終息に
ともなう安堵
かすかな
心残りを秘めて
三月が来る

中原中也賞を受賞した或る詩集を読む
悲しいことに心が揺れない
この詩集の良さは
三月が来ようとも
きっとわたしにはわか ....
二月生まれの四人の合同誕生会をした

九歳と三十二歳と三十六と九十七歳

九歳は私の娘
九十七歳は私がアメリカに来た当初とてもお世話になった人
三十二歳は九十七歳を通じて知り合った子
三 ....
星は僕たちに距離を教える

月はときどき涙の処理のしかたなんかをけっこう親切に教えてくれる

隣の親父は怒鳴ってばかりで僕も親父なのでちょっと哀しいが


遠く切ないもの

六本木ヒ ....

まっさらな白い紙に
一篇の詩を書きつけ
それを食す

奥歯でかみしめていけば
罫線はよじれ
句読点が記号に戻っていく
口腔内の温度で意味の糊付けが剥がされ
構築された言葉はゆるり ....
泣いて深く澄む眼差し 君を奪い去っていくわけありの嘘 君が隣で眠るのに怖い夢見たなんて言えない 僕は何もかも言い尽くした
それでいてどんな言葉も
からっぽなんだということに
気づいてしまった人の様な気分で
さらに 新しい言葉を
青黒く汚れた綿を繋いだ空に
探していた

神様  ....
  それは 真夜中の出来事だった


  白いシーツにくるまった
  私の鼓膜をくすぐる
  乾いた漣の音

  胸騒ぎが
  私を揺り起こした

  その音が響いてくるのは
  ....
いつかみた風景のなかに僕たちがいた
求刑されることをまっていた

無期懲役かおなじぐらいの罪障が押しつぶそうとするが
僕は罪のために生きようと思った

生きること自体はもう辛くはなくなった ....
わたしと云う うつわの中に
血のほかのものが
そうめんながしのようにさらわれながら
どこかへとするする向かっている

芯のある雪の根もとで
眠っているかと思いきや
ハマグリの部屋 ....
 気難しい顔で、本を読んでいた
 犬が
 ニッと笑った。
  ――それには訳がある。

 犬の気難しさより
 笑いの
 その意味の落差のほうが
 カクッと おもしろかったのであり
 ....
人なかで咳が出ると
はやく止まれとあせる
半径3メートルにいる人たちから
無言で疎まれていると感じて
目的地のことなどどうでもよくなり
消え去りたくなる

独りで居るとき咳が出ると
ほ ....
金色のみかんの浮かぶ夕景に君への想いがひとつふたつ

朝の息にかじかんだこころ暖めて君の手を取る冷んやりと恋

パルメザンふりかけて朝のナポリタンコーヒー色の目覚めの時間

タブレット指を ....
かりん
 島の
こここ
こ鳥


  恍惚のかおり 蜜のにおいに むせ返る
  夜咲く花は たれのため
  こここ鳥は 花の中をぬけだして
  歌声のほうへ朝日とともに  ....
どこからどこまでを少女と呼ぶのか
それは自分の幼年をさかのぼる程度でしか知らない

だとしてもだ
あの病院で出会ったのはたしかに少女だった

「会った」というより「会ってしまった」
そう ....
        あおい空の向こう側
        彼岸のかなたに届くまで
        大きく大きく手をふって
        元気です、と
        あなたにすべて ....
歳時記も棺桶に入れてあげよう 童貞きどってるやつ 二人子がいる 爪先まで宇宙 ランナーがいるとヒットは打ちやすいむこうはチャンスこっちはピンチ 夕方のバウムクーヘン

