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命を選択し
整えられていた
この小さな庭に
あなたの命が
バラ撒かれている
色のない八月の跡
君の右眼は
スピードメーターになっていて
時速はいまや
300キロを超えようとしている

そんな夢を見て目覚める
とりわけ悲しい夢でもないが
涙を流す理由は充分に内包していると思う

 ....
学研ムーの編集局に仕掛けた地雷が
いい塩梅で爆発したよ
分かるとは
不感症になることと似ている
15の頃は
マンフレッド・マンで反射的にイケた
今の俺の反射神経じゃ 
月面すらも行けやし ....
真夏の海岸でのたれ死ぬ
そこから私の旅ははじまる


   *


毎日のように続く毎日の中で
呼吸をするのと同じくらい自然に
私の言葉は溢れ出てくる
笑顔のように涙のように
あ ....
テーブルの上に広がった海へ
そっと釣り糸を投げ入れる
古びたソファーに腰を深く沈め
ダージリンを一杯
それから
小さく溜め息をついて
今日一日分の孤独を釣り上げる
足を拾いに行きました
海の匂いのする街でしたが
この街に海はありませんでした
足を拾いに行きました
この街にも海があればいいと
子供の頃から思っていました
父に海をねだったこともありました ....
地面を掘り続ければブラジルに行ける
そんな話を簡単に信じる子供だった
なにひとつ疑うことなく
銀色のバケツに小さなスコップを入れて
近所の公園へと向かった
掘る場所といったら砂場に決まってい ....
JR総武線は今日も素敵な形で走っていて
俺は運転席と客席を隔てる壁に
もたれかかる感じで車内を眺めている
隣ではカップルが終始くだらない話しをしているのだが
ふと見てみれば
女の方はこの世の ....
【きがあう】
家の庭に「気が合う」が生えた
そういうこともあるんだなあ
生まれたものは
育てなければならない
私は100円ショップに
ゾウさんじょうろを買いにいく
ミドリにしようか
ピ ....
真夜中に突然、玄関が開いて自分が帰ってくる
という光景を、ベッドの中から眺めるのは
とても不思議な気分だ
ああそうか、俺死んだんだよな、昨日の朝
死因は自分でもよく分からないけれど、
きっと ....
「遠い親戚です」と呟きながら
脂ののった秋刀魚を食べる
身を骨から器用に削いで
大根おろしをちょんと乗せて
神経質に醤油を垂らして
「遠い親戚です」と呟きながら
秋刀魚の塩焼きを食べている ....
見慣れた夏が来て
また、あの少年が
車に轢かれて死んだ
死に続ける者も
生き続ける者も
同じグラウンドのうえで
確かな約束を探していた
かつて
連れて行って欲しい
と願った場所は
 ....
群青の森から
逃げてきたものたちを
ひとつずつ捕まえる
白くやわらかい部分に
サインペンで名前を書き込み
(神聖なものはすべてKではじまる)
ありふれた雑踏の中へと
放り投げていく
グ ....
あるいは、青春とは生贄のようなもの
だったのかもしれない
私たちが、終わりの終わりまで
上手に歩いていくために捧げた
血なまぐさい生贄
それが美しいものだったなんて嘘を
眉一つ動かさずにつ ....
クジラは人間の
小便が好きだった
防波堤の影に隠れて
小便をする人間を見つけては
そおっと近づいて
その慎ましやかな水の流れを
うっとりと眺めた
 もしあそこに
 小さな虹が架かったら ....
窓辺に置いていた
ベゴニアの鉢から
ベゴニアが生えてきたので
窓の外へ投げ捨てた
こうあって欲しいと望んだことが
そうなってしまった悲しみ
小さな風がカーテンを揺らす
窓辺が少し ....
いくつもの停留場が
いっせいに
羽を広げ
南の方へ渡って行った
停まるべき場所を
失ったバスは
大人たちの口から口へと
走り続けている
高層ビルが突き刺さった
地平線の向こう側
 ....
遠い山の向こうへと繋がる
七色の虹を
その人は背負っていた
重くないですか
と尋ねると
その人はすこし微笑んでから
紺色を私に手渡し
故郷の虹は六色でした
と寂しそうに呟いた

空 ....
先生をビーカーに入れて
塩酸で溶かすと
同じだけの虚しさが
胸の中に生まれた
誰かが
質量保存の法則だ、と叫び
それはたぶん正しいことだった
その日
トスカーナ州の子供たちは
ピサの ....
なぜそこに居るのか分からなかった
気が合う仲間たちから離れて
早く一人になりたかった
そう思えば思うほど
一人になることが怖かった
通いなれた八王子の雀荘に
喪服姿の若者が四人

「最 ....
戦争が終わって
俺は窓辺にサボテンを飾ってみる

戦争が終わって
俺は愛のあるべき形を知ったのだ

戦争が終わって
俺は誰も彼も愛しまくる




 フィルピンパブで働く女を
 ....
5人目のマリオは
川に落ちて死にました
4月の暖かい日曜日でした
私は庭の片隅に小さな穴を掘り
真っ白いノートに「やりなおし」と書いて
ビリビリ破って埋めました
あれから毎日、
 ....
エレベーターの中で
「開」というボタンを押すと
涙が止まらなくあふれ出た
何かを受け入れるということは
何かを拒絶することと同じくらい難しい
一人またひとりと乗り込む人を
か細い指で支えな ....
戦争のあとにはいつも
殺されなかった死体が転がっている
それが君の言うところの
正しさなのだろう

ぱたりと本を閉じる
車窓の外へと目を移せば
淡い色の田畑が広がっている

「次 ....
バケツにいっぱいの青空がはじけ飛んで
退屈そうに時間が揺らめく
五月の原っぱに日曜日が溢れ出てくる

子供達の笑い声が響く
きっちりと慣性の法則に従いながら
ゴムボールが飛び跳ねる ....
詩人は死人によく似ています

夜、詩人のベットは

右脳の花々で埋め尽くされます

どんな色の花なのかは

夜がこないと分かりません



詩人はよくよく盲目です

 ....
「私には何もない」と絶望して言う君には
「私には何もない」という言葉がある
なんて言葉の綾取りよりも、
ずっとずっと大切な夕食が君には残っている
君のために飛び切り美味しいパエーリャを僕が作る ....
あおばさんのTsu-Yoさんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- Tsu-Yo自由詩308-6-9
速度- Tsu-Yo自由詩208-5-16
偽物ロケット- Tsu-Yo自由詩5*08-4-16
Reproduction- Tsu-Yo自由詩508-4-14
ダージリン- Tsu-Yo自由詩408-1-28
帰郷- Tsu-Yo自由詩1108-1-4
ブラジルの穴- Tsu-Yo自由詩507-12-5
救いについて(総武線にて)- Tsu-Yo自由詩7*07-11-29
言葉日記1- Tsu-Yo自由詩807-11-6
擬態- Tsu-Yo自由詩4*07-10-2
親戚の欠片- Tsu-Yo自由詩5*07-9-26
甲子園で連れ去って- Tsu-Yo自由詩3*07-8-29
- Tsu-Yo自由詩407-8-27
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クジラの小便- Tsu-Yo自由詩17*07-8-20
ベゴニアの鉢- Tsu-Yo自由詩4*07-8-20
のまど- Tsu-Yo自由詩407-8-7
考察_〈野原にて〉- Tsu-Yo自由詩907-7-4
考察_〈理科室にて〉- Tsu-Yo自由詩12*07-6-7
麻雀- Tsu-Yo自由詩2007-5-14
終戦- Tsu-Yo自由詩1307-5-14
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