130721
切り倒されて朽ちた幹には
王子様のような茸が生えて
胞子を出して枯れるのだと
教えられて育つ
屋根 ....
死体って本当に動かないんだ
父さんの死体は 父さんと言っても動かず
とても不思議だった
死体だけども 父さんと変わらずに呼び
唇を水に浸した綿で拭いたり
保冷剤を取り替えるのを 成る程と ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
....
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている
扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
....
これは 泡なんですよ
基本的に 空気ですから
その中へ 飛び込むって事は パラシュートの浮き輪無しで飛行機から地面へ飛び降りる様な事だったとは気がつきませんでした
浮いて来ませんよ
上 ....
星からおちた小さな人が 走る
走れることが ただ 嬉しくて
他の子たちが小さな人を 追いかける
笑いながら走っているから 追いかけたくて
星だったころだって 走っていた
回れ ....
35000フィートの
高さで
時速580マイルの
速さで
華氏ー45度の
冷たさで
まっすぐ伸びていく
今日の航跡を
昨日の
何処かから転がり出て
一昨日の
坂道に置き去 ....
光と影が交差した
あの日、
蝉が死んだ
探し求めた、あの日から
どこへ行ったのか
....
愛は心臓ではありません
ひと刺しくらいで死にません
悶え苦しみ血を流し
こと切れるまで幾日も
血が乾くまでに幾月も
断末魔のその姿
もとに戻るには幾年も
愛は蛙じゃありません
....
【ロゼット風】
両手両足は よく動く パペットマペットをつけたみたいに
たんぽぽの根は 大地に動く
たんぽぽの種は 空に動く
いまは 雨で どこにもたどりつけないよう ....
130717
無神論者はもちろんなんとも思わないよね
神様がいなけりゃ怖いものないと思っているんだもの
神は強い魂が生み出したものと ....
SEXの言葉小さく紫陽花忌
荒みゆく世に新生児風涼し
愛しても愛しても闇花魁草
誰にも必要とされない仮面をかぶる
問【食べ物を残すと祟られるのだろうか】
答【ライオンに きいてみました】
ライオンとして 食べ残しは ハイエナにあげました
すてきな死肉でしたが ハイエナは かみさまに感謝したでしよう
先 ....
森は生きている
時をかけ
重なり
消えて
変遷して
森は生きている
ぼくはにんげんから
木になった
木はにんげんよりも
長生きだから
もう死なないと思った
でもぼくは死んだ
....
花
花がたくさん
咲くことよりも
大切なこと
その花をまもる
薬じゃないもので
愛で
時間で
からだで
その花をまもる
ぼくでなくても
いいのかも知れない
でもまもる
後悔 ....
さみしいなら
さみしいでいい
いらいらするなら
いらいらするでいい
かなしいなら
かなしいでいい
ぼくはそっと聞くよ
雨があがる
雨がふる
その降りおわり
降りはじめ
ぼくはな ....
すいすいすいすい
生きていってくれることが
ヒョウスケくんはいちばん
うれしいうれしい
愛するアーヤが
つかれもしらずに
皆の人気ものであることが
ヒ ....
象
ふるさとの草原も夕日も君は知らない。君の母親も父親もふるさとを見たことが無いからその広大さも見事さも話に聞いたことすらない。そこに憧れることもなく、ただ与えられたスペースを歩き与えられ ....
090401
この日に大事件が起きたら、困るな。
地震よ起こるな!
朝起きたら、眠くなった
美少年が
借金に困ったので
お米を誤魔化したと
ニュースは伝え ....
地面に足が着いていない気がして
ピンク色の体温計、コンマ2桁
もう何年も基礎体温など測っていないが
舌下に 滑らせる
短い電子音
微熱
横になるほどではない
が
正常ではな ....
{引用=
夏の陽に 焼かれながら
後ろ手の 信玄袋をけつの下に
揺らし
女の背は 凛とし
黒紋付の羽織で、振り向く{ルビ面=おもて}が艶やかだった
名は、定
床上手の 女 ....
緑の庭の階段で
座る少女に
覆いかぶさる葉群から
木漏れ日はふりそそぎ
何かを両手に包む、少女は
嬉しそうにこちらをみつめ
テラスの椅子は
かたかたっ…と風に揺れ
....
暑中お見舞い申し上げます――
越後湯沢の詩友から届いた風の
便りには自筆で風鈴の絵が描い
ており、葉書の真中の空白から
ちり〜ん
と風に靡く紙の下から密やかな
鈴の音が、鼓膜の ....
上野発の夜行列車に乗り遅れた時から 不忍池のベンチで夜を明かした ホームレスの気分
元カノから会いたいという連絡あり やけ棒杭はいまさら火がつくのだろうか
かつては大好きだったのに冷めてしまう ....
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず
もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る
一本であったら
孤独に揺 ....
130715
詩集の挿絵とは
絵画にどんな照明を与えるか
ということに似ていると思いますと
若い作者が言う
そんなものかなと初老の男は半ば狼狽えながらも
うなず ....
素足で夏を渡るよ
片足立ちの小石の上で足を擦る
渡り切れない小川の真ん中
一匹
木漏れ日をぬけて
羽根を濡らして 染めて
谷を越える
うなり始めた風
光に濡れながら
....
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