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もう
春は流れだしていた
斜めからすべりこむ、頬に風
雨の音をまちわびて 鼓動たち

命は生えかわらない
もとにももどれない
遅すぎたのかもしれない
人並み 足どり
たちのぼる  ....
別に12月がそうさせてるわけじゃないけれど
(いや、少しは寒さも加担する感傷)
これまで歩いてきた足跡でもし、
踏まれた分だけ製造されるコインがあるならば
それをわたしは手作りの不器用にこさえ ....
何だか失恋が急に降ったようなある曜日
んん、たしか晴れてたから
顔を出した太陽からは避けられない 一日が稲妻

あれから時間は淡々と
寝息が規則正しいみたく
それを眠れない耳で聞いてる な ....
私の目はどんどん見えなくなっている
ぼんやりと、ゆっくりと、確実に
どんどん見えなくなれば
みなの姿も あの人の顔も
どんな感じなのか 憶測で考えていくだろう
できるだけいい方向へと思う ....
削いでほしいとおもう
まとわりつくものはいつもきれいな花びら
ではなく 鱗のような厄介なものだ
きらきらとしていても からだから離れればいいのにとおもう

あのまま 埠頭へとびこめば
綺麗 ....
ことしのめまいの中で
しあわせなため息をはきだせば
すぐに空へと蒸気になって
糸のついた風船、飛んではどこかへ落ちるけどしらなくなる

雨が笑顔だったらいいのにな
気持 ....
陽炎の中溶けて 掬われることない
雪の中溶けて どこの道も傳えない
雨の中滴っている ただ
わたしと云う流体

てんてんてん、の信号に
折り重なる人の影 声の風向き
その間左右へ ....
朝の近くで
鳥はそうそう、何ごともなかったように
空の下 奏でている
わやくちゃになった己こころ
沈めたいともがきつつ
ただ座っている
朝が近づく

やっと明ける不安からのかいほう ....
涙だけをためた洗濯機に
渇ききってしなびれた心をつけ込んで何回もまわした
でも脱水するとまた、しわしわになり・・・
風にさらせば、パリッパリにまた乾く




じゃ口 ....
わたしと云う うつわの中に
血のほかのものが
そうめんながしのようにさらわれながら
どこかへとするする向かっている

芯のある雪の根もとで
眠っているかと思いきや
ハマグリの部屋 ....
何かをのこしておきたくて
つづりたい指がかじかんで
きもちごとポケットの中
くしゃっとしたままだ

あきらめることがたくさん?
しかたないに変換
かなしいことを冬の海の底へしずめるの ....
(創傷/創唱)

ことばが砂のようにサラサラ
つぶの気泡になって
おちてくるね
でも痛くない

痛いときはどうぞ
万能なぼうしをどうぞ
きずまみれにしないでね
いつかとけてゆくけれ ....
芦沢 恵さんの唐草フウさんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春涙餞- 唐草フウ自由詩5*15-4-12
冬を彷徨ってることにしよう- 唐草フウ自由詩4*14-12-8
胸の栞- 唐草フウ自由詩9*14-6-4
さよならの鎖- 唐草フウ自由詩16*14-4-24
鱗のストールを巻いて- 唐草フウ自由詩12*14-3-2
何もわかってないけど- 唐草フウ自由詩6*13-12-26
わたしという流体- 唐草フウ自由詩15*13-5-23
朝の近く- 唐草フウ自由詩14*13-4-8
回転日常- 唐草フウ自由詩10*13-3-15
ひらり、ぽわ- 唐草フウ自由詩11*13-2-26
すぎてゆくこと- 唐草フウ自由詩14*13-1-29
ふゆのひに- 唐草フウ自由詩11*12-12-26

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