ケイコさんは
帰る家を探している

いつか住んだことのある
川の傍の古い洋館
蔦が壁一面を覆った
赤いトタン屋根に
所々塗りの剥げた
白いバルコニー

夜になると屋根裏を鼠がはしり ....
みんなみんな渡り鳥

みんなみんな切実さをもって

なんぜんメートル

なんまんメートル

空高く海越えていってしまう

みんなみんな渡り鳥


まっていてくれなかった

 ....
風もないのに木々がたわむ

木々が葉うらを騒がせる

風もないのに

風もないのに

風もないのに不穏がゆきすぎる


地球の皮が地球の皮の下が

ちいさくちいさく

震 ....
祭りの翌朝
小雨降る広場で
ゴミと小銭を拾うお年寄りを蔑む中年夫婦が
小さな野花を踏んだ

こんなに綺麗な花なのに
本物の生きている花なのに
偽物だらけのこの世の中に
確かに信じられる ....
GIRAGIRA

あの頃の僕の瞳は
油の浮んだ水溜り
空も街も人も季節も
虹色に濁って見えた

今にも分解しそうな心を
繋ぎ止めていたのは
少し哀しい臭いのする
ギラギラ
 ....
何処に行くにも二本一組で
助け合って動く足に異変が生じた
左足の指の関節を骨折した
左の指先が大地に触れると
痛みが全身を走り頭に抜ける

医師は左はかかとで歩けという
左足を半歩前 ....
遺伝子は さみしがり屋で わがままで

遺伝子は おこりんぼうで 泣き虫で

遺伝子は おのれにないものを欲する

遺伝子は 身長差カップルを作り

遺伝子は 泣き 笑いのカップルを作 ....
『夏休みをとるのは権利ではなく
ギムです
義務です
大麦でも小麦でもメリケン粉でもありません
精一杯日を浴びて
黒金色になるまで家に帰ってはいけません』
大統領府の前に太文字で鮮やかに記さ ....
駅へと向かう道沿いの一画が

何年か前から空き地となっていた

人々は空き地を横切り駅へと急ぐ

一年を通して一日中 人々が行きかうためか

獣道ならぬ 人間道が出来上がる

春か ....
芽吹きの時が訪れ
そよ風が地を撫で
通り過ぎて行った

陽射しが強くなり
花々は入れかわり
息吹も鮮明な日々

嵐を受けては倒れ
ありのままの姿は
しなやかさを増し

野の花は ....
あめとうとう
硝子を濡らし
景色を隠し

ゆめうとうと
意識を揺らし
兆しを示す

ことばばかりがほとばしり
あぶらえのようにおぼれるみどり
ただあって 泣く まじりあって

 ....
蝉は喚いているのだろうか
虫に生まれたわが身を嘆き

いや むしろ
祈り続けているのだろうか
来世の至福を待ち望み
朝、昼、夜と、勤行を欠かさず
一心不乱に経文を唱えた
信心深い祖母の ....
真夏のまんなか
乾いた道のさきに
誰かが描いた蜃気楼

午後9時の
Summer in the city
大気圏の対流に耳を澄ます

アウトをとれない甲子園
酸素が足りない金魚鉢
 ....
8月6日に詩は書けなかった
「ダイイン」というセレモニーにも
参加しなかった
自分以外の人達の行為に
ついケチをつけたくなるのは反射だ

