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一篇の詩は極まれり 画布をまたひるがえすのみ無名のひとよ
守一の猫たちどまる秋の雨いまだ降りをる窓を眺めて
だれに口惜しき過古ありぬ ぼくら係留場の反対にゐて
....
折れた、
夏草の茎の
尖端から
滴る汁、
突然静かになった水場
あのひとが愛の、
愛の在処をわかっていると誤解したままで
おれは死ぬのか
麦を主語に従えた季節は終 ....
叫びのない窓が額装されるまでに
まずは県民会館で
エッチングとして公表された
田舎者たちにかこまれ、
曝された色彩が
夜ごとかれらのなかで這入って
やがて追放された
....
夢の時間も砂嵐のなかに消えてしまうだろう
そんなテレビジョンの懐いでのなかで
光りになれなかったひとたちと
一緒の場所で出遭ったのは
真昼の淡い幻想だった
いまだほんものの喜びが ....
真夜中じゅうずっと悲しいニュースや情勢に耳をかたむける
おれの辞書にだれかが書き加えた永遠のせいで、
眠ることもできないから
雨が降りやんだ、その沈黙を
だれかがやぶって ....
慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた
あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた
おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、
あるいは取り残された者たちの最 ....
ユウコ、かつてのぼくはきみが好きだった
ぼくがきみを好きになったのはたぶんきみの気怠さやつらそうなまなざしがぼくの、
ぼくの琴線に触れてやまなかったからだと有馬高等学校定時制課程 ....