声、声、声の中に死んでゆくものがある。声
  声、声の中に生れくるものがある。ひとは命
  と呼ばれ、命と呼ぶ。そんな声の中に、死ん
  でゆくもの、生まれくるもの、在るものが、
   ....
秒針の一周で
思い出すこと

君の瞳
君の笑顔
君のくちびる
君の言葉
君の仕草
君の指先
君の髪の色
君の肌の色
困ったとき見せる君のさみしい目
ふくれっつらしてほんとにふく ....
4時をすぎたら
紅い血の夕焼け
気持ちをほどこう
君の手を握って
形のない願いを
たしかめるそのくちびるは
甘く
苦い
闇のよう
どこへ行くのか知れない
金色の
銀杏並木
ゆる ....
巻き戻された、気がして

夜を
何度も聞き返す


この手が、
あるいはその胸が
用いようとする意味は
おそらく誰かの
船底だろう

唯一
月がおびえる頂


 ....
プリムラ (永続する愛)


朝が生まれるように君の名を呼び

風が踊るように君と手をつなぎ

雨が語るように君を想い続け

星が黙るように君を抱き寄せた


 ....
「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる

つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける

+

淡い花のきもちになって
窓の外 ....
金色の銀杏の葉が
車道の上で
巻き上げられて
流れて
はしる
オートバイの
吹きすぎる
排気に
何か書き込むなら
こんにちはと
さようなら
なんて
テキトーに
誰も聞いちゃな ....
悟りを開かんと高野山へ赴くも、悟りを開くにはイージーすぎる気負いと、その程度の気負いでは三昧境を感ずることもできぬほど開発されきった環境(観光バスがブンブン走っており、徒歩で参拝している僕はどんな都会 .... 入り組んだ路地を幾つも
曲がって歩いていると
街を知るように街を見失い
緑色に光る道に出た
夜のうち街灯は光るようで
電球をみれば灯りは点いていない
靴音が聞こえないので足元を見れば
履 ....
天丼のどんぶりを空にした後 
海老の尻尾をふたつ 
ちり紙の上に並べたらじゃれあい  
嬉しそうに光った 
金星が右目で木星左の目月が微笑む口のようです 雨が降ったよ 傘をさしたよ

みえたみえた よくみえた


ああ やがてくる別れの予感に

ぼくは抵抗しない

ああ こんなに眠たいのに こんなに悲しい

ぼくはもう抵抗しな ....
大したことはもう出来ない
袋小路で袋の鼠
だから袋ひとつ背負ってどこかへ行くんだ
大したものは入ってない
聞かれたら「ボーリングのボールだ」って  ※
答えるのさ
明るい11月の終わり
 ....
夜の暗さ
海の暗さ
そこのあるものの 暗さ

波が
うねりを繰り返し
何度でも打ち寄せる

夜の海
釣り人の
投げた重みが
ふかく沈む

あなたと
指を重む
その温度の確 ....
この船は
すばらしく安全だから
お金持ちの人も
貧乏な人も
みんな乗るといいよ

僕らが
永いことかかって造った船だけど
黒い人も
白い人も
乗るといいよ
でも、たくさん乗ると
 ....
/再生回数は三回が限度だという理論には酷く理不尽な思いをさせられたのだった音楽を聴くのさえおれは自由が赦されないのか、と言うと、澄ました顔でそうだ、と言ってのける余りに超然とした態度を崩す事無くそうし .... お嬢様望遠鏡でお喜び お父様!羊から鼻血が!



泣きながらミシンでつけた道筋に友達なんかは歩いてこない



塾、稽古、家庭教師にボランティア砂糖にたかる蟻は∞



乾く ....
太鼓持ちの男が
夜の盛り場へと飛び出した
理想の相棒・太鼓打ちを探すために
正装の褌姿で

「俺の太鼓を叩いてみな」
道行く人間にのべつ幕なし声をかけたが
そこそこ響かせる者はいても
 ....
あの街についたら
私は歩くでしょう
確かめるために
間違いなくそこにいた
影というかげを集めて

空がまぶしすぎると
鳥は切り絵になります
川面はしわくちゃにしたホイルみたい
いいか ....
都会のビルの幻影に 
透けて見えるは 
幾千の顔々埋まる 
墓地の群 

電信柱の頂に 
舞い降りた一羽の烏 

びゐ玉の
澄んだ瞳に映るは 

過ぎし日の
東京に燃え盛る 
 ....
ご飯を食べられないから
せんべいと
ミネラルウォーターだけで
生きてみようと思う
というとあなたは苦笑して
もっとやせるよ
と言うんだった

冗談ではなくて
吐いてしまうのだと話すと ....
秋なのに、さくらが
花びらの匂い
かえでからは蜜が出るよ 口を開けて待っていて

ねえここで この街から
いつまでも卒業できないね
してもいいのなら君は飛んでどこかへ行くの 
(綿毛 ....
固ゆでの
黄身が底にころがっていたので
指でつついたら「u、あい」とはっきりしない返事をした
たぶん俯いているかつっぷしているかして
声がくぐもっている
白身はどこへいったかと訊ねると
ま ....
ビールのんでぇ
黒霧のんでぇ
熱燗のんでぇ
きもちわるい

何で急にこんな
夜の恵比寿
えべっさん像が
クリスマスツリーを
真横におっ建てられて
街灯の灯りのせいかもしんないけど
 ....
さかなによく似た
君に寄り添って

みたこともない海の
話をする

あなた だってそうでしょう?
本物じゃない

ここにいる僕たちは
だからこそ 寄り添って

途方に暮れた
 ....
からまつの暗い林を
どこまでも歩いたような気がする
きゅうに空が明るくなって
その先に白い家があった
それは夏の終わりだったと思う
空へ伸ばしたきみの腕が
ブラウスの袖から露わになって
 ....
みあげたときそこにあるの
 手をのばしたときそこにあるの
黒く落ちては白んでいく
 青く澄んでは真っ赤に染まって
打ち明けられる気がしたとき
 雨ざらしに放っておかれたとき
みあげればすぐ ....
 曖昧な輪郭をなぞる  ゆうとさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=171540

11月22日に読んだ。

 いろいろ詩を読んでみて、ひねりに ....
流れる水辺にあって、冬の光が
点っている。てらてらとここは
静か。見えないものに、触れた
ことのない。めくらの。薄く紅
挿す頬のあどけない。水掻きの
広く、長い指の掬えない。指間
指間から ....
くれないを燃やしては織る彼岸花
散りゆくあきの路にざわめく



朝を着る嘘としたしむ桔梗の日むらさきいろの欠片をかおる


銀杏というなまえに咲いた羽たちを追いかけている日記 ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3676)
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