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母の作る
遠足のお弁当
いつでもそこには
りんごのうさぎ

黄色い躯体に
赤い耳

役に立たない耳の端(は)を
世界に
ぴん、とそばだてて

ああ
君がい ....
旅先の朝
隣のテーブルは
幼子と祖母

みいちゃんは、
しんかんせんで、
あのね、あのね、

伝えたいことがあるのだ
オレンジジュースが
朝日にゆれる

私は
私のほんとうを ....
もちろん
お金や地位や金メダルや銅メダルで
人は幸せになるだろう
私は

もちろん私は世界にたった一人なのだからそういった意味で存在自体が金メダルみたいなものなんだろうとは思う思うけど理論で ....
お昼寝の時間
うまく
流れに乗れなくて

眠ったふりで
じっとしていた

人影がくる
園長先生
ことば
かわすわけでなく

寝顔を眺めて
うなずいている
そうして

ブ ....
グラウンド・ゼロに何が建つのか
私は知らない

おそらく
洒落たショッピングセンターと
御影石のモニュメント

原爆ドームを見上げると
青空が見える

ドームの小ささを
私たちは ....
ほら
やわらかな終わりがきたよ
やさしい
天使の顔をして

私は
急に思うのだ
三途の川の水面にも

低く高く
トンボの群れが
乾いた
秋を告げるだろうか

ワシは
車を ....
本当は
私を愛して欲しいのだ
貨物列車の地響きの
圧倒的な質量で

乱暴に
私をかしずかせ
それを私は言い訳にする
それを私は言い訳にする

あなたの今を
もはや問うまい
それ ....
無為な時間の使い方を
私は知っている

あなたに
メールを打つ

秒針を見る
秒針は回る
自分の意志で

私は見守る
返事は来ない

期待もしないし
落胆もしない

メ ....
あと
いくつ夏があるだろう
母のいる夏

母に
もしものことがあったら
私は
どんな風に送るだろう
出来れば

いくつかの詩と
数え切れない花束で
彼女を 包んで

黄泉の ....
私たちは
おりがみのくに
二次元を

小さくたたんで
つるになって

おなかの隙間から
ふう、って
息を吹き込めば

祈りを宿した
強い記号だ


メレンゲを
淡く
 ....
要するに
しっぽ
なんだと思う

ブロック塀を
渡る猫が
しっぽ
ぴん、と
アンテナ立てて

バランスをとる
そろりそろり
それでいて
悠然として

しっぽ
うっかり落 ....
届け
ことばが火の玉となり
ミソヒトを焼き付くせ
空っぽの陳列棚を
もう一度
愛で満たせ

届け
物流のトラックの
背中を押せスーパームーン
放水の弧を描き
シーベルトで
人を ....
君の外周をぬける
君という
確信が欲しくて

虎がバターに
ブログがツイッターに
急げば急ぐほど
混然として

君の外周をぬける
なんて遠回り
うなじから耳元
腸骨から正中線
 ....
雪だ
雪だ
窓いっぱいに
あふれるように
こなゆきは舞う

一心不乱だ
目的もなく
それが
私の恋だったのに

誰かのことばを気にしている
失う事実に揺らいでいる

雪だ
 ....
疲れはててソファーで泥のように眠っていました
さむい
友人からメールが来ていた
携帯持ったまま寝てた
返信して NHKは 心の旅
ピアノを真剣に弾いている女の人のテレビエッセイ
 ....
逃げるな
電車は来る
連れていく
時間通りに

