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電気コンロを見つめ
一夜限りの放火魔が
燃えるものを片手に
ライターをふらつかせる

背丈より高くはためく炎
身投げするクスサン
手繰り寄せられそうな
上気した青年の手つきと
恐る恐 ....
空咳に転ぶ
換気扇の下
フライパンに灰が落ち
洗っても洗わなくても
そこに立つ人はもういない
戻ることのない忠告を
体内に留めようと
タバコを外して息を吸う
吸うだけでいたかった
そ ....
人んちの猫を
眺めるのはいいな

溜息で吹き飛ぶ薄給だというのに
ある日袋がずっしり重くて
慌ただしくぶちまけて
猫がキョトンと転がったら
がっかりしてもいいな

孤独という状態を
 ....
眠れない夜に
眠ってしまった店を想う

焼き魚が食いたくて
冷蔵庫の灯をまさぐるが
プラスチックしか見つからない
ジュースを転がす

傷んだ腹がないている
鍋焼きうどん食おうにも
 ....
記憶を閉じ込め
机の上
ペン先を生活が覆い
口を滑らかにしても
なんのために流れているのだろうね
飲むためでも見せるためでもないなら
なぜあんなにも叫んでいて
しばしば痛みを伴うのか
 ....
8時間酒も薬も飲まなかった裸眼でいた
ギリギリのバランスを見極めたかった
おかげで8を∞や8と引っくり返せる様置き換え可能だ
水は蛇口とか枕もとの酒瓶を収納できていい
言葉が道具なのだとしたら ....
白くまが
冬に飽きて夏を生きている
空へ掲げた太陽から
モーター音がする
眩しくてほんのり暖かい
故郷ではインテリアでしかない太陽だ

夏の代名詞は軋みながら首を振り
永久凍土に芽生え ....
寒気が
どっさり
目覚まし時計を押しのけ
郵便受けには
号外の雪が
詰め込まれている
のだろう

起きぬけのトイレから
スニーカーをつっかけ
目を閉じて
つま先からゆっくり踏みし ....
高校で処方されたトローチを
ずっと舐め続けている
いつか消えるという
先生の言葉を信じて



大学生にさん付けされ
上司にはくん付けされる

しかし口の中にはまだ
トローチが悠 ....
1年前の物干し竿がボキボキ折れたため

線香立てに刺し

バスタオルを半年前の乾麺にかけると

「向いてないですから」

一瞬で職場放棄され
シフトに二つ穴が開き

洗濯機が運ぶ ....
鍋の中でパスタがふやけるのを眺め
ご飯が食べたくなって炊飯器をいじる
惣菜を見に行くとパンが焼きたてで
一斤買う
テーブルの上では
マグカップとポタージュの粉が
昨日からずっと待っていて
 ....
初めての記憶
それは母に手を引かれ
七つの子を歌ってもらった記憶
母が私の10倍生きていた記憶

木綿のように滑らかなその手に
生活という兆しがささくれ立っても
私をいつまでも包み、育ん ....
夏野雨さんの佐々木妖精さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
迎え火- 佐々木妖 ...自由詩5*08-8-21
いっそ阿片のように- 佐々木妖 ...自由詩7*08-7-14
T字路- 佐々木妖 ...自由詩28*08-3-27
ひと炊き- 佐々木妖 ...自由詩23*08-3-18
引力- 佐々木妖 ...自由詩11*08-3-10
渇く- 佐々木妖 ...自由詩8*08-2-26
太陽の下で- 佐々木妖 ...自由詩10*08-2-14
予言ライフ- 佐々木妖 ...自由詩12*08-1-17
変わるくらい- 佐々木妖 ...自由詩25*08-1-9
その優しさ- 佐々木妖 ...自由詩11*07-12-19
明日について- 佐々木妖 ...自由詩7*07-12-8
たすけてください- 佐々木妖 ...自由詩9*07-11-23

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