あたしはすごく疲れてしまって
家までたどり着けるのかひそかに心配で
空気はきんきんに冷えていて
闇を泳ぐようにふらふら歩けば
月が煌々と夜空を照らしているんだった
なのに街灯の明かりの下で ....
夜と朝が交差する一瞬
藍色の空めがけて解かれる
淡い黄金(こがね)の帯
その真中を引き裂いて
真っ直ぐに飛んで行く 
お前は名も無き一羽の鳥

霊妙なる森の奥深く
未だまどろみから醒め ....
着ぐるみの人の世に生きて熊さんは今年定年なんだという 

嫁の半ばっちゴムが弛んで履き頃とゆずってもらって二年

2032年まで予約でいっぱい死に切れません団塊のひとは

親指赤切れてギタ ....
長距離ランナーの
100%の全力って
98%出し切る力と
2%の余力を
温存するってことかな。

人を信じることって
98%本気で信じて
2%は騙されてもいいと
覚 ....
テーブルクロスが
一瞬にして失せたけれど
食卓の上に置かれた
皿やグラスは
微動だにしなかったので
私たちは
それについて話すこともせず
もちろん
見つめ合うこともせず
そのまま
 ....
車窓を過ぎる町並みを見つめるたび

そこにある暮らしに自分自身を嵌め込んでしまう

そしていつのまにか

胸を騒がせながら幸福について考えている

その書家の作品のまえで

わたしは車窓を過ぎる町並み ....
丸ごとの白菜は
野菜というよりは
赤子のような
生きている重量があって
大切な預かり物のように
抱きかかえれば
ここは冬の入り口

ひと皮むくごとに葉は
正しく小さくなる
まるで
 ....
横殴りのことば
ひ び 割れた
       音 階

吹きっさらしのあなたの庭で
  浮浪者のよう
わたしは 火を焚いて 鍋をかけ
  煮ても焼いても喰えやしない
     虹色の肝 ....
箱の中に入っている人のこと
何も知らないのだがな 
どんな仕事していた人か 
どんな声で話す人か
葬式だから来いと言われてやってきたけれど
母の従兄弟と言われても 
母はとっくに死んで ....
クリスマス君が隣にゐる奇跡 ビニール袋で
猫を作った
5歳のきよ君が
モミジの手をつけた
顔があるけど
透明
落ち着きのない子猫
風が吹くたびに
出窓から飛び降りてる
あかい
甘い
すっぱい

でも耳がある

かわいい
ニャーオ
ゴロゴロ

でも
美味しそう

ねこ
食べちゃった
人生に設定した目的に向け 
一直線に生きていける人はあるまい
散歩先に目的地を設定しても
一直線に歩いて行くことはない

前方の橋
大型犬を連れた女性がこちらに来る
わたしは 当然の ....
様々なモノ達がきみを常に誘拐して行く
TVや学校であやしい人にはついていかないように
言い含められてはいるのだが
国家がすでに誘拐犯でもあるので気をつけよう
きしむ胸を金平糖で満たす 砂漠砂漠きみを分解した償い 喉が潰れるほどビルの谷間 【見えない力】

桜の葉が
秋の雨に打たれて
石畳や道は艶めいている
やがて すべての葉は落ちてしまうのだろう
しんやりとした風に心を寄せると
桜の匂いがした

たとえ花はなくとも桜 ....
どうか、私を弄んで下さい
その熱く燃える掌で
私の輪郭を全て辿って
白く滑らかな肌に頬を寄せて
息を吹き掛けて
どうぞ、私の中に入ってきて
わき腹を鷲づかみにして
何度も何度も私を翻して ....
無から生まれた訳ではない
原因があって生を得て
所在もない風来坊だが
ひなたぼっこの猫とあそんで暮らす

世界が仏頂面の上司だけで
構成されている訳でもないので
とりあえず仕事は好きだ
 ....
 