決められた
その経路を
なぞるために
伸びる轍だ

逃げるな
明日はくる
世界に
嘘の雨が降る

私の呼吸は
それに従う ....
私は想う
あなたと出会う
その事実を
あなたの意味を

これから
私は失っていく
例えば友を
痛みを

そのとき
私が還れるために
北極点のすがしさで
あなたが

たとえ ....
プロポーズは
提案なのだ

コンフェス
告白でも
意を決した
まなざしでもない

明日
映画は何にする?
って

当たり前の
昨日と今日の
あわいに
そこに咲いている
 ....
恋の終わりは
キリバナ
キリバナ
死んでいるのか
いないのか

ガラスコップの
一輪挿しが
あっけらかんと
咲くように

私は
あなたを失って
冷たい夏を咲いている

も ....
久しぶりに区民プールに行く。全然気づかなかったが、この街にはあちこちにプールがあるんだよね。そんなにニーズがあるんかしら。プール。

水泳にはあまりいい思い出はない。中学の授業ではおぼれかけた。高 ....
僕は
夕焼けになった
君を照らそう
君の頬を

遠くで
生きる君のこと
僕は
君を照らすことで

君の虹の
ほんの少しの
スペクト
そこにまぎれていこう

君の奏でる
 ....
孤独でない人間なんていない。
その事実だけが、私を安堵させる。

職場の上司が、手品を始めた。カード手品ってやつだ。時々、その成果を披露してもらう。だいたいは金曜日の飲み会である。飲み会自体が手 ....
そらを蹴って
そらを蹴って
つま先の
その先にある

ちっぽけな
ボクのうでが
鉄棒を
グンと引いて

成し遂げた
小さな充足を
夕暮れが
優しく包む

それだけで
よ ....
公園の水たまりが
薄くひらいて
境界線が
ゆらいでいる

記憶も

楽しかったこと
寂しかったことが
薄くひらいて
たとえば
晴れた日に
振り向いたとき

もう
あなたは ....
根菜を切る
すとん、と
やわらかく
響くまな板

根菜を切る
おおまかに
あたりをつけて
あとは
力を込めるだけ

そんなふうに

もう
あなたに告げるのだ
楽しかった
 ....
札幌の街に来ている

なーんか 違うんだよね、って
まだ何度も来ていないくせ
妙にここを気に入っている
コウちゃんが舗道のさら雪を踏む

そりゃ、さ
新しい街だしね
歴史が街を作るん ....
祈る、という作業を
私は避けている
たとえば

あなたの幸せを
祈る
そのとき 
私は無力で
ただの石ころ
捨てられたガム

「君を想うと 
 やわらかな 気持ちになれるんだ」 ....
最小限だ
最小限を選ばなくては
引越しを間近に控えて
私はあせる


本は捨てられない
音楽
ギターはデフォルト
CD
取り込んだけど
それでもやっぱり連れて行こう

決 ....
リストバンドを、している。認識のため。
たとえ裸になっても。私の腕に残るもの。

入院生活で、一番変わったことと言えば、そこか。
たとえば服を捨て、カードを捨て、携帯を捨てたところで。

 ....
海が
最後の一滴が
空を映した自在の青が
私は

消えるのをみた

ささくれた
広い砂漠だ
私は
確かに思う
そうか
私の心は
こんなにも
砂漠だったのだ
それを
満 ....
夏野雨さんのuminekoさんおすすめリスト(59)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
りんごうさぎ- umineko自由詩28*12-10-8
モダン・タイムス- umineko自由詩12*12-9-10
夏草/地球を半周するくらいの確かな意思で- umineko自由詩8*12-8-2
ブランケット- umineko自由詩8*12-7-24
グラウンド・ゼロ- umineko自由詩17*11-11-27
しあわせトンボ- umineko自由詩10*11-9-18
ロンド- umineko自由詩6*11-9-5
8月のむい- umineko自由詩5*11-8-21
朝の蛍- umineko自由詩12*11-7-2
おりがみのくに- umineko自由詩22*11-6-6
まいでぃあ・しっぽ- umineko自由詩14*11-6-3
おやすみ- umineko自由詩1*11-3-20
そとまわり- umineko自由詩6*11-1-27
ゆきしるべ- umineko自由詩8*11-1-19
アイス・エイジ- umineko自由詩3*10-11-9
ホーム- umineko自由詩7*10-11-7
フラッグ- umineko自由詩6*10-9-30
プロポーズ- umineko自由詩5*10-9-7
キリバナ- umineko自由詩13*10-8-22
水のテーゼ- umineko自由詩5*10-8-3
セブンス・コード- umineko自由詩5*10-7-6
Magic- umineko自由詩19*10-6-27
_さかあがり- umineko自由詩4*10-6-1
拡散- umineko自由詩4*10-4-29
宙(そら)への願い- umineko自由詩8*10-4-14
ポゼッション- umineko自由詩3*10-2-25
アトム- umineko自由詩12*10-1-16
エレメント- umineko自由詩4*09-11-25
属性- umineko自由詩5*09-10-24
うみのおわり- umineko自由詩20*09-7-14

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