すべてのおすすめ
このまちに
きみがいるとしってから
このまちは
きみになっていた
きみとすごした
このまちが
きみであるように
きみとすごした
このまちが
ぼくなのだった ....
ことしも
かきのはながさいていた
それいじょうの
けっこんしきはない
ひやかして
かぜがくちぶえ
ふいている
それいじょうの
けっこんしきはない
やがてく ....
おかねはいらないから
やすみたい
そういって
あなたはせみになった
せみはにぎやかにないて
やがていなくなった
またなつになれば
おもいだすだろう
あなたが ....
かいていのえきで
でんしゃをまっている
ホームにはだれもいない
ときどきだれかくるけれど
いつもきまって
うえのほうにうかんでいく
このごろは
でんしゃもくるようにな ....
れいぞうこをあけると
いつかのなつの
せみのこえがきこえる
わたしは
トマトをひとつとりだし
つめたいそれにかぶりついた
れいぞうこをしめると
せみのこえはやみ
ト ....
ゆうひがうみに
しずんでいく
ちいさな
しょうてんがいの
あかりがともる
ろうじんのために
ろうじんがはたらく
まちがここにある
ときどき
だがしをかいに
....
しぜんはとても
ふまじめだ
こどもができたら
そだてるおかねどうしよう
がくれきは
しゅうしょくは
せきにんは
なんて
まったくおもわない
ふりょうほど
し ....
むすこが
いじめられているらしい
ちちもまた
いじめられていると
じかくしたのは
おさけをのんでいる
ときだった
むすこはまだ
おさけがのめない
のめない ....
むすこをからかってたら
つきとばされた
もくせいのあたりでふんばって
ちきゅうにもどった
まだうちゅうりょこうに
たびだつわけにはいかなかった
それでもちじくはかた ....
息もなく脈もない君に水みたしコンロひねる夜会いたくて
ふっとみえたのは
あしでした
あしいがいになにもない
わたしでした
うさぎにうまれ
うさぎとしていきていた
わたしでした
たしかなことはしりません
ことばより
....
てつやあけで
しごとして
いえにかえると
つまとこどもが
ねむっていた
もうすぐ
めをさますから
それまでは
ねむってはいけないと
いけないと
おもいながら
ねむ ....
(た)
たがめが
たまに
たんぼにいる
たがめがいるなと
おもっている
ひとの
ごせんぞさまとも
しらないで
しんだあとの
ひとのすがたとも
しらない ....
(か)
せなかにある
ちいさなてんは
きっとわたし
かあさんの
か、は
いつもこどもを
おんぶしてる
こばなれしても
かあさんの
か、は
いつも
だ ....
あめのおとを
きいている
とおもっている
わたし
ひとのこころが
みえている
とおもっている
あめ
のようなきがして
まっている
すてられた
とう ....
なにかをやりつづけていると
なにかをやりつづけているなりに
できているわたしがいる
こんなこともできるんだね
あるひとが
あるわたしをみつけて
いってくれた
それでい ....
この街の
いたるところにかけられた
モザイクを撤去する
工事がはじまっている
モザイクがかかっていた
懐かしい街並は
高層マンションに立て直され
その中の暮らしは
モザ ....
一人暮らしするのだと言って
秋が家を出ていった
おかげで夏が終わると
すぐに雪が降るので困ったけれど
お盆とお正月だけは帰ってくれるので
夏は涼しく冬は少し暖かかった
一人暮ら ....
関さん、という鳴き声の
鳥が鳴いている
それはある種の進化かもしれないし
退化かもしれなかった
私は河原にいた
どのような経緯で
この河原にやってきたのか
遠い昔の記憶な ....
さもなければ帰ることが出来ない
と、言うところから
その夢ははじまっていた
いつか見た夢の続きかもしれない
よくわからないけれど
帰ることが出来ない理由もわからない
さもなけれ ....
秋は
だれなのだろう
すずしげな顔をして
そのひとが
やってくると
しん、と
静かな音がする
みのりの秋と
ヒトはいうけれど
秋は
みのりなどではない
あまい ....
おさない頃
倉庫に閉じこめられた
なにか悪さを
したのかもしれない
わたしは泣いた
父の足音が遠ざかり
もうだめかと思っていると
ふたたび父の足音が近づいてきて
鍵があ ....
もう解約したはずの
父のメールアドレスに
メールを送る
すぐに返事がくる
なんだ
やっぱり生きていたのだ
Delivery Status Notification (Fai ....
前田屋というそば屋で
四人でそばを食べた
あれが最後だったと思う
ほんとうは
生まれたばかりの息子と
奥さんのそばに
いなければならなかったのに
遠いところから
会 ....
真夜中
帰宅すると
家の前に車が停まっていた
父さんだ
と信じて
走っていくと
みじかくパッシングして
行ってしまった
あれが
父だとは思わない
もういないことは
....
スーパーマーケットの
タイムサービスで
父が売られていた
お惣菜売場の隅に
さみしそうに立っていた
私が買った
うれしそうな顔をする父に
何か食べたいものはないか尋ねると
....
もはや私ではない
父になってる
父はよく怒鳴った
怒鳴らなくてもよかったのに
わけもなく怒鳴った
そのわけを
今知りはじめていた
こんな家
はやく出ていきたいと
....
高層ビルのマンションが
あまく灯るころ
隣のビジネスビルには
まだ冷たい灯りが残っている
欲望と
欲望を支える人々の
コントラストの
夜景が今日もまぶしい
明け方
....
ひとつしかない
祖母の乳房を
ぼんやりと見ていた
そういうものなのだろう
と思っていた
幼かった私
手術したのだ
その晩
どれだけの悲しみに
打ちひしがれていただろう ....
日曜日
おまえと遊ぶよりも
おまえに見送られることが
多くなった
きょうもおしごと
といって
目を合わせて
目をそらす
自転車に乗せて
おまえと出かけられる日は
....
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