すべてのおすすめ
こんなにみにくい幼蟲見たことないそう言ったのはきみなのに。
ひとりだけサナギになった兄さんがどうしても許せなかったぼく。
巣を捨てて出て行ったあのひとは ....
ふかづめした指でガラス引っ掻き鏡の向こうのカラスいじめる。
耳をとじた兎を追ってじうじうと蛇が背骨をのぼってゆく。
ひとしれずざりざりと腕に生えたうろこ包丁 ....
イチョウ並木は色褪せた夏を着てさらさらとさよならをささやく。
ギザギザのキス飲み込んであかんべーをしておんなのこにさようなら。
フェーン現象涙腺はカ ....
亀の行列が通りすぎるまでぼくの口はいつも開いている。
また押し入れの中の牛が泣いている眠れない明日は街に行く。
沼に沈めた家から真っ先に逃げ出してき ....
雨の日にはかなしみに服を着せ、傘を持たせて出歩かせる。普段は裸のかなしみは、はじめ服を着るのを嫌がるけれど、すぐに慣れてはしゃぎだすのが、いつものこと、ぴったりした服 ....
ウォッカ、テキーラ、スピリッツ、宙をひ
と呑み五臓六腑にスペースシップ。酔いが回
れば漕ぎ出して、あてもないのに宇宙探索。
隣の星雲きれいだけれど、今夜のお宿に ....
誰もいない公園のシーソーでかたんことん魄とあそんでる。
ジャングルジムの上飛び降りて着地して弾ける魄まぶしくて。
砂場に書いた第一話さらさらと風に撫 ....
ある冬の雪の日の写真の中で二月をとめて待っていて。
二月そうして服役した服は役目を終え野に放たれるのだ。
前転をつづけた雪だるまはそろそろ後転の ....
眼醒めるといつも渇いている、頭を起こす。
と、ひび割れた裂け眼からはぼろぼろと砂が
流れ落ち、床に。溜まりをつくる。砂は、ぎ
ぃぎぃと声を上げ蠢き、啼いている ....
愛おしいひとからの糸が垂れてくるのでそ
れをするすると引っぱっていると空がほどけ
てすっからかんの空になってしまい空の上の
ひとに「なにを考えているんだ」と怒ら ....
やさしいための息をして、あなたの胸に冷
たく溜まる、それを、吐き出して。もう一度、
たった一度でいい、やさしいための、息をし
て息をして息をして息を、して、あたため ....
傷ついた黒板にチョークでキキキと悲鳴を書いた聴こえてますか?。
感情が通ります白線の内側までお下がりください「バカ!。」
口数の少ない入り口 ....
その日、
ぼくらは冷たかった。
ぼくらはいつも凍えていて、
身を寄せ合って、
暮らしていた。
あたたかくなるように、
少しでもあたたかくなるように、
ぼく ....