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1.
夏の最期に間に合うようにそろって頼んだ檸檬水を交互に啜っては、八月をひたすら微分してゆく。向かいに座ったともだちの袖口から空色の蜥蜴が滑り落ちて、小さな鳴き声を立てると凄い速さ ....
1.

五線譜の上に
真夏の
影を溶かし込んだ
日焼けのあとに そっと
くちづけをする
あけはなした窓から吹きこんでくる
セピア色に塗り固められた
チャイムの
残響

 ....
***

樹の緑から飛び立った鳥の黒い羽の音を
夕立のたびごとに絵日記に貼り付ける
それが毎日の日課になったころ
子供たちの影だけがきれいにアスファルトの上に焼き付けられている
 ....
若草色に綴じこめた瞼のうえから
わずかに身をのりだして夜明けを待つ
もう 冷え切った息を止める必要もない
もう
五月だから

去年の金魚
紅い軌跡を残したまま闇に ....
海辺で

***

あなたは
丁寧に研がれた小刀をひとつだけ持って
後ろ髪をひと房ずつ殺ぎ落としてゆく
かさばるから そういう理由で置き去りにしたのは
一度だけではない だ ....
{引用=時計の針なら 少しのあいだ
止めておいてあげる
だから

世界を愛した子供らよ
駆けて
遊べや}





  (一面のひまわり畑
   おまえたちは
   その中 ....
(ゆっくりと わらった)



螺旋系に抱き合う
全てが終わった後のくらやみのなかで
遠くにいる小さな影が僕に向かって手を振るのが見える
生まれることさえ許されなかった無数の ....
陸地がだんだんと溶けていってしまったので
今はもう 小学校の運動場ほどの大地
そして水平線
終わりに着いたんだね、と君は言う



 ....
1.
ひとりの旅人と行き逢った。夕焼けのきれいな日で、
暗くなりはじめた道を鮮やかな赤色がずっと染めてい
た。道端の小さな岩に腰掛けて、旅人の勧めてくれた
煙草を吸いながら少しずつ話をする。巡 ....
夏野雨さんのUtakataさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ナナカマド- Utakata自由詩208-9-10
晩夏五節- Utakata自由詩508-8-24
真夏と重力- Utakata自由詩508-7-17
「五月」- Utakata自由詩508-5-27
Innocent/Adolescent- Utakata自由詩508-4-28
おまえたちは黄色い海の中へとうずもれてゆく- Utakata自由詩308-4-13
死者たち- Utakata自由詩708-2-7
終わりに着いたねと君は言った- Utakata自由詩808-1-13
星の子供たち- Utakata自由詩407-10-31

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