鏨(たがね)を打ち込む
光沢のある表面に
一閃の傷をつける
堅固な光沢のある表面に
鏨(たがね)を打ち込む
切断する術は腕一つ
振り下ろす鉄槌の微妙な躊躇は
表面を滑り鏨(た ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音
ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても
目だけはじっと
私をみていた
まゆみだよ
わかる?
といっても
黙っていた
聞こえる?
と聞くと
うなずいた
声は ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で
澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている
いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
ソチ・オリンピックのテレビ中継で
上村愛子選手の姿を見て
ぐ…っと来た、僕は
少々涙腺を緩ませながら
隣に座る、妻に云った。
「攻めに攻め、金にも勝る、滑りかな」
数日後、シスター ....
セックスからはじまる現代詩
それは、
無駄に多い性描写
童貞のまま月にたどり着いたロケット
セックスからはじまる現代詩
それは、
風景に溶け込めない看板
ギラギラよりラギラギした看板 ....
少女がしゃがみこんで
草むらを見ている
ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる
小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
紅いセンチメンタル
紫の衣に
氷がつきまとい
すべるように
流れるように
悲しげな
彼女のセンチメンタル
真面目にじっと
みつめて・・・
【透明なマグマ】
あれからというもの踏切が 透明なマグマだ
車を走らせていて
次第に車を減速させ
遮断機が ゆっくりと降りている
車と車の隙間を ゆっくりと歩いていた猫が ....
もうただ怒ることはやめた
自分にも
他人にも
一時の感情で怒るのはただの急ブレーキだから
僕はもっと前に進みたい
いつもゆっくりアクセルを踏んでいたい
楽しくハンドルを回しながら
....
木枯らしや 説教まじりの チラ見かな
ほの白き布に付けたるふた色の花の模様もいと床し
コサージュの部屋のもようのただ中に座しし二人のクリスチャン
妻描きし西洋風の水彩に目を離さずに見ておりしかも
吾ははた人にありせば何人 ....
140219
今朝も眼が痛い
眼科医処方点眼薬を差す
日に4度差すんだよ
方形の空からは
青空さえのぞき込み
眼の中に乾いた粉を振り込むんだ
部屋代を ....
大根役者と呼ばれているが色が白いと勘違い
電光石火でモグラを叩きモグラキラーと呼ばれたい
市井のすみで本能が
真実をねじまげるのは何故
真実とはからくりのようなもの
本能とは時限爆弾のようなもの
共働きの内縁の
事実婚のカレーのルウ
遠くから澄んだ口 ....
猫背の猫、
あたらしいグランドピアノ
その黒鍵よりくろいひかり
猫の、目の、奥がものがたる
誰も見たことのない、できない
猫の詩、
白鍵を選び歩く
猫の、足の、裏がかなでる
雪より白い ....
魚上氷
うおこおりをいづる
冷たい水底で
来る日も来る日も
あわぶくの羅列を眺めてきた
滞りがちな
私の中の遅い水は
妄想だけを鰓の内側に沈殿させた
待つのは慣れて ....
太平洋の荒い波が
かつてひとつであった石さえも
みっつに分断させたのよ
小説家志望の女の子の戯言が
ここでなら
信憑性をもって
語りかけてくる
干潮時にだけ現れる
海の通路を渡り ....
元カノに似た娘を好きになったけど恋は実らず独りで帰る
元カノと比べてしまう笑顔とか脊髄反射で駄洒落言うとか
僕のこと愛してくれる人ならば容姿年齢性別不問
大雪の翌日
退院間近の幼い息子を迎えに行けるように
シャベルを握り、腰を据え、無心になって
門前に降りつもる雪の{ルビ塊=かたまり}を、掬って、投げた。
玄関から顔を出した、姉さん女房 ....
公園で母と子が手をつないで歌を歌っている
私は5歳の時
3ヶ月間入院生活を送っていた
当時の大学病院の小児病棟は
母親が付き添う様になっていた
私には3歳と生後5ヵ月の2人の妹がい ....
有事に無力感しか抱けず
悔し涙を流すのは嫌
「馬鹿」上等
むしろ馬鹿でいい
常日頃から小さな力を蓄える
OBが次々と狼煙(のろし)をあげる
戦争は反対
生きる人の ....
割れたガラスを見て永遠なんてないわと思うわたし
そんなんあたりまえやけ!
と、けとばしてみる
アナウンスが流れる
線路内に鹿が入り込んだため
列車は3分遅れて隣の駅を発車しました
その鹿はどうなったのだろう
寒いホームに
誰もが無言で
同じ方向をむいて並んでいる
....
タクシーがつかまらない
ちょうどいいバスあるかも知れない
病院坂のからくり峠
蝉鳴く頃会えるかな
俺が弱ってしまったら会えなくなる
強くなきゃ会えなくなる
自転 ....
芦沢 恵さんのおすすめリスト
(5458)
タイトル
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カテゴリ
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鏨(たがね)を打ち込む
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……とあ ...
自由詩
14*
14-2-21
矯正
-
夏美かを ...
自由詩
30*
14-2-21
そこぢから
-
そらの珊 ...
自由詩
11*
14-2-21
父は今日
-
Lucy
自由詩
22+*
14-2-20
金属の目録
-
壮佑
自由詩
27*
14-2-20
ししゃも
-
服部 剛
自由詩
21*
14-2-20
選手宣誓ー或るスキーヤーの涙ー
-
服部 剛
自由詩
6*
14-2-20
セックスからはじまる現代詩
-
左屋百色
自由詩
12*
14-2-20
小さな村のお話
-
そらの珊 ...
自由詩
12*
14-2-20
紅いセンチメンタル
-
生田 稔
自由詩
2
14-2-20
【紫】ほかならぬむらさき_オムニバス三編
-
るるりら
自由詩
23*
14-2-20
リリカルシンキング
-
ichirou
自由詩
7*
14-2-20
_
-
八男(は ...
俳句
1
14-2-20
コサージュ
-
生田 稔
短歌
2
14-2-19
ドライアイ
-
あおば
自由詩
5*
14-2-19
大根役者と呼ばれているが色が白いと勘違い【都々逸】
-
北大路京 ...
伝統定型各 ...
4
14-2-19
電光石火でモグラを叩きモグラキラーと呼ばれたい【都々逸】
-
北大路京 ...
伝統定型各 ...
2
14-2-19
豊かな風の音
-
吉岡ペペ ...
自由詩
3
14-2-18
猫の猫による猫のためのグランドピアノ
-
左屋百色
自由詩
10*
14-2-17
魚上氷
-
nonya
自由詩
22*
14-2-17
三ッ石にて
-
そらの珊 ...
自由詩
12*
14-2-17
元カノに似た娘を好きになったけど恋は実らず独りで帰る
-
北大路京 ...
短歌
2
14-2-17
元カノと比べてしまう笑顔とか脊髄反射で駄洒落言うとか
-
北大路京 ...
短歌
4
14-2-17
僕のこと愛してくれる人ならば容姿年齢性別不問
-
北大路京 ...
短歌
1
14-2-17
詩人と雪掻き
-
服部 剛
自由詩
8*
14-2-16
春の小川と春の青空
-
ichirou
自由詩
9+*
14-2-16
ありがとう
-
鵜飼千代 ...
自由詩
12*
14-2-16
けとばしてみる
-
殿上 童
自由詩
11*
14-2-16
鹿
-
Lucy
自由詩
26*
14-2-16
タクシーがつかまらない
-
吉岡ペペ ...
自由詩
5
14-2-16
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