息づかい
途切れて、巡っている
ここから
先に
途はない、きみが
途絶して、
電話がなっている、彼方からの
電話がなって
いる、誰も
いない、彼方からの
電話がなってい ....
そなたは夕顔をしている
両目が回転する
ロックアイスを部屋中に反射する
瞼が目だけを慈しんでいる
開いている間の暗闇は不穏だが
閉じている間の暗闇はやさしい


野方図な木々を風よ ....
 
 
小さな頃から夢だった
エスカレーターを家に取り付けるため
大人になると僕は
さっそく業者を呼んで相談した

ところがこの家には
二階も地下室もないので
どこまでも上り続けるか ....
雨の匂いがする
埃っぽい陽射しの名残りを弔って
闇に隠れ
秘密裏に行われる洗礼は
いつしか
もっと内側まで注がれるはず、
そんなことを
どこか信じている
陰音階の音だけ降らせ
目に見 ....
群青がおりてくると
土は冷たくなる
それにふれると
からだじゅうが嘘のように固くなった
すると、ひとりの子が
私はおんなのこです
と言って
すこし笑った
私にはよくわからなかったけど
 ....
服部剛氏の第二詩集となる『Familia』を開くと、そこには温かな潮流が静かに流れていた。

服部剛という詩人は日常の何気ない風景の中から、その温かな視線で拾いあげてくるアングルが、
マザーテレ ....
はいいろさん
はいいろさん
青の粒はよん
なついろさん


声がはねる
声の水
ぬれた足跡
てさぐりの音


かげろう しんきろう
はじめました
昼の ....
わたし
(これは人間になってから知ったのだけれど)
以前は棚田のホウネンエビでした。
ある暑い夏の日に
BOSEのヘッドフォンで音楽を聴きながら歩いていたのです。
ちょうどドビュッシーの夏の ....
耳を澄まそう
日が翳り
灰色の雲が天蓋を覆う
低く垂れ込めて
最初の一言を

ポツリ



耳を澄まそう
これは
幾千億の雨粒が語る物語
その一粒一粒が ....
帰ろうかな
そう思った
一瞬を幾度か
ちらして!

5月
空は氷を溶かした青で
お花のジェット
バウンド・フォー・トーキョー
千歳の上空から苫小牧
育った家を見下ろした

掘り ....
ほら、
ほろほろと、
ゆれているよ
あかるいね
ほら、
ほろほろと、
もえているよ
あたたかいね
それにしてもきみ、あまりにもしずかじゃないか
あんまりしずかで、あたまのなかのおとが ....
きっと/ふゆの/かおり/のせい

興味として刷いた眉が
何故にそんなにも難しい顔をするのか
うすい唇を尖らせて
私に何か言おうとする、
そののどが
気絶する/ほどに/しろい
夏はまだ始 ....
涙を流して見つめ合う
あなたは左のまぶたから
私は右のまぶたから


唇から白い花びらはらはらこぼれ落ち
その花が水に流れてゆこうとも
あなたは私を知る事はない
私もまたあなたを知り得 ....
きみのばらばらに
なった歌、それを
集めるための
きみの歌、きみは行く、ばらばらに
なった、彼女は
冷たい河を流れて
いって、錯乱したのは、最後の
雪が降っていた夜に、きみが
歌っ ....
羽生さんが氏名を説明するたびにやさしい口調で羽が生まれる


初夏がきてみかがみのような水田の空にむかって落ちてゆく羽


ケチャップの湖沼に沈める手羽先をお箸でさくのが彼女の ....
夜明け。雨が降っていて僕らは神社で雨宿りしていた。徹夜明けの僕らは相手の膝で交互に眠った。三島はここで死んだね、君が寝ている間、君の短い髪をかきあげながら、あじさいの花が揺れるのを見ていた。


 ....
休日はらんぷの灯の下に 
古書店街で買った 
古びた本の、頁を開く 

少し引っ張れば 
すぐに千切れてしまいそうな 
薄茶けた頁に並ぶ無数の黒字は 
遠い過去から語りかける 
音の無 ....
マダガスカルヴァニラの薫りが部屋中を支配している。キャメルのボックスとキャスター、鏡の後ろにはちゃっかりとホープを忍ばせておいた・「ウィスキーはお好き?」ブロンドのカールが作りこまれた口元の黒子が目立 .... 長く雨ざらしにした机のように
雨や風や光をうけとめる目