雨がいったん上がった8月7日朝
はがきを投函しに ....
最高気温36℃

そとをしずかに見つめている

夏の日差しがほどけている

さやかにこぼれているのは

もう秋のひかりだ


時計回りの高気圧だ

南から潮風を運んでいる
 ....
大粒の雨の帰りを待つ植田 連休に伸ばした髭や植田澄む すぐ寝る生き物は僕だが
なかなか寝かせない生き物は君だ

指での数え方って国によって違うんだ
だから彼女の本当の歳を教えてよ

気ずくことばかりでは疲れてしまうので
きずかないことを想う ....
河の向こうにあるのは
向こう岸です
至極当然だけど、事実です
あなたは今、どちらの岸辺で詩を書いていますか
向こうですか
こちらですか
それとも、どちらだかわからないですか
一生懸命に書 ....
夜空が見せる死へ
立ち会えば
人は願いごとをするのだというけれど
想いに比べれば言葉はもどかしいだけで
現実にはそんな暇もないほど
許されている時間は
まるで人生のように短く
まばたきの ....
{画像=140806203834.jpg}




タイムカプセルは誰の心の中ににもあって
開けられる時を待っているんだ
中に入っている想いは人によって違うけれど
一度開けると流れて行 ....
いま45才だから

15の頃はまだ30年まえのこと

いまとおんなじ強さと切実さで

84才のとき

15の頃を思おう

それとおんなじように

きょう69年まえのことを思おう ....
美しいうたは書けません
美しいことを信じないから

優しいうたは書けません
優しい心を持ってないから

明日には一本の木になって
いつか伐り倒されるまで
風に吹かれて泣いていよう
蝉 ....
さきにシャワー浴びてきなよとひとりごと からみつく気怠いシャワーかすれ声 運命に逆らえずただシャワー浴ぶ 「愛してる」と「大好き」を使わない恋文を要求されている 首振りっぱなしの扇風機が家族旅行の留守を守る 再放送で観たから君が思う歳ではない たぶん悲しい

元気がないのは

たぶん悲しい


元気がないのが晴れるのは

嬉しい

渦中にいたら

いつになるのか分からないけれど

そうやってひとは

少しず ....
芦沢 恵さんのおすすめリスト(5458)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
特急電車は警笛を鳴らし- Lucy自由詩12*14-8-9
みんな渡り鳥- 吉岡ペペ ...自由詩1014-8-9
終末の風- 吉岡ペペ ...自由詩314-8-9
きっと- ichirou自由詩17*14-8-9
八月の欠片- nonya自由詩25*14-8-9
かかと歩き- イナエ自由詩17*14-8-9
遺伝子の叫び- 佐白光自由詩1*14-8-9
ギム- あおば自由詩7*14-8-8
虚構の道- 佐白光自由詩114-8-8
野の花・・・- tamami自由詩914-8-7
おとあめ- ただのみ ...自由詩28*14-8-7
夏の歌- Lucy自由詩17*14-8-7
アウトをとれない夏- 梅昆布茶自由詩2114-8-7
暑中見舞い- Lucy自由詩7*14-8-7
秋のひかりや高気圧- 吉岡ペペ ...自由詩814-8-7
大粒の雨の帰りを待つ植田- 北大路京 ...俳句214-8-6
連休に伸ばした髭や植田澄む- 北大路京 ...俳句214-8-6
川越にて- 梅昆布茶短歌814-8-6
河を渉る- たま自由詩21*14-8-6
一瞬一生- そらの珊 ...自由詩23*14-8-6
タイムカプセル_/_呪文の言葉は- beebee自由詩26*14-8-6
8月6日- 吉岡ペペ ...自由詩614-8-6
美しいうた- Lucy自由詩12*14-8-5
さきにシャワー浴びてきなよとひとりごと- 北大路京 ...俳句914-8-5
からみつく気怠いシャワーかすれ声- 北大路京 ...俳句214-8-5
運命に逆らえずただシャワー浴ぶ- 北大路京 ...俳句214-8-5
「愛してる」と「大好き」を使わない恋文を要求されている- 北大路京 ...自由詩514-8-5
首振りっぱなしの扇風機が家族旅行の留守を守る- 北大路京 ...自由詩814-8-5
再放送で観たから君が思う歳ではない- 北大路京 ...自由詩314-8-5
いつか晴れるかな- 吉岡ペペ ...自由詩414-8-5

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