(足のとれたピーターパンの人形が積もった埃の下で見る夢)



途切れがちな点字ブロック跨ぐ夏 雲の向こうに打ち寄せる青




内側にはびこる針の芽を撫ぜて微かな痛みが ....
オレノ火ハ 燃エテルカ マダ! 心臓ト星! 雨にぬれたのがよいとかいうので
幼生のわたしは
こころみにしずしずしとしと歩いてみます
あ、あの日
膝の上がかっかして
上気したほおが
染め抜いたゆうぐれの
タップダンスの足が
 ....
{ルビ若布=わかめ}の{ルビ疎=まば}らに干し上がる 
六月の浜辺を振り返れば 
今迄歩いて来た僕の 
たどたどしい足跡が 
霞がかった岬の方まで 
延々と続いていた 

あの岬の幻は  ....
君は交差点の角に座り込んだまま膝を抱えて石になる/呼吸する石の塊となる

行き交う人の波を見送りながら立ち止まらない世界を眺めている
思考だけで生きている君/無表情な哲学者

其処だけが別世界 ....
僕たちは行進する
雨と雨と雨の合間を
かなしみの残る青空に
バシュポン
圧縮した空気は開放され
白い弾丸は
砲の初速を逃れた彼方で
小さな羽を広げる

あの
遥か積乱雲と日輪草の
 ....
意思のなかに空虚が
ひろがり、朝
何もすることなく、きみは
運ばれていく、
何もないという
断絶が
線路の向こうまで続いている、朝ドアが
開いて、誰も
いないということが
 ....
虚無でいっぱいに
みたされて、きみの額に
いくつかの
傷が
刻まれる、神を
欠いて、祈るために、痕跡を
読むために、きみは
断絶そのものとして
彼方に
移動する


 ....
刈りとられ
跳びはねてなお
夜になると猥らだった
言葉たち

摘みとってゆく六月の光は
無いようで
そこにあった
緑たちに
ろ過され
打ち砕かれた先に
また
芽吹きはじめる
 ....
十字架の倒れる音して霧深く宛てなく彷徨いきみをさがしつ



ただそれは悲しみのうたでも何でもなく空からこぼれし遠い蛍火
 醤油 たもつさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=504

 われわれは忘れる生きもので、忘れていくからこそ、生きていけるという面があ
る。けれ ....
きみが運ばれて
いった、きみが
愛したものも、きみが
愛さなかったものも、ともに
運ばれて、断絶した

彼方とは
断絶そのもので、きみは
そこで
跳躍する


 ....
愛も
そこにあるうちに
当たり前になっていく
わかるかい

勇猛な
ペリカンの後ろ 少し離れて
ぞろぞろ歩く人の群れ
小魚が
落ちていればいただきます

世界は
どこまでプラス ....
ちいさな腫瘍があった
おそらく、せかいというものから隔てられた朝
ぎこちなく、触れることで
ぼくらが確認していたのは
痛みだったのだろうか



{引用=
この詩は、きみの
平 ....
かもめが旋回する、その
時間、いかなる
記憶もなく、きみは
目を覚ました、朝
くだけていった、多くの
もの
光が生じた、刻々
きみが
跳躍するのが、見える
のは
ここで、死と同じ速度で
きみが走っている
夜が
くだけた鏡によって、きみを
うつして、目から
零れ落ちていく
すべてに、きみは
泣いていた
ペチッと足下がなって気付く
つぶれたキャラメルポップコーンの一粒
金曜の夜に輝きだした女の子たち
指先がおよぎはじめ
どこかへいきたくなる
移動の風景
常磐自動車道
映画館が崩れ落ちてい ....
庭先に佇んでいたものたちのことも
雨宿りをした六月のことも
匂い立つ土や
おまえの首すじ
おまえの乳房がしなだれてゆく午後には
もう振り返ることができない

36度5分の雨が
37度5 ....
婚姻するハツカネズミの
店先の行列を
にこにことながめている
クリーニング屋のむすめが

やわらかく透過する
窓辺の
病院の待合室で
おんなのこが
アン・ドゥ・トロワ、アン・ ....
きみが彼方に
触れて、
彼方もきみに触れる

気が触れて、夜
きみが口ごもるとき、分からない
ものが
存在することの、金属
いろんな
ガシガシに組みあわさった
知恵のわが
眼のまえにあるけど
なげだすわけじゃなくて
くぐると
自分を打ちつけないで
すむよ

そそろ、そろろ

水分のとんでしなびた
レ ....
夏が始まる。普通の出だしだと、落語で言う枕と呼ばれるところだと、夏が終わる、なんてぇひとさまはよく話を切り出すもんですが、みたいな感じで始まるんだろうけど、残念ながら始まるのは話、そして夏、さらには上 .... あかやきいろや紫色の真空パック。

口に当てて押しながら息を吸い込むんだよ。

スポンと外れてこっちに来るよ。
奥のほう。

うまく噛めなくて喉の後ろでダンス。

噛んでもいいし、噛 ....
顕微鏡の中で人工のひかりをうけて
雪片が光る
結晶が無言でのびてゆくのを
ぼくは視ていた

浅くつもった雪の中を
きみを迎えにゆく
ローカル線の駅は雪につつまれ
こどもの夢のように光っ ....
白熊が死んじゃう、と言って
つけっぱなしの電気を
消してまわる君は
将来、かがくしゃになりたい
という

撒き散らかされた
鳥の餌のシードを片づけていると
芽がでればいいのに、なんて
 ....
どうして夏は暑いのだろう
南半球の八月を思い
冷たく白い夏を想像してみるけれど
ひんやりともしない
フローリングに横たわっていると
少しは涼しいから
寝転がって
窓越しに雲が
左へ左へ ....
「コチラハ廃品回収車デス 
 御家庭デ不用ニナリマシタ 
 テレビ・エアコン・冷蔵庫等 
 壊レテイテモ、構イマセン 」 

夕暮れ時に
2階の窓から眺めると 
我家の前の川沿いの道を  ....
夜の二階の窓の外
自分に似たかたちが拍手している
何を称えているのか
窓を開けてみると誰もいない
閉めるとまた
拍手しはじめた










 ....
息づかい
途切れて、巡っている
ここから
先に
途はない、きみが
途絶して、
電話がなっている、彼方からの
電話がなって
いる、誰も
いない、彼方からの
電話がなってい ....
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