愛しい貴方に逢いたい
優しい声が聞きたい
温かい腕に抱かれたい
いつも
貴方を思い出してる
でも
いつかは
そう いつかは
私の胸を苦しめてしまうから
涙が溢れてしまうか ....
外山先生はまた、立ち上がるとホワイトボードのまえでしばらく考えてから、青い字で、
わたしはここにいます。
……と、書いたの。
「たった、一行ですが、これでじゅうぶんだと思います ....
サンタクロースの
魔法がとけるころ
子供は無邪気な子供でなくなり
世界のファンタジーは
魔法使いになれなかった
大人が作っているものだと知る
ネズミーランド
幼いキミは
ディズニー ....
I wish my wish I wish my wish
宗教や人種の違いで 人々が争い血を流さないように
I wish my wish I wish my wish
幼い子供たちが ....
ミッキーマウスは ビックマウス
ほんとうのネズミは 目が ほとんど見えなくて
光と影くらいしか分からない
見えなくても見える方法を 知っていたり
いや 知らなかったりする
オーストラリア ....
紅白歌合戦に誰がでるのかとテレビは繰り返し
コタツに老婆がひとり
印刷された年賀状に「今年も健康でありますように」と、娘に書き添えた
炎帝飼いならして夏を早送り
法則を聞いてみる
雲のうえに
青空に
ひかりに
法則を
発見せずに
決めつけずに
雲のうえに
青空に
ひかりに聞いてみる
市電がとおる
....
風が
やすやすと
国境を越えて
やってくる
クリスマス寒波に
背中を丸めて帰りを急ぐ人の
ひとりにひとつ用意された家路をたどれば
夜に沈んだ土地に
ぽつり、ぽつりと
灯りがともさ ....
弱音をわざわざ
あなたの前で吐いてしまうのはなぜ?
きっとね
甘えているんだよね。
それがわかっているものだから
甘えたくないって
可愛げなく、距離 ....
ショートカットのお姉さんのように前髪をクリップで留めたり、わたしのカチューシャをしたりしているので、アッキーを美容院に行かせた 「短めに切ってもらってね」「短めってどれくらい?」「大学に入学す ....
卒論砕ける宇宙人来る
いつもとっても自分を限定しないんで欲しいんだ
つかの間の優しさだって信じて欲しいんだ
不毛を嘆くまえにかんがえて欲しいんだ
あなた自身が井戸だってこと
ぼくはいつもあなたに勇気付けられ ....
よくばりになると
しあわせは逃げていく
くらべると
しあわせは逃げていく
おいかけると
しあわせは逃げていく
手の届かない
遠いところへ
逃げていってしまったと
思っていたら
....
煩わしさは 私が呼んだ
せっかくの余裕をもてあそぶ愚かさが
煩わしさを 愛する風が連れて来た
私に敬意を払い 見返りも生まれることなく
愛する風が 連れて来た
煩わしさは 私が呼んだ ....
どうしても言い出せずに
降り積もってしまった言葉の灰を
掻き出す術もないまま
人気も疎らな遊歩道をそぞろ歩く
いつまでも辿り着けずに
色を失くした街を漂う吐息の白を
飲み込む術もな ....
夏の陽にやけた
見まがう
まっかな顔の 猿でした
林檎をさしだしたのは、 山女の手
それとも
猿のほうでしたか
やってきた
凍てつく冬の むごたらしさを
誰かに
ののしりたく ....
横になって感じるナンバーは ライオン
野生の猫の たてがみの美しさは 17
おきあがれない日
かなしい日
戦っていない日
子猫のように爪をといでいる子が大勢いて強さを誇っていても
気 ....
(ようやく、外山先生の絵本教室が始まった……)
鈴木さんの絵はおそろしくヘタだった。
画用紙だと思った紙はよくみると、カレンダーの裏紙で、そこにクレヨンと水彩絵の具でわけのわからな ....
メロディーは まばたきに似て
吐く息は 山をさまよう霧に変わり
心のきらめきは 星よりも激しく燃える
遠く町の灯火が やさしい
やがて静かな会話がはじまり
凍りつく 寒気 ....
誰かが
だましているんだなと思う
ぽかぽかとして
冬なのにこんなにあたたかい日は
だから
あたしは
まーだだよと言う
あわてて
かえるが起きてこないように
誰かに
だまされ ....
良い人は扱いやすさで軽んじられる
良い人は時に利用されて捨てられる
良い人はもてない分だけ深みが増す
男女交際において
良い人という呼称は決定的なダメージの象徴だが
良い人が好きだ
....
あしたも朝から会社だった
こころやからだを使う仕事だった
思考や感受性をフル回転させながら
自問自答や己の正当化をくりかえしながら
反省や確信を行ったり来たりしながら
お ....
エーゲ海の猫になりたい 君に飼われたい
生きる権利がある国では
生きる義務が存在しない
生きる義務のある国では
死ぬ義務も存在する
生きる術を持たぬ者だけが
生きる意味を知っている
森の中に『くまカフェ』がある。とんがり屋根の丸太小屋。夏にはハーブが咲き乱れた庭も、今ではすっかり刈り取られて、来年の春を待っている。
店主のシャルロットが開店準備を終えて、窓のカーテンを開 ....
その金曜日の午後
いつものように黄色いスクールバスから降りてきた
娘達の笑顔を確認してから
思い切り抱き締める
「ねえ、ねえ、今日学校でこれを描いたんだよ」
私の腕を振り切る勢いで バックパ ....
ひらがな、が落ちてくるように
迷いながら雪が降ってくる
日本にちりぢりになった
あ、い
どれだけのあいの組み合わせが
あるのだろう
やがて
あ、と、い、は
溶け合って境界線をなくす ....
ハイボールは 夢の味
含んだ途端に 下が高速回転し
イラナイ発言を 繰り返すので
トタンで閉じて しまわないと
非常に 危険な 飲み物なのですヨ
コニャックの文字で
必ずコンニャクのぬ ....
なくならない
昨日のむなしさも
紅すぎる夕日の色も
いつかみた映画の感動も
ありがとうっていわれてドキドキした鼓動も
失恋ノナミダも
やさしくしてもらったことも
あのときこうしてれば ....
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