あなたは誰にも見られない所で
何をしていますか
愛するひとに手紙を書いていますか
あなたは誰にも見られない所で
何をしていますか
まだ手にできない夢を得るために
そのための切磋琢磨をし ....
もしも鳥だったら?
あたしゃ、きっとペンギンさ
灰色の空を見上げるだけのペンギンさ
あたしはまだあたしの咲く場所をみつけられずに
風のなかを漂っている
まるで帆を失った帆船のような気分で
風まかせで漂っている
どんな花を咲かせようと若い頃から想いつづけてきたわ
それなら ....
きょう一日をやりおおせた
とおもうのは
はげしい気もちをした日とか
ふかく考えをした日とかでなく
よっぽどの働きをした日でもなく
さるすべりの花の咲いてあるのを数えたり
五つからな ....
手を振って離れた
あの夏の暮れどき
街の声にまぎれた
当たりまえの毎日
息をのむほどに
あなたの黒い髪は
ただ静かだったから
赤、
....
雑草にも
名前はある
銃
たとえば
装填されていない銃ほど
うつくしいものがあるか
街、
羽を抜かれた鳩が飛ぶ
仰向けで泳ぐ魚
黒鍵のないピアノ
銃
引き金を引くときは
かわくほど目 ....
ぼくは効率を好まない
いや嫌いだと言っていい
理由は簡単だ
ひとが物として扱われるから
ただ利益や成績を上げるために
心のない物として扱われる
ひとに取ってそれは理不尽と呼んで ....
こわれたラジオの部品とか
いろんなガラクタくっ付けて
こさえたぼくの宇宙船
飛ばないことは百も承知さ
けれども心は飛んで行く
誰も知らない惑星へ
わたしたちは飽きもせず
あちらこちら ....
きのうのよる
ゆめをみたの
あたしのおじいちゃんと
うどんやさんにはいって
なにをたのもうか
めにゅーをみていたゆめだった
あたしはまだかんじがよめなくて
よめるきつねうどんにすると ....
ポエケットではなくエアポケット
チケットのない旅を君と
母が亡くなって最期は点滴でも間に合わない
栄養失調のまま昏睡状態で逝った
体格のいい人で骨壷に入りきらずに
納骨の係りの方に
....
あなたへ直線をひけないので
円をかく
今日も円をかく
それほどまだ情報が発達していない時代
町の駅前ショップ
一枚がとても高く
気軽に買えたものじゃなかったけれど
流行りものには流されたくなくて
出来るだけ自分の感性を信じて
小一時間そして二 ....
めまぐるしく変わるのろーてーしょん
さっきギターかかえてロックンロールやってた
双子のH兄弟は
O嬢と合流してみずみずしいあたらしい恋ものがたり
あたしは遊園地の遠心分離機でぐるぐるの目眩 ....
わたしは遠く故郷に忘れてきた
美しい風景を見ようとしたが
目の前に大きな黒い岩が立ちはだかって
見渡すことができない
岩の上によじ登って
遠くを見ようとしたら
岩が動き始めた
大 ....
花が咲いて
枯れるくらい
自然なことなら
実も成ったかしら
わたしたち
日も浴びず
水も貰わず
季節を泳ぎもしなかった
朝焼けを閉めだして
つくった夜に
プラスチックで ....
この珍味は何で出来ているかは正確にはわからないらしい
デパートなどに行くと稀に売られており
かなり値段も高く私もこれまでに一度食べたきりだが
とにかくすっぱい
首がもげるかと思うほどのけぞ ....
体をねじる
吐き出すどこまでも
体をのばす
念じるいつまでも
内側からほとばしる
飛び散る私は幾つにもなり
解き放たれたよ
ほら
赤ん坊は何故生まれてきてすぐ泣くのだろうか
それはやさしい世界から厳しい世界へと来たことを
すでに知ってしまうからなのだろうか
生の悲しみをすでに知ってしまっているからなのだろうか
....
私はここに存在している
どんな時も
あなたが頁をめくれば
私はここに存在している
あなたが笑っている時もあなたが泣いている時も
私は笑っているあなたを泣いているあなたをここから見ている
....
路地裏の子供たちに混じって
じぶんをせいいっぱい主張するそら君
機関車トーマスが仲間らしい
いつもよだれや涙がいっぱいのそらには
お菓子やいちごやそんないれものもあるんだろうね
そう ....
夜半、
食器棚の中に
銀色の双眸を宿した
生温い女がはいっていて
その白い吐息は
ガラスの扉を曇らせていた
他にはいっていたのは
腐っ ....
あなたの狭い部屋の
ヤニ臭いキスと
ヤニ臭い枕
抱きしめられるたび
ごんごんと揺れる古いギター
それは嫌い
私のしかめ面に
気づかない ....
よるに
向かいあって
ぎざぎざした
あさが来てもまだ
ぎざぎざした
こころが
溶けあわないので
せめて
からだだけでも
と
寄りそってみても
ぎざぎざした
月が
....
夕焼けは葡萄酒
そしてウミネコたちは翼を広げる
水平線、
海と太陽が
昼と夜を描き分けるその場所で
羽ばたきは燃える
わたしの視力が
永遠に追いつけないその場所で
世界の一部始 ....
ヴェイロンにぶつけて変な汗拭う
戻り梅雨エーマイナーのアルペジオ
花魁の廓詞や冷やし酒
ポン酢だけ持って烏賊釣り参加する
黒猫が見つめる先に熱帯魚
バスを待つ時間 ....
なぜ命を賭して戦場に赴く
記者や写真家が存在するか
それを紐解くのは簡単である
彼等はメディアを信用できず
メディアを利用してパスを取得して
自分の心と眼で真実を見ようとする
....
街の大通りには貧困が陳列されている。
それにはタイトルは無く、
表情はいたって量産的だ。
小銭入れを持たない僕は、
あまりたくさんの小銭を持ち運べず、
道行くホームレスに ....
鳥は
重力に抗して空に舞う
ロケットもまた地球の引力に反して
宇宙に飛ぶ
さて、人は
人の叱責に打たれ あるいは 人の暴言に傷つき
死んでしまったりする
その時、人は他人という重 ....
氷がとけて
カラカラまわる
扇風機の羽がとんでいく
いくつもいくつもとんでいく
レモンイエローそそぐよ光
玉粒の汗が夏の匂い
浴衣姿が綺麗だねと
寿司屋の前で ....
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