--------------------たにおり
ひとり警棒振ってると
いろんなことが思い出されて
片腕 しびれるほどに
警棒 重さを忘れて

道のお手伝い
くるま 流れるほどに
あれ ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた

福 ....
九度二分を踏みつけてゆく夜半の猫 きみをひらくと
なかから ちいさなきみが
ぽろぽろと はだかのままで
たくさんの 砂金のようにこぼれて
たくさんのきみは 少しはずかしそうに
ひざをかかえてる

 ....
せかいを 吸いつくそうと
夏の日を 謳歌した
わたしが いっぴき
百科事典の ページのあいだで
つぶれて 死んでいた
きみにメールをしようとしたけど
なにを書けばいいのかわからなくて
白紙のままの作成画面をみつめた

液晶がにじむ

ほんとうはずっと
信じていたかったんだ
ばかみたいに
おとぎばなし ....
もしも喜びが 木に咲くなら
摘んで花束にすると クリスティナは
かいているけど ぼくなら喜びが 実るまで待つ
そしてそれが 葡萄の房のようなものなら
ひとつぶずつ みんなとわけあう
こころを動かしたいとき
いちばん大きな目で見つめると
願いを叶えてくれた。
僕らの先生は
車椅子の中で目を覚ますと
もう笑顔になっていた


なにかの手に引かれながら
鼻をつまんで
 ....
おへそに つめをたてて
ぎゅっと押す
ざらざらとはみ出してゆくのは 宵の空
じいんとしていて
冷たい

暖色の
とうめいのふくろのなかに
とけては完結 してゆく
線路の上 やねの ....
ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハ ....
めざめるには あまりにながく
ねむっている おとこの
みみもとで しんみりと
おんなが うたっている
うしなわれた ことばで
まがいものは 百年もたぬ
詩語は 意味をはこばない
わたしらは 修羅であるから
もとめあいながらも ついに
手を むすばない
暗い道でも みうしなわずに 
ついて行けるように と
契りを むすんだ
おとこの 背中に
灯火と星を 刺繍した
水音、雪の降る体
その白い音、針の先です

柔らかさのデフォルト

時計が降る
音が降る
針が





みみずは濡れたままだまっていました
そうすることしか、できなかった ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
きみが森にはいれば
木々は青さを増し
きみが空に手をのばせば
雲はきみに近づこうと雨になり地におちる
きみが猫にふれれば
その三毛猫は、2丁目界隈の王になる

海がみたい、君がときどきそ ....
水の都

おおきい橋
ちいさい橋
越えて
越えて


ふたつめの大きな戦争がはじまる前に
船にゆられて日本にやってきた
おばあは
メリヤス工場をさぼるように言われ
大阪の橋の上 ....
ほおかぶりして
通り過ぎるのは
ぎりぎりの
きりきりの
痩せすぎた
頬の痩けた
猫のような男
おのれのことだと
思いながら
角を回るのを
見届けた
見えなくなって
一安心
 ....
何を思い出せば
幸せになれるというのだろう


始まりは
遠い海の底の夢でした
船底を擦るようにして
人は、人は旅に出て行くので
いつか大きな音を立てて
傾いていく私たちのために
 ....
一.


番号をつけるかわりに
名前をつける
えんえん正しい
回路
いつか誰かにのぞまれる手
という呪文




二.


ステップが日の長さに合わない

れんげは ....
見えない手紙が届く

「私は個性的でありたいのです。誰よりもかっこよく一人の私としてありたいのです」


見えない手紙ならば
やぎも食うまい
しかし
やぎがいないので
返事が届くのか ....
心は 魔法の呼吸がなければ
読み解けないし イメージは
裸眼にうつらないから 純粋だと
目をつぶった あなたの
耳たぶを そっと噛んだ
友達が結婚します
招待状をもらいました
コンパで出会った建設作業員と
できちゃった婚しちゃうのです
ちょっと信じられない
おとなしすぎたあの子なのに
おめでと

仕事帰りにはいつも
 ....
あなたは計量スプーンの使い方は知っている?
ただ ただ これですくえばいいだけではないのよ

液体と固体とでは 使い方が違ってくるのよ

たとえば{ルビ味醂=みりん}のような液体のときは
 ....
朝のラッシュアワーを
すこし過ぎた
大阪の地下鉄の中

今日で12年が経ちました
車内アナウンスの声

12年前にぐらついた日本に
いなかったわたしは
地下鉄の揺れに身をまかせて
 ....
ずっとむかし
わたしがまだ、
色になまえがあることなんて知らないころ

わたしはいまよりずっとたくさんの、
色がみえていた気がする

あれは赤
これはあお
それはみどりで、これは ....
年明けからこっち
どうも調子がよろしくない
いったん種子から出たやわらかな芽が
地上の冷気を恐れて
土の中でぐずぐず躊躇うような感じで
段々衰弱してきたのである

それは君に逢わなかった ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
やさしいけもの

おんなじ日に生まれて
いつでも一緒
やさしいけものは
決して箱の中から出してはいけない
それが母親との
唯一の約束であったし
幼いわたしは
約束の文字が
なんだか ....
小さな公園
錆びたブランコ
チューイングガム
たばこ

小さな僕と
大きなあなたが

切なく微笑む
夏野雨さんのおすすめリスト(3676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- ---自由詩907-3-6
新宿はさようならと言った- soft_machine自由詩23*07-3-4
九度二分- A-29俳句6*07-3-3
きみをひらく- はらだま ...自由詩30*07-2-28
そろもん(いい天気なので本の虫干しをしたときの話)- みつべえ自由詩1507-2-27
穏やかな孤独- 八月のさ ...自由詩607-2-27
そろもん(閨秀詩人の話)- みつべえ自由詩707-2-25
生人- 石田 圭 ...自由詩2107-2-24
かんきつのよる- はな 未詩・独白7*07-2-22
クラゲ- ぽえむ君自由詩24*07-2-19
そろもん(ワンシーンの話)- みつべえ自由詩807-2-18
そろもん(単独者の話)_- みつべえ自由詩607-2-10
そろもん(ステッチャーの話)- みつべえ自由詩707-2-7
廻り方の話- ふく自由詩8*07-2-6
武士のつかい- 佐野権太自由詩58*07-2-6
美しいもの、きみがうつくしくみせるもの- 八月のさ ...自由詩807-2-6
おおきい橋ちいさい橋- yangjah自由詩407-2-1
ギリギリの猫- あおば自由詩13*07-1-29
船底- 霜天自由詩1607-1-29
断片集「リバーリバー」- 簑田伶子自由詩25*07-1-29
こせいをたいせつに- 煙と工場自由詩407-1-28
そろもん(閨房の話)- みつべえ自由詩407-1-23
25才- ふぁんバ ...自由詩9*07-1-22
計量スプーンと法律と_おいしい料理と理想の社会- 相良ゆう自由詩8*07-1-22
くりかえし- yangjah自由詩207-1-19
わたしがまだ色になまえがあることなんて知らないころ- 八月のさ ...自由詩14*07-1-17
恋あるいは衰弱について- 吉田ぐん ...自由詩607-1-9
トーマス- ごまたれ自由詩69+*07-1-7
はぐ- 夕凪ここ ...自由詩8*07-1-7
・モノクロ・- はち自由詩607-1-5

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