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暗闇の中で
夜眼のきかない私たちは
離れ離れになり惑い
不安げに歌を口遊む
重ならない音
不協和音が大気を揺らす
世界中が苛立ちで満たされる
夜
もっと明るいうちに
互いの眼 ....
君は僕を
パーツごと
正しい言葉に分けて
時々、音を付けて歌い
だけどけして
名前を呼んではくれない
悔しくて書いた
「探して」と
ひと言だけ記した手紙
赤いポストの前で
....
砂粒は
この星の記憶を宿した欠片
掬いあげた端から
零れ落ちてしまうから
そっと
天地の間に閉じ込めました
遠く遠くに旅をする
命が離れ離れになろうとも
同じ時を刻めるように
小 ....
積雪に隠れた
蕾のまま枯れた赤い花
その上を跳ねる
帰る巣を失くしたセキレイが
か細い声で歌う
新しい神話の調べ
誰にも愛でられないまま
続く仕舞が
私の庭で
月明かりの下で
革命を誘う流行歌に
追われるように町を出た
急ぐ鼓動に縋りつく
取り残された想いを
繋ぎとめる術さえ知らず
繰り返す季節の中で
眩しそうに笑う
赤く火照ったあなたの目尻を
忘れない ....