中速 4時間タイマーで
ぐるぐる回っている扇風機に 話しかけて みた
扇風機よ
ただ 回っていないで
一つ歌でも うたってみたらどうだ
首を縦に振った
....
かくしているようであるが、全くかくれていない。
わたしたちは穴ぼこだらけである。
穴ぼこの中にあまいだけのキャンディをかくし、穴ぼこそのものをかくし、つるんとした、瀬戸物のかおをして、作られたもの ....
今日も街は動いている
人が同じように同じ橋を渡っていく
彼らの行くその道こそが一番正しいのだろう
昨日までバカにしていたアイドルも
今日では国民的アイドルとなっている
昨日のことなど振り ....
毎晩
息をふきかえす恋情の手をにぎって
墓場へつれていく
そうして
同じようにして来たあなたと
抱き合ってから
墓を掘り返し
うめる
説明のつく気持ばかりをあつめて評価しようとしている。
きのうと今日はいろいろなことを台風のせいにした。
夕食の準備しなかったのも、本が読み進められなかったのも、洗濯も掃除もろくにしないで線 ....
原風景は黄金に実った稲穂が
風に揺れて波立つというものだった
背丈のままの記憶のままに
そのことを思い出したのは
ずいぶんと移ろったのちのことで
恋しがってもすでにそれがどこで
のこと ....
床に虹が映っていた
それを掌に載せてみた
手相にまで入り込んで
虹は暴れるようだった
掌に虹が映っていた
それを床に戻してみた
吹けば飛ぶような模様
虹は静かに映っていた
床に虹が ....
変わらないねえ と
しみじみ言い合うけれど
私たちが女子高校生に見えたら
化け物でしょう
だけど
やっぱり
変わらないねえ
三人で写真を撮ると
真ん中は早死するからイヤだと言って
....
古いフィルムネガ
光にかざせば
見知らぬような
女
ああ 確かに私だろう
こびと専用の夜行列車の小窓の中で
かすかに笑っているようだが
それは条件反射の類だろう
本当に可笑しい時は ....
自信を
もつことはできないけど
もってもらうことはできるんじゃないかな
認める ってこと
応援の言葉はいえないけど
いってらっしゃい
たったひとことが
背中を押してくれることもあ ....
【白山羊さんからのお手紙は お歌でした】
うそみたいに お日さんが 輝いて
こんな風に ひかりが満ちると
にこやかな音楽の先生のタクトの間の
まるくて すくない言葉を合図に
あな ....
あなたに逢えなくて
分かったことがひとつある
わたしの日常は
あなたを中心に廻っていたことを
トーストとハムエッグにサラダ
当たり前に並べられた朝食も
ひとりで食べると
なんだか味気 ....
今日メールで
「プレゼントありがとう。」
と返事が来た。
受け取って貰えなかったら
どうしようと思っていたから
安心した。
好きなのだが絶対に言えない。
嫌われているからだ。
困っ ....
ねむる人から
わずかに死がにおっている
うなじにくちびるをつけ
愛してやると
その背中に
にじむように命が動いている
ねむる人よ
安らかに
いまは死のふちをなぞっておいで
あなたに会って涙の{ルビ理由=わけ}に気付いた
悲しくなくても
涙を流すんだね
あなたに会って優しさの意味に気付いた
誰かの為に
優し ....
ぬるい陽射しに
すこし暑い秋の
ふかい水色の空
とぼとぼと
道をふりかえる
こどもの頃
どんな顔で
どんな夢を見て
歩いたのか
ぬるい陽射 ....
夜の闇にあたしも消えたいな
落ちこんだらね
とことんあたし透明人間になりたくなるの
人間なのに
人間がいやになっちゃう
言葉が嫌いになっちゃう
夜の闇は優しい時間くれる
忙しいとこころま ....
この地に住まうようになってから
雪に 埋もれて いませんか と
心配の言葉が 描かれ
安堵の虹が 掛かる日が
とても 多い 気がする
なんて ちょっと 他人事のように
のたもう ....
赤と黒が点滅する
トランクルームの一室
思考する夜に
コトバは放射線を描き
空気中を飛び交っている
石膏の中の海馬は
熱を帯びて 幻灯機のように
現在と過去を飛来させる
蛋白質 ガ ....
街頭の政治家ポスターに
黒いマジックで「うそつき」と
オデコに書いた者がいる
ほうほう なるほど……
いかにもポスターの男は
嘘つきそうな顔である
ニヤけた善人そうな笑顔が
まさにペ ....
あおぐ うちわ
木漏れ日 舞い
ついばみ 鳴く 白い雲
腰掛けて 揺れる
飲み散らかした花びら
風爪 斬り 羽織る
草の夢 露の戸
繰り言 湿るサンダル
絡む炭酸 甘く 指に
....
自分の言葉にしか安心できない
眠る前に足で毛布を確かめるみたいに
こそこそ
これはちがう
それもちがうと
言葉をさがしてる
想う風景はあるのに
言葉がでてこない
一人だ ....
果実であると思ったそれは花弁であった
ひたすら内へ内へ花開いているのだ
そして紅く紅く熟れているのだ
いや、未熟な種と共に爛れているのだ
自らを限定してしまった
実の大きさのその中で
虚ろ ....
帰り道イヤホンつけて音ハズレ
見るたびにヒノキとサワラの葉の裏を
ここでまた信用一つ無くしたり
皆に大切にされ
心を砕き、
言葉をかけてくれる。
夢を見せてくれる。
人を大切に思い
言葉を選び
共に尊重する。
互いの幸せを願う。
プレゼントをして
喜ばれ涙する。
自分 ....
私は父に児童虐待を受けた
毎日頭を殴られ、
毎日コブができていた
理由がわかる日も
わからない日もあった。
自分は愛されなかった事を
悲しく思う。
だから自分は苦しくても
父がウッ ....
新聞の一面に幼い灰色の無知が滲む
私の人生に関わるのは かすり傷程
世の中の出来事 私に関わりのないと言い切れない
無関心でいられない 少し暇な時間に
世の中の出来事を
....
手のひらを
ひらいたとき
いくつもの時間が
そこで死んでいた
顔をあげると
いくつもの季節が
道路のすみで
凍えていた
ふるえる指で
拾いあげた
だれかの言葉は
死に ....
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