美空に広がる燃える様な青、群青とひとはいう群青と人は呼ぶ群青は自分の名前がそれだとは知らないが確かに群がって青くなるビョークが叫ぶ、白い壁を青いペンキで塗るようにベティ・ブルーは笑うそのうちガーシュウ ....
からだを巡る車輪の音を
まばたくことで消しながら
足跡のない足音の
応えのつづきを聴きながら
道に浮かぶ狭い暗がり
雪から雪が生まれては去る
ひとつの鉱を ....
*むかしばなし
口をなくした12歳の日
あたしは感情の無を
主張した
感じないふりは
滑稽だったが
実に得策だった
一時の優しさはナイフのようで
期待することも
や ....
段差のない
同じような家のならぶ
団地に住む
友人の家に日曜日
遊びに行った
ちょうどお昼ごろだったので
お昼ごはんを
ごちそうになった
手作りの
パンとコロッケと
....
テレビの音が消えた時間に
アイロンをかけている
母親のすがたを見るのが好きだった
折りたたんだ洋服を
きれいに積み上げてゆく
母はやさしくて
いろんな話を聞かせてくれた
母は成人式の ....
彼は今、
平和に暮らしているだろうか
彼の友達が真夜中に私の家に来た
「亡くなったから、彼に線香をあげに来てほしい」
私は戸惑った
彼の友達は言った
「君が初恋の人だったから」
....
ぼくたちの名残ゆく冬も湯気になる ちゃんどらぐぷたと煮立つ雑炊
「れん点ね!」でかでかとマルを描きなぐり 正しい答えをぶっとばす君
これが冬?じゃああの頃のチルチル ....
あ、
雨の夕刻は
アスファルト状の黒いノートにおいて
ひとつぶ、ひとつぶ、別々の
無数の濁点だ、
*
雨滴、
雨滴、
黒く
滲んで
広いひとつの痣として ....
{引用=「さむいのなんのって、」
「あんた、八月だよ、ゆめでもみてるのかい」
「ばかにするない。おいらあ狸にだってばかされたこたあないや」
「そりゃあむこうはなのんないさ」}
…っじいじい ....
乾いた空を見あげて泣いていると
(おとうさん
(あんまりやさしい気持ちになると
(涙がでたくなるんだよ
という
疲れたときは
ふうせんかずらの種をあげる
それから
ビールを買ってあ ....
灰色のメビウスを/ねじれるままにチリチリと燃やし
きょうぼくたちは焚き火をした
冬の金網をぎゅうぎゅうと握ると
割とやさしげな声で鳴く
ミチルはミチタルに/過去をあげて ....
原チャリで追い掛けて
陸橋を乗り越えて
時限爆弾を仕掛けて
メガホンで応戦
新撰組登場
鮮やかな着物姿
舞い落ちる花吹雪
荒波の日本海
流れるテロップとロックンロール
名シー ....
灰とむらさき
雨の上の火
かわいた光
海と曇
午後の髪
見つめる目
はざまの冬
まばたきの子
すぎさる たなびく
包み紙の旗
変わりつづける
足跡に降る
置 ....
きーぼーど
は
たた
かない よ
えんぴつは
けず ら
ない
ぱんに!
ん
じゃむを
ぬ るん
だ ん
1 両手を前に差し出します。
2 人差指と親指でかぎかっこを作ります。
3 なるべく今のあなたに
素直な言葉を挿入します。
4 そのまま両手を中心に向かって近付け
長方形 ....
手向ける人は影も無くし
寄り添う人は飛沫をあげて沈みゆく
咲いてる花は色もとりどり
生きてるように揺らめき蠢き
私はまた呼吸もなく見つめている空
冷たい雨が
人たちを遠ざけ近付け
淡い熱 ....
桜の花びらはもう枝から落ち、表になったり裏になったり、吹く風にくるくると回されたりしながら、春の終わりに舞っていた。
運河沿いの町なかにぽっかりと作られた狭い小さな公園だった。
数えるほどのベンチ ....
今年も背中を見せる
あなたの上着の裾を つまんでみる
皆 走っているからね
この子とふたり 取り残されているみたいでね
寂しくってね
私の指の小さなダイヤモンドが
電飾と歌を歌っている ....
瑞々しさ
かじかむ
手があれは
「かがやく町だったと言った
なにごともない町並み
を抜けてゆるやかに
傾ぎながら地下鉄は春の
空へ。出る駅前はぐるりといたる ....
ビルと広葉樹に噛みつかれた空にほら
ペンキ屋が刷毛で雲をかいた
青い帽子をうしろにかぶって
僕はベンチに座って甘すぎるコーヒーを飲みながらそれを見てる
その下に川はとうとうと流 ....
十くらいはなれた
妹に
よく似た娘に
やさしくしてしまう
やさしくした後で
そのうかれた顔は何だと
誰かに言われたわけではないけれど
きっと僕は
そんな顔をしてる
もっ ....
きみは時間の
なかに
身をしずめている、永遠は
とぎれて
いる
永遠に、あらゆる思いと
ともに、
わたしの目には
きみが
見てきたものが
きざまれて、めざめて
いる
....
星も出ない夜、
寒さに静まり返り
冷たさだけが
消えた街灯の下に
佇んでいる
よる、
眠りに付こうとする
皺だらけの手が
手を伸ばすと
両の肢がでる
大地は俟っている
....
彼女は
やわらかい陽の中に溶けこみ
しだいにその存在が
透けてゆく
凪ぎの水面ような
ひっそりとした図書室からは
ときより遠慮がちに
ページをめくる音だけが聴こえた
それは秒針 ....
ひとり夜を歩く
頭上には
ペガススの天窓
自分の足音が
なぜかしら胸に迫る
何を思えばいい
何を どう思えばいい
道は暗くしずかに続いている
心をどこに置けばいい
心をどこに ....
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです
昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て
夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬
....
三度目はもう事故じゃない 手のひらで古い磁石が廻り続けて
喉笛は砥石の音色 組み敷かれ我意志のある屍となり
呪いである 凝固と気化を繰り返す二つの肉を月光が刺す
....
ミスター・ライト、
つめたいよるに
さてんのつるり、
ひかりを散して
ミスター・ライト、
しょーつのしたに
もろくひろがる夜
ひっそりしのばせ
おおきなかーてん
きっちんばさ ....
神様を信じない
そんな人の背中も
神様には見えてるんだろうか
ね、悲しいことが、多いよ、ね
昔の写真は、「普通」
悪いよって、ね、
同じような僕には言えない ....
赤い音ってどんな音
青い音ってどんな音
耳元を白い色がかすめる
飛ぶ音ってどんな色
浮かぶ音ってどんな色
閉じた瞼の裏を
透き通った黒が響く ....
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