じゃがいも
はるな

音は雪に食べられてしまい
部屋は
かえって生きものの息づかいでみちている

台所の戸棚のなかで
じゃがいもの芽が伸びてゆく
張りつめた胸の皮膚のしたを
薄くなった血がめぐっている

好きだとか嫌いだとか
なぜそんなことを気にしたんだろう
雪のしたにはたぶんまだ
15か16のわたしが眠っている



自由詩 じゃがいも Copyright はるな 2014-02-15 23:34:59
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