すべてのおすすめ
しゃぼん玉をつくる作法をだれもが
忘れてしまった時代
みずうみにうかぶ
背泳者と油分の分離されない光景が幾日もつづいていて
土手から飽きもせず眺めている人に
私は丁寧に包装した小石を ....
{引用=
***


ムラサキツバメに失踪する
その前夜にふきあれた豪雨のことを
ながく思いわずらっている
きしり、と
窓はひらいた
ひと知れず
みるまに
カーテンはあおられて ....
わたしは森の中にいるようだ
ときには幹の表皮をかけあがり
ときには維管束の中をかけめぐり
ときには分解者として仕事をこなし
ときには苔の羽毛に正体をなくし
ときには朝露のひとたまにな ....
 ここでとりあげる{ルビ佐藤泰志=さとうやすし}・著『{ルビ海炭市叙景=かいたんし じょけい}』は長らく絶版であったが、2010年の秋に文庫化が実現している。ほぼ同時期に映画化もされており、内容に言及 .... でもそれは、
あ、という言葉ともつぶやきとも知れない
といきするしろいすいじょうきの
連結に
わたしは路上をしゅぽしゅぽと
滑走する

屋根つもる
雪たちに挨拶する
敬礼をびしっとか ....
雨にぬれたのがよいとかいうので
幼生のわたしは
こころみにしずしずしとしと歩いてみます
あ、あの日
膝の上がかっかして
上気したほおが
染め抜いたゆうぐれの
タップダンスの足が
 ....
婚姻するハツカネズミの
店先の行列を
にこにことながめている
クリーニング屋のむすめが

やわらかく透過する
窓辺の
病院の待合室で
おんなのこが
アン・ドゥ・トロワ、アン・ ....
{引用=
***

フライパンの穴をのぞくと
スピノザが机にかじりついているのがむこうに見えた
時間を超越する望遠鏡というものがあるのならば
それは存外、身近なところに転がっているのかも ....
私の祖父はうまく焼けなかったので
2度焼かれるというレアな体験をして
ウェルダンされた

生乾く人

小林宏史という写真家の本に『死と葬』というものがあ
る。インド、カルカッタ。寺院の前 ....
発泡した軽石は海にぷかぷかと浮かぶので
さしずめそれは人の身体
海は空の鏡と言い得て妙
波長が合えば共鳴してくれるか
海風を真向かいにバグパイプを
水平線まで届けと
音が満ちる
そこ ....
{引用=
***


ベッドの下の人たちを看取る

{引用=
***


自動二輪の音がきこえるしんしんと
暗闇にほの白くうかぶアークは
かわらずまわっているのか
確実の ....
{引用=
1. カスタネット

紫陽花の花という花がてっぺんまで匂いたち、その色目も日に
日に濃くなっていく有様を窓から見ている。雨粒がはらはらと
落ちて窓ガラスにもかかる。風があるのだ。 ....
{引用=
***

ブラック・ジャックのエピソードに
すきな人が帰宅するのをずっと後ろから見守ったり
雨降りにさりげなく傘を置いておいたりする場面があって
それに気づいた想われ人さん ....
北へ行く
体が/冬の凍てつきをやり過ごし
獰猛な春のうごめきに
耐えられるだけ
耐えられるだけの力を
回復したならば
北へ行く
氷を
待っているがいい
そこで待っているがいい ....
夜のしずかなさんごの
いきをひそめる宵闇夜
青ぐろい街の空を
マンタレイが滑空するころ
天体望遠鏡をのぞきこんでいた
ちいさな天文学者は
ベランダで眠りこけて

あのちいさな星 ....
すな、空のように口ずさんで
空のむこうにセスナがみえた
夕くれなずむ砂浜の色が
遷移していくさまにみとれて
セスナが制御を失っていくさまを
子どもと手をつないでみていた

神がく ....
批評祭参加作品■ダイアリーポエム調の散文

 午前6時半、目覚ましの音で目を覚ます。目を覚ますが再び眠っていたらしい。再び鳴
ったベルの音に目を覚ます。目は覚めているのだがまだベッドの中でもぞも ....
【短歌八首】「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」



