ひらべったい男がいた
ひらべったい顔
ひらべったい躰
ひらべったいネクタイ
ひらべったい挨拶
ひらべったい犬を飼い
ひらべったい車に乗る
ひらべったい紙幣を数え
ひらべったい歌をうたう ....
冷たい風にマフラーが揺れた
通いなれたいつもの帰り道で

何度も今日のこと思い出して
都合のいい解釈を当て嵌める

勘違いじゃなければいいな
頬が微かに熱を帯びていく

一人では抱え ....
君が歌だったら、いつまでも君を聴いていられる。
君が絵だったら、いつまでも部屋で眺めていられる。

だけど、君が人間でよかった。

僕の想像を越えていく、
歌にも絵にも留まれない君でよかっ ....
そもそも人間は
電気が無くても何千年と生きてきたのに
電気が無いと生きられないというのは変だろう

生きるための労働が
電気を使うための労働に変わってしまった
電気が停まったら孤独死してし ....
キミが折った舟が
わたしを載せて
すべるように小川を下る
冬にさしかかれば
時間が凍らないようにと
祈る
どこへ向かっているのか
きけばよかった
それはたぶん大切なことだったのだと
 ....
{引用=
つやのある蟻のような円らな瞳で、住みついている栗鼠のようにや
さしく微笑みかける。いま柔らかな月光によって冷ややかにコーテ
ィングされながら、か細く流れる川の音のようにやさしくせせらぐ ....
しょっぱいよね涙は
あまい涙を流したいな
夜は来て
わたしたちは眠った

愛と またべつの愛とのへだたりや
手が届きそうな不幸
甘いざわめきと
ぺかぺかの看板


星の位置がちがう、
と起き出した
あなたの
頬が氷 ....
私は、書かない。一文字たりとも書かない。何があろうとも、絶対に、絶対に書かない。

あの春の出会いについて書かない。
あの夏の思い出について書かない。
あの秋の大喧嘩について書かない。
あの ....
23時 死にかけの今日を夜にかくして
なめらかにまぶたを引く
私たちの夜 私たちの今日 私たちの23時

もうすこし愛せるのに と思うと
踏み外す
もう食べられないと言ってるのに
蟻 ....
幼いころ、友達と一緒に
崖の上から見下ろす港に向かい
よく小石を投げて遊んでいた
何度も何度も石ころを投げた
そんなことを繰り返していたら
いつの間にか投げることが得意になった
父親がわた ....
詩を紡ぐということは
裸にならなくてはいけない
恥ずかしがっていては
心の襞は描けない

素っ裸にはなれない
野暮な言葉を並べたくはない

ええかっこしいが邪魔をする
綺麗な言葉を並 ....
うす紙には夕陽がのっていて
握ると、あわい音がした
ただわらっていたかった部屋で
むりに言葉をはきだすと
それはすごく汚れみたいで
いそいで手を洗いにきたのだが
石鹸は嘘でできていて、 ....
早朝の駐車場
誰かが捨てたごみ袋を丁寧に
カラスが広げている
コンビニ弁当の容器や紙クズを
ひび割れたコンクリートの上
器用に嘴を使って


秋晴れの清々しい空の下
目ぼしいものはな ....
遊歩しよう
忘れられた花園を
青ざめた果樹園を
影色の桟橋を
空中に漂う墓標たちのあいだを
谺たちが棲む迷宮を
天使の翼のうえを
玩具箱の中を
空へと伸びつづける孤塔の尖端を
傷だら ....
止まない雨のせいで
人の心が落ちてく

深い水底に
ひとり

またひとり
ゆっくり沈んでいく

かかる電話は悲しい知らせ

孤独と孤独を結ぶ線のはずなのに
聞けばもっと孤独にな ....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
わたしは、むかし、少女で、女なんてもってなかった。
街灯も、ベルも、雑誌にのってるカフェも、おんなじように憎かった。
破綻した恋をしていて、みじめで、ときどき幸福だった。
だれも、わたしじゃ ....
街の粒子が風にのると
夜はやさしくて
うさぎたちは眠ってしまう
はとも
くまも
金魚たちも

ぼくたちだけが起きている
あまりのさびしさに
抱きあうこともままならず
気をぬくとすぐに空が裂けて
わたしのねじれに触れてくる
どんなにながいスカートを履いても
どんなにきつく紐を結んでも

許されない許されない
それは 味のないガムみたいにはりついて
 ....
雨のなか
であったくまとねこは
べたべたに濡れて抱擁をした

たばこを吸いますか?
とねこは言った
ええ、いいえ、わたしは。
とくまは言った

雨樋を水が
のろのろはしっていく ....
ママほしをとってきて はーちゃんちいさいからてがとどかない
むすめの背も手もたしかに小さくて、でもかんたんに星に届きそうな気もするけど。
わたしにも届かない、あれはとても遠くにあってだれにもす ....
ついた嘘にみあうだけの歯車が
回転数をあげてじるじるまわっている
夜はいつまでも濡れたままだ

世界がやさしいのに慣れてしまって
ベランダに石をならべる
それはわたしのものにならないし ....
むすめのひざや足の裏はしっかり厚くなった。ひとり掛けのソファにすわってテレビをみているところなど、すっかり人間ふうだ。わたしは鏡をみるのがきらいになって(太ったまましばらく戻らないから)、自分の顔 .... 愛している
眠りのふちに
ぶらぶら腰かけて
バタをべったりつけたパンに
蝶々をはさんだ夕食
さむい土地であなたは育った

そこではさくらも連翹も木瓜も
いっぺんに咲き
いっぺんに ....
わかるのは、わからなくてもいいようなことばかりだ。
ききょう、ぴなぴなして頼りない花びら。ここにいる前に、どこにいたのかわかる。前にいた場所からここまでも、きっと歩いてきたはずだけど、どう歩いた ....
自販機で水を買う
百円の小ぶりのペットボトル
冷房の効いた車輌を待ちながら
冷たい水を飲む
汗が額から頬へ伝い
顎で雫となって
滴る
あたたかい風が吹き抜ける
ホームの日陰で
私は息 ....
東の窓は開いていて
陽のあたる床はささくれていた
暑さでひび割れた落雁と塩

花や空と比べるにはあまりにも浅ましく
水や音と並ぶには濁っていて

会えない体で生温く生きていても
 ....
おーい と
夢が呼んでいる
稲のなかで
緑色が発酵していく

背中の真ん中をいく夜を追って手が伸びる
それを愛撫と呼ぶかもしれなかった
世界の稜線に
日が沈む

ぎりぎりと 音 ....
  どこかの駅で
  列車や言葉や人影など


  待っていた
  観念的な雪を肩に
  積もっていくにまかせ


  けれど沈む日の悲しさだけは
  わたしたちを灼いてい ....
まーつんさんのおすすめリスト(3356)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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あまい涙- イオン自由詩3*17-12-24
星の位置- はるな自由詩517-12-24
書かない。- 水宮うみ自由詩10*17-12-22
23時- はるな自由詩117-11-20
海に向かい小石を投げて遊んでいた- 星丘涙自由詩3*17-11-3
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デジタル2- はるな自由詩217-7-19
生えぎわ- はるな自由詩217-7-5
くまとねこ- はるな自由詩417-6-28
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あるいは鉄や果物かもしれないもののこと- はるな散文(批評 ...417-5-19
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愛撫、稲のなか- はるな自由詩416-8-11
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