夜10時のナポリタン

そのあいだに

息つぎに忙しい水泳のように

祈りや移動や鍵置きやメール


どんどん近づいて

どんどん過ぎてく


 ....
 胸ポケットに挿した Myボールペンをとって
 くるくると 青空に放ってみた

 跳ね返す春の光で ウインクを繰り返しながら
 手元に帰ってきたときは 一本のナイフに代わっていた

 迎え ....
少しく眠っていた
ワインのほこりをはらうように
表紙もはがれはじめた 
古ぼけた詩集を手にすれば,

あの時
あたしの詩集は、
日常という単語ばかりで 
充たされていた

 ....
なんにもない大地に寝転んで

耳をつけて目を閉じてみたい

風のおとひとつしない大地に

耳をつけて目を閉じてみたい


水の流れるのが聞こえる

流れるおとを嗅いでみる

肩のちからが抜けてゆく

 ....
息子が帰り支度をするのを見つめながら先生からきょうの息子の様子を聞いていた。

お礼を言って先生にぼくは微笑み保育園を出た。

ぼくは笑顔をよくほめられる。あるとき仲間に黒人であることの利点を ....
雪に埋もれたまま青く影を落とし
家々は俯き黙祷する
気まぐれにも陽が歩み寄れば
眩い反射が盲目への道標

抱擁されるまま

冷え切った頬が温もり
辺りに耳が開かれるころ
頭の後方 梢 ....
  古いデパートの舞台裏、
  職員用通路の片隅に、
  忘れられかけた物置がある。

  狭く、薄暗いその部屋には、
  用済みになった小道具が。
  埃をかぶったハンガー、
  古い ....
 
過去にとらわれた方は、遠い目をしてはります

未来にとらわれた方も、遠い目をしてはります


そして現在にとらわれた方は、白昼夢をみてはります




 
       冬がひきこもっていた
       クローゼットを開け放ち
       ハンガーにヒヤシンス
       春のドレスが花ひらくを待つ
       頼りなげな薄手 ....
芦沢 恵さんのおすすめリスト(5458)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
三番目の月- そらの珊 ...自由詩15*13-3-1
シャッターチャンス- 夏美かを ...自由詩29*13-3-1
遠く美しいものに捧ぐ- 梅昆布茶自由詩22*13-2-28
朝食- そらの珊 ...自由詩1313-2-28
泣いて深く澄む眼差し- 北大路京 ...自由詩413-2-27
君を奪い去っていくわけありの嘘- 北大路京 ...自由詩313-2-27
君が隣で眠るのに怖い夢見たなんて言えない- 北大路京 ...自由詩613-2-27
二0一二年九月のある日、早朝の都市間バスに乗って僕は・・・- Lucy自由詩14*13-2-27
月あかりの羽ばたき- まーつん自由詩14*13-2-27
風のなかのソネット2013- 梅昆布茶自由詩1013-2-26
ひらり、ぽわ- 唐草フウ自由詩11*13-2-26
本のチカラ- 石川敬大自由詩14*13-2-26
- そらの珊 ...自由詩10*13-2-26
春宵一刻- 梅昆布茶短歌4*13-2-26
かりん島のここここ鳥- るるりら自由詩13*13-2-26
「少女の指で書かれたカルテ」- ベンジャ ...自由詩913-2-26
あおい空が目に沁みて- 石田とわ自由詩12*13-2-25
歳時記も棺桶に入れてあげよう- 北大路京 ...自由詩213-2-25
童貞きどってるやつ_二人子がいる- 北大路京 ...自由詩513-2-25
爪先まで宇宙- 北大路京 ...自由詩813-2-25
チャンス- 北大路京 ...短歌313-2-25
夕方のバウムクーヘン- 吉岡ペペ ...自由詩513-2-25
ペンは、剣よりも…- まーつん自由詩6*13-2-25
ありふれた十一通の手紙_‐4‐- 月乃助自由詩8*13-2-25
耳をつけて目を閉じて- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...513-2-24
看取り(3)- 吉岡ペペ ...自由詩1113-2-24
永久の瞬- ただのみ ...自由詩27+*13-2-24
マネキン- まーつん自由詩9*13-2-24
とらわれた方- 殿上 童自由詩22*13-2-24
ヒヤシンスクローゼット- 石田とわ自由詩12*13-2-24

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