十二月
TAT
十二月
燐寸の炎が
寒い風に
殺されてしまわないように
四本指で匿している
十二月
ジジっと爆ぜて
俺の煙草に命を引き渡して死んだ木の軸
告白するよ
俺もまぁまぁ必死に吸ったよ
焦りつつ
火をつなぐ為に
ぼーんと影からアタックされて
ブルガリのブルーの香り
ワイルドベリーのパフューム
なんで帰るとかゆーんですかと咆哮されている
繁華街の二十三時二十一分
ぼーんと来た女はブルゾンだ
ブルゾンはブルゾンとか自虐で名乗るのは止めにして
普通に邁進すれば業績もきっと上がる
好感の持てる賢明なホープだ
一方睨んでいるのは平太だ
私の事を睨んでいる
ブルゾンに惚れているのだ
睨んでいる暇があればさっさと告れば良い
この二人をさっさとくっつけるのが来年度の私の課題だ
つか義務だ
お前ら俺を
お前らの恋愛の副菜に勝手にしてんなよ
巻き込むなって
私たちは今
津田さんの置いてったお金で呑んでいる
忘年会の夜は不思議だ
忘年会の夜の過ごし方という新書を岩波から出せば良いのに
二十代三十代四十代五十代六十代七十代と
年代別で出せば良いのに