           変わらないものが
           変わるものをつくっていく


    椅子に座って
     ....
片付けすら
進んでいない最後の夜
チキンラーメン
食い尽くし
財布の中身
使い果たし

片付けすら
進んでいない最後の夜
最後の孤独を思い返す
雨が降って
外にも出れず
盗まれ ....
いつだって窓は
逆光に黒いコンクリートを四角くくり抜いて
冷たさと
まだ見ぬ町と
まだ起こらない出来事と
未だ語られない言葉と
遠い町の中を走り抜ける音で彩色された
真っ青な空を映してい ....
小さな巻貝の奥に
灯りがともる
小さな海の人が
書き物をしている
波から聞いた話を
青いインクでしたためる
書き終えると
小さくてごく薄い紙片を
丁寧にたたみ
小さな封筒に入れて
 ....
僕は今、多摩の乞田川沿いにある喫茶店で、 
この手紙を書いています。時計の針はすでに
正午を廻り、歓びの時が近づいているのを感
じます。木目の壁に掛けられた額縁の中の水
彩画は広い草原で、若い ....
世界地図を定規で測ると
あなたとわたしを遠ざける
この距離は五センチにも満たない

この地球には海があって
広い広いそのどこかに
憧れているあなたの町が
浮かんでいる

上空に照らす ....
図書館に
人を探しに行った

服屋さんに
人を探しに行った

ほんとうは
本なんていらない
服なんていらない


みているのに
みえてないもの

みてないのに
みえている ....
初夏の風の流れかたは
グラウンド横にもえる雑木林の
緑の揺れかたであらわされるらしい
美しく思いすぎないよう
美しく思いすぎないよう
丘を登る道を歩く
ふたつ影は千鳥格子に
新緑と樹間を ....
丘陵にひかる
白い壁とガラスの
その中に彼女はいて
いつもの声色で
「やあ」とほほえむ
黒い髪に白いバラ
ブーケにはビバーナムという
時の花
“ 私に娘が生まれたら
  このドレスを ....
風のにおいが愛の記憶を
ふいにくすぐる
手探りみたいにひろい夜を
小さなサーチライトひとつで
それぞれ欠けた月 
甘く噛み砕いて
帰れない二人を残し
だんだん溶け出していく
星と街のと ....
 すべて取り違えてみた声と体  水町綜助さん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=183643

 このぼんやりとした読後感が妙に心地よくて、おもしろい ....
海鳴りが聞こえたら、それをただの空耳だとは済ませずに海のなかを覗いてみるといい。数枚のレンズが折り重なって一つの層を形成しているのがわかるだろう。波紋はそこを潜り抜けるように細密に広がって幾つもの触手 ....
夏野雨さんのおすすめリスト(3677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
息づかい途切れて、巡って- こもん自由詩109-5-31
行列- あすくれ ...自由詩4*09-5-30
世界エスカレーター- 小川 葉自由詩5*09-5-29
雨音- 銀猫自由詩23*09-5-28
少女たちの天体観測- アオゾラ ...自由詩1309-5-27
服部_剛第二詩集『Famila』- 渡 ひろ ...散文(批評 ...7*09-5-27
ノート(ぢべた)- 木立 悟自由詩209-5-27
豊年海老の頃- taznu自由詩1*09-5-27
祝婚歌- rabbitfighte ...自由詩10*09-5-27
千歳の空から花々を- たちばな ...自由詩22*09-5-26
ほろほろ- rabbitfighte ...自由詩6*09-5-26
ワルツ・フォー・デヴィ_- aidanico自由詩409-5-26
その花- 石瀬琳々自由詩7*09-5-20
_- こもん自由詩409-5-19
羽化するうたげ- あすくれ ...短歌8*09-5-19
階段のこと- 渡邉建志自由詩409-5-16
「_古書ノ声_」_- 服部 剛自由詩809-5-11
煙草の箱- aidanico自由詩309-5-8
textile- 昼寝ヒル ...自由詩209-5-6
サヨナラ国分寺- 北村 守 ...自由詩8*09-5-6
そのころ、それを聴いた僕たちは- 水町綜助自由詩809-5-5
海の人- ふるる自由詩19*09-5-5
結婚する詩友への祝辞_- 服部 剛自由詩709-5-4
ディスタンス・インヴィジブル- アオゾラ ...自由詩909-5-1
ひなたぼっこ- 昼寝ヒル ...自由詩409-4-30
記念写真のような- 水町綜助自由詩7*09-4-29
星のたね- たちばな ...自由詩11*09-4-28
風ひとつ- フミタケ自由詩11*09-4-26
SRS7__すべて取り違えてみた声と体/水町綜助さん- 露崎散文(批評 ...4*09-4-26
The_first_impression- aidanico自由詩409-4-24

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