猪を狩りて山の慟哭 ねずの空から 風花、みぞれ煮ぼたん鍋


かつをがマクドナルドに行きたしと言ひ 釣ざおかつぎてバケツさげ


赤く ....
   裏庭について – それからすこし家の話

 北里、という地名がある。しばらく住んでいた時期があるが、そこの風景を思い出そ
うとすると、まず祖父の家の入口が面している道路から左手 ....
空の鋭角を切りとるように
にじみ出した切りとられた
青い空のカメラ
オブスキュラ
青い空の向こうの黒い宇宙

果ても見て
見ぬふりをして過ごした時間
時間のすきまに
おとずれ ....
{引用=
***

夜行にならんで鳥が飛ぶ
たれかが射落とそうとして
きりりとしている
明けに向かって火球が
火走る
{引用=
***

しらないか、しらないか
みっか憑く ....
{引用=
(2/3)http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=140514 のつづきです

もうし、もうし、
この暑いさなか
そこの杖のお方は歩みが難しい ....
{引用=
(1/3)http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=140157 のつづきです

さて、炎天とはいえ、日もかたぶけばわずかばかりの乾いた
風が通り ....
ひとつぶのしずくが、ぽおんと空から、落ちてきて、それは
鬼のまぶたにしみとおり、ひとみを濡らし、目からあふれさ
せた、鬼は、目の玉からあふれるものをぬぐおうとしました
が、左腕がないことにはたと ....
{引用=
いいつたえられているむかし話がある
むかしむかしあるところに
氷でつくられたある高い塔のてっぺんに
それはそれはうつくしい緑の袖のお姫さまが閉じこめられておりました


「ロ ....
{引用=
***

輪を固定して
定着させた
白い帆布の
裾野が原の
観覧車の膠着は等しく
フィヨルドの陸へ

{引用=
***

燐光時計が
循環するタービン
秋雨 ....
あ いやん くすぐったいわ
だめよ そんなところ
さわっちゃ
ママがかえってくるわ
ああん いやん
だめってばあん   あはん

という本をとなりの座席
の人が読んでいたので
な ....
街をひずませている調性のない
属性をもったビルディングが
太陽にむかっておじぎしている
じりじりと今
風は耳をすます
調性のない音のうねりから
こぼれおちるものをひとつ
すくいあ ....
からす撃ちの銃だってよ
なしてそげなもんで
ほんにのう
銃口を口にくわえたまま倒れとったんだと
あまりよい死に方ではないわな
そうじゃそうじゃ
もしわしだったらネコイラズを食べるな ....
彼女は明るい細部をしている
指が超高精細ロケットの
明るい反射光にきらきら
光っていてまぶしいんだ
原っぱでみんな風船もって
色とりどりの風船もって
さあとばそうよすぐとばそうよ
 ....
夏野雨さんのmizu Kさんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フェルミのみた泡は- mizu K自由詩513-4-8
aerial_acrobatics_15- mizu K自由詩611-9-4
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吐雪- mizu K自由詩1010-1-22
タッピング・ラップトップ・ブラトップ- mizu K自由詩909-7-3
波紋のように広がってゆく- mizu K自由詩7*09-6-5
aerial_acrobatics_14- mizu K自由詩4*09-2-18
生乾き- mizu K自由詩9*09-1-25
緩慢する海の響鏡にして- mizu K自由詩1408-10-31
aerial_acrobatics_13- mizu K自由詩908-7-24
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aerial_acrobatics_12- mizu K自由詩5*08-6-26
北へ- mizu K自由詩308-6-12
マンタレイの夜- mizu K自由詩13*08-4-3
セスナ- mizu K自由詩9*08-2-29
批評祭参加作品■ダイアリーポエム調の散文- mizu K散文(批評 ...4*08-1-27
「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」- mizu K短歌308-1-22
【エッセイ】裏庭について_–_それからすこし家の ...- mizu K散文(批評 ...5*08-1-8
ゴーシュ- mizu K自由詩4*07-12-20
aerial_acrobatics_11- mizu K自由詩12*07-12-3
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鬼の左手_(2/3)- mizu K自由詩307-11-21
鬼の左手_(1/3)- mizu K自由詩307-11-18
ロシアパンを売る少女(reprise)- mizu K自由詩5*07-11-6
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途中下車_(再掲)- mizu K自由詩5*07-10-29
マンタレイの沈黙- mizu K自由詩307-10-23
長銃- mizu K未詩・独白307-10-23
ロケットの翼が高く飛べる日に- mizu K自由詩307-10-22

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