シンプルな化学反応

AとBをまぜて加熱すれば、詩ができる

Aはあなた Bはわたし



 
時々家に帰ってくる君に
野菜を食べさせなくちゃと料理する私
君は
張り切らなくていいからと言う

じゃあね、また来るからと
出て行くときには
うん、またね
あっさり見送る

君が初 ....
わたしはわたしの詩の中から
書いているわたしを見つめていた
ある日それは贅肉を削ぎ落とす行為
やがて臓器を切り売りして
かつて愛したものの首を絞め
部屋中に灯油を撒いた
見限ることにしたの ....
メインストリートからちょっと外れた裏通り
やや湿っぽい陰翳をおびた空気

そこに潜んで居るだろう様々なものを感じながら歩く

舗道の石畳の下に埋蔵された都市の歴史
踏みしめて行った無数 ....
冬の夜が始まる

足もとにはタペストリ

藍色に挟まれる

精神のカルテのようだ

深刻に考えても

始まらない、冬の夜だ


羨みたくなかった

傷つけたくなかった
 ....
焼肉屋へ行き野菜だけ食べている

死ぬ間際にダジャレを言った

ゴルフウェアで葬式に出た

崖で演説している

領収書をヤギに全部あげた

サスペンスだが犯人がいない

泣きな ....
ものごころがついた頃から
僕はどこまでも透明に近い
風船だった

鳩時計式の心臓から伸びる
静脈と動脈が一番こんがらがったあたりに
震えながら潜んでいる僕自身を
誰もがたやすく見つけ ....
平日の空いた車内に腰かけて
「記憶のつくり方」という本を開いたら
詩人の長田弘さんが、見知らぬ町を旅していた。

喫茶店に腰を下ろした詩人は
ふぅ…と溜息をひとつ、吐き出し
哀しい歴史を帯 ....
  朝礼


フロアの中心に固めた事務机の島を囲むようにして立ち
輪番制の司会者のもとに
一人ひとり何事かを発声することが期待されていた
しかし外線が鳴ると朝礼も一時中断して
近くのだれ ....
がんばれと言おうとした口から二酸化炭素が出る
芦沢 恵さんのおすすめリスト(5458)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬が来た- Lucy自由詩16*14-12-5
鳥よ—- 夏美かを ...自由詩21*14-12-5
母八十二- たま短歌1114-12-5
100%- chiharu自由詩10*14-12-5
魔法使いになりたかった- そらの珊 ...自由詩1514-12-5
いつからか- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...514-12-4
白菜白書- そらの珊 ...自由詩20*14-12-4
愛はくちびるから零れ腐る水- ただのみ ...自由詩16*14-12-3
棚から…_- イナエ自由詩8*14-12-3
クリスマス- chiharu携帯写真+ ...3*14-12-3
ふくろねこ- Lucy携帯写真+ ...11*14-12-2
ねこいちご- Lucy携帯写真+ ...8*14-12-2
橋・渡らない- イナエ自由詩10*14-12-2
誘拐犯- 梅昆布茶自由詩714-12-2
きしむ胸を金平糖で満たす- 北大路京 ...自由詩514-12-2
砂漠砂漠きみを分解した償い- 北大路京 ...自由詩714-12-2
喉が潰れるほどビルの谷間- 北大路京 ...自由詩314-12-2
星の王子さまによせて_- るるりら自由詩1514-12-1
私を閉じ込めないで- 夏美かを ...自由詩24*14-12-1
畏敬する詩人達へ- 梅昆布茶自由詩1414-12-1
シンプル- 殿上 童自由詩18*14-12-1
hahagokoro- Lucy自由詩15+*14-11-30
乖離の音- ただのみ ...自由詩16*14-11-29
ダークサイド・オブ・ザ・ストリート- 梅昆布茶自由詩814-11-29
群青のサンドウィッチ- 吉岡ペペ ...自由詩514-11-29
何やら深い事情がありそうな一行詩- 左屋百色自由詩7+14-11-29
風船- nonya自由詩17*14-11-29
旅の列車にて- 服部 剛自由詩614-11-28
オフィスワーカーの情景(四作)- 乾 加津 ...自由詩9*14-11-28
がんばれと言おうとした口から二酸化炭素が出る- 北大路京 ...自由詩1414-11-28

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