ぼくにとって
東京は
寝心地の悪いベッドだ
田舎へ帰れば
とてもやわらかく
あたたかく
まるで寝心地の良いベッドのよう
だけど
寝心地の良いベッドでは
ぼくはもう
うまく眠 ....
胸が狭くなるような感覚と共に君はやってきた
その声と笑顔で僕は壊れそうで
何を話したらいいのかわからないまま
時間だけがただただ過ぎていった
会話もないままぐるぐると歩き回って…
....
男が嘘をついた
嘘だと分かっていて
わたしは騙されたふりをする
嘘だと言ったら
瞬間に
嘘が本当の嘘になってしまうから
すべてを失いそうで
怖くて
わたしはそれを言えない
男 ....
無音の世界で
頭の中を行き交う コトバたち
白いシーツの波間から
しのび笑いの ベクトル
空気を刻む ガボット
微かな振動に 覚醒の兆し
小さなアクビ噛み殺す
ああ もう ....
テレビのニュースで古いビルが
爆破で解体されるシーンを観た
ビルはぼくが生まれた年に
建設されたものだと知った
解体の理由は老朽化ですと
アナウンサーが喋っていた
ビルも古くな ....
僕が勝手にホームだと思ってる店がある
マスターはブルースバンドのギタリスト
髭がかわいい熊ちゃん
カウンターで日本酒呑みながらブルースやロックのDVD観ながら
ぼんやりとい ....
言葉はきっといつも虐げられてきた
そんな思いがした この僕には
人は だけど バカだと思っていないから
読んで欲しいのだけれど 本を
この街は不景気の風が吹いている
僕は 思い ....
それはかつて多くの人々を魅了していたに違いない
それがいまやすっかりおんぼろのおんぼろり
はじっこは剥がれ落ち
赤茶けた錆びが一面に飛び火して
壊れかけた壁の残骸の一部のようで ....
ひろこはそのあさ
ひろこだった
そのあさ
わたしにも
よびながあった
わたしはよく
ひろこに
おとうさんとよばれた
わたしもよく
じぶんのむすめを
ひろこと ....
そうして僕は
君の肢体に
必要以上の嘘を吐く
生きている
死んでいる
育っていく
腐っていく
うねうねと
まっすぐに
はじらいもなく
慈悲もなく
まるで天女の装いで
....
きみは一昨日 何を見た
きみは昨日 何を見た
きみは今日 何を見る
きみは明日 何を見たい
きみは明後日 何を見たい
でも何も見ないし
何も見えないよ
きみの瞼はもう閉じたままだから ....
こんにちは、恥丘よ
たびたび俺は
宇宙性感
ヤマトナデシコって店に
行くよ
宇宙の彼方
エクスタシーをもとめ
ATMから
お金引き出す
「必ずこの店を
気に入りますよ」
....
こちらへ住むようになって8ヵ月が経った、といえば、もう慣れて当たりまえだという頃だけれど、しかし昨年の9月頃まではまだここと、実家とを行き来していたから、じっさいに腰を落ち着けてからはやっと、3, ....
左うでをかばって働くから右うでのほうが汚れていたいつも
「どっちみちかなしいよ」
どっちみちかなしいのだ
泣くほうも泣かされるほうも
でもどこかでだれかが
重さをはかって得を ....
部屋で寝転がり
凹凸のある真白い壁紙をじぃっと眺めていたら
いてもたってもいられなくなり
クレヨン屋さんに走る
奥行きの広い店内には何百色ものクレヨンが
一色ずつ一本ずつ
天井まで透明 ....
焚き火を消さないのは
君がまだ眠らぬが故
先に眠るのは
君を信用しているが故
山で眠るのは
己の無力さを
知る為が故
彼方に飛び去って行く鳥を見送るは
見知らぬ土地の匂いだ ....
今しがた
ひとつの詩を投稿したのですが
後から湧き出てきた
良心の呵責に
削除してしまいました
ロシアの宇宙船が落ちてくるという
ニュースに思わず笑ってしまい
皮肉った詩らしきものを書い ....
寒々しい人間描写満載の戦記物に夢中になる高校生の
自意識の欠如を指摘しても始まらない
指摘しなくても始まらないが
始まると思うのが間違い
終局に向かい続ける毎日
人間を弱くする ....
ビーチ・ボーイズの時代は終った
それは別に秋が訪れ
夏が去ったと云うことじゃない
僕の中で彼らがすでに
終ってしまっていると云うこと
ただ単に僕に取っての問題に過ぎない
昔 処女であっ ....
冬の桟橋
わたしは車の中で
あなたの後姿を見ていた
象のような冷たいハンドルに
両手を置いて
わたしはあなたを見ていた
ワイパーが
幾度となくわたしに
顔を近づけて
こすれるゴム ....
あおぞらにむかって
ほんはひらかれた
せかいのだれもが
てにとれるように
時間の波に押し流されることなく
権利の射程圏内から逃れて
生き残った言葉の集落は
門を開いて客人を待つ
....
「あなたのしたいこと、教えて」
と笑顔で問う女性に
不細工な粘土細工を差し出すと
棍棒で叩き潰される
失望されたから
おなじたかさで
くさがはえそろっている
そのいちぶが
ひとにふまれたとしても
あさにはまた
おなじたかさになって
のびている
窓の外 子を探す声 雪女
まちがいもまた
こたえなのだった
まちがいが
ひつぜんであるかのように
せかいはただしい
ほうこうにむかっている
もしもまた
あしたまちがえても
それがせかいの
....
そう、
昨日は
冷たい雨がふったけれど
今日は穏やかな太陽が出て
きみの背中を温めている
そこにだけ、ぼくは手を載せている
取るに足らない日曜日の
....
巨大な電波望遠鏡は何を見出すのだろう
彷徨える次元の生命体は愛を理解するのだろうか
僕のキーボードは詩を歌えるのだろうか
哀しい女は今日も沈黙の惑星の砂漠にいる
自分の影を ....
【債】
抱えてる負債のことは気にならぬ彼を抱いてる夜君思う
【念】
奥さまは記念切手コレクター生きる喜び23日
【迫】
迫り来る得体のしれない暗闇に飲み込まれそう誰か助けて
【 ....
ぼくはだめだ
傷ついてしまった大好きなあなたを
助けてあげることもできない
あったかい言葉をかけてあげることもできない
どうしてだ
心ではこんなに
ぼくのす ....
小さな世界の中で
自己満足という
落とし穴に嵌り込んでいた
仄暗い穴の中では
自分の声しか聴こえてこないから
これが世界のすべてだと
信じてきっていた
たぶん
わたしは小さな蛙 ....
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