高三の卒業式は
私達が一致団結して
失敗した日になった


去年の４月
偏屈で知られた先生が
担任になった

卒業旅行の班決めを
先生が勝手にして
行かないと怒る生徒も出て
他のクラスからは同情された

クラス対抗リレーの
走者も先生が決めて
皆やる気を失くした

けれど今となっては
いい思い出だ

結局その為かこの組は
普段の仲良しグループとは別に
誰とどんな組み合わせでも
楽しくやれるクラスに
なっていたのだ

リレーなんて最下位なのに
応援賞なるものを貰ったし

私達は卒業式を控えて
皆で先生を泣かせようと
計画し、一致団結して
先生に贈る言葉を
練習してそして当日
失敗したのだ

「先生！先に私達から
先生に贈る言葉があります」
という式後の教室での
滑れ出しは順調だったのに…


その後を続けられ
なかったのだから

涙と嗚咽で決めたセリフを
言えない無様な生徒達を
目の当たりにした担任は
誰よりも大きな声で
泣いてくれたのだけれど