悲しみについて
そう

あなたのちょっとした仕草や
ささいな言葉の切端に
どうしてだろう
こんなに悲しくなる

ただ歩いているだけ
ただ買い物をしているだけ
ただ笑っているだけ
なのに どうしてだろう
胸の奥に こんなに悲しみがある

あなたの眼が悲痛なさけびをあげる
涙がこぼれる
もはや これが あなたの悲しみなのか
わたしの悲しみなのか わからなくなる

どうしてだろう そのときだけ
泣きはらしたあとの
静けさからこぼれる笑み
あなたの愛情 あなたの愛憎のむこうで
木はこんなに愛らしく
人間は不自然にも自然だ



自由詩 悲しみについて Copyright そう 2003-12-14 00:57:31
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