名

鍵盤をやわらかに歌わせる指たちの幻

夢のうちを
あるいは予感のうちを
あえかにかすめていった 星のよう ....
お風呂さん、ありがとう
今日もあなたに浸かることができて幸せです
あなたの清らかさとあたたかさが
今、とても尊いものに思えます
わたしは寒いのに裸になりたい
裸になりたいのにあたたまりたい
 ....
きょうさあ
ほいくえんつまんなかったねえ

おもいついてためしに
ぼくがいえば

すこしだまったあと

おもしかった
ほぃこえん

ふすまかどこかをじっとみつめて
ひらいた
 ....
雲がのびてゆく
編み目を広げて

ただの雲と思うなよ
まだまだ空は広いから

犬の甘え鳴きが
のびきってほどける日を
知らせようとしている
 
つめたく湿った朝
目がさめると
屋根から鳥の足音が聞こえる

降り立って
昨夜の戦況を
せわしなく伝えていた
兵士の声は力尽き
衛生兵の途方に暮れた
足音が聞こえる

数匹 ....
愛ということについて
そのことをぼくはたくさんの人々が考えては
よくわからないとその一言にまつわる
その一言のもつ浮力だけに頼るように
やりすごしてきた
ぼくはその一言についてまわる
さま ....
一玉35円の「ゆで」と書いてあるうどんを買ってきて

愛用のチャルメラ専用なべに水を注ぎ

ちわちわ言ってきたところに

かつお風味的なものを

小さじ 1

更に「だし入り」と書 ....
人に聞くものでも
道に聞くものでもなく
恥じらいの衣を脱いだとしても
僕たちは凍えない


世界中のどんな子猫よりも
いたずらに柔らかくて
鳥にでもなってしまいそうな
かけが ....
「詩人不在証明」

不在を、証明せよ、と、書き殴られた、黒板、放課後、幾つめかの、チャイム、掃除用具入れの、造形美、誰もいない、教室の、大気。


足元から伸びる影を追いかける、ような、 ....
夜の車は魚のよう

鯨のお腹を撫でてごらん

石ころは皆ラッコの卵だよ

広場の彫刻に影が貼りついている

向こうで手を降ってるのは誰だろう

口の端から小さな泡

泡に浮 ....
 
こどもの頃
お正月とお盆になると
母の実家に行った
山々にかこまれた盆地に
田んぼが海のように湛えられ
島のように点々と
街や集落が浮かんでいた

遠くに見える
おおきな島に駅 ....
熱が下がった朝
起き上がるとまだ
少しだけ喉が痛い
でも、気にならないくらい
だから
顔を洗う
洗濯機に洗濯物を入れ
スイッチを入れる


台所の椅子に座って
湯が沸くのを待つ
 ....
    
    
    わらっていた
    こどもたちは
    もう鉄塔から降りた
    手のひらに
    赤錆を
    たくさんつけて
    ひとりが
    鉄錆 ....
雨の降る日は
日付のかわるころまで
うしろを向いて
引き算をかさねる

     ふるえる
     自我を
     だれか認めて
     (いいですから)

背中の色が
抜 ....
突き抜けるというのは
一人で
ここではない場所へ
旅立ってしまうことだ
と思っていたけれど
みんなを
見たことない場所へ
連れて行ってあげることだ

と 思った
昼下がりに昼探し。
本を読んでたまらなく切なくなってしまったので、天気にまかせてフワリとプカリ。
最近はナゼか蕎麦屋に惹かれることが多いのだ。
大もりと冷酒。冷酒と大もり。
ツルッといってキュ ....
{画像=081104140619.jpg}

前向き
おやすみ
夢のなか

今夜ね
いっぱい
キスしよう

甘いね
ケーキの
クリームです

なんだか
心に
水道水
 ....
               081103

冗長度の高い黒髪を梳かすときに
クロネコの背中が見えた
クロネコは背中を丸め
3メートル前を走ってゆく
大馬力のハーレーだから
 ....
窓をあけて
冬の匂いがしたら
温かいコーヒーを一口
いつもとは
ちょっと
違う味

長い長いマフラーを用意しよう
可愛くて温かい手袋
お気に入りのコートと
あの人が好きだと言ってく ....
生活のために消えゆく詩人
嵐の夜よ
おまえはもう
アイツを連れてくる事はないのか

たくさんのものを見送っていく
蒼いあなたは
さびしみを歌う
霊的なまでの美しさで
新た ....
土曜日の夜は飲みにいく相手がいるほうがいいとか

日曜日は家でぼーっとしていてはいけないとか

この年になったら定職についてないとまずいとか

乾杯のときくらいビールが飲めなくてはいけない ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
指定席- 小川 葉自由詩4*08-11-12
ドライ- チグトセ自由詩15*08-11-11
白い女の子- たちばな ...自由詩21*08-11-10
甘く温かいミルク- ホロウ・ ...自由詩5*08-11-10
鳥たちの雨- そらの  ...自由詩10*08-11-10
雨とアキバとトイレの匂いと香りについての考察- 紫音自由詩3*08-11-10
ちょうちょあそび- 渡邉建志自由詩4*08-11-10
水の容器_- 服部 剛自由詩208-11-9
イオニア- umineko自由詩13*08-11-9
ひそやかに- 塔野夏子自由詩9*08-11-9
お風呂さん- 新守山ダ ...自由詩2508-11-9
ふとんのうえを- 白井明大自由詩6*08-11-9
とどくまで- 木葉 揺自由詩7*08-11-8
鳥たちの雨- 小川 葉自由詩308-11-8
11月7日_メモならそれでいい- 水町綜助自由詩2*08-11-8
体冷やすなよ?- あさごは ...自由詩4*08-11-7
静脈- あすくれ ...自由詩8*08-11-6
「詩人不在証明」- rabbitfighte ...自由詩14*08-11-6
夜の魚- 小禽自由詩1*08-11-6
傷跡- 小川 葉自由詩308-11-5
平熱- 小原あき自由詩7*08-11-5
熱と遺産の日- 水町綜助自由詩808-11-5
減法- 根岸 薫自由詩1*08-11-5
突破者- 明楽自由詩308-11-5
夕暮れ冷やしトマト- BOOKEND散文(批評 ...2*08-11-4
三節短六連端- プル式自由詩2*08-11-4
仮名書き- あおば自由詩5*08-11-3
冬の匂い- a_ya自由詩608-11-3
diva- エスカル ...自由詩5*08-11-2
ふつう- 猫のひた ...自由詩208-11-2

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