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 つぶれた靴を
 見ていると雨を思い出す
 ほの明るい 窓硝子のむこう
 僕の心が僕の心に変わっていく
 その間も絶えず 雨は降り続けている
星のような脆さで光っていた
鳥達が言葉を持ち
海を渡っていく
変わっていくことが分かっていた
愛だっていつか干上がるだろう
けれども僕たちの生活は
今のところまだ
星のような脆さで光 ....
ニュースを見る
テレビを消す
洗う手を
また汚れる

最悪だと思う
お前もお前もお前もお前も
同じように最悪だと思う
でも自分はそれよりももっと悪いと思う

女になったり親にな ....
 中空にほうった
 ボールが手元に戻ってくるように
 一日が 終わった

 熟れた光が実をつけては
 落ちていくのを
 潰れるのを

 目で 追っていた
 銀の線を引いていく飛行 ....
 魚が数匹
 日の光になって
 頬の上を泳ぐ

 問われては 答え
 答えてはまた 問い
 感情の影に貌をかくして

 問われては 答え
 生まれてはまた 息絶え
 命あるもの ....
朝の迫る 小屋の中で
瞼のない鶏が 夢を見ている

句点の間に
翔び 落ちて
読点の染みになる

それは
憧れ 贖い
取るに足らない
それでいて
代えのきかない
祈り

 ....
よろこびが
泳いでいく
喜びが綻んでいく
赤くなりたかった
いっそ黒でもよかった

砕けていく
喜びのなかで
誰かになりたかった
 何も言わない
 読点のような皿を洗う
 燃え終えた数本のマッチに
 年々似てくる
 僕の記憶

 日をうけて
 影になっていく 木
 振動する沈黙 かなしすぎるほどに
 決して ....
 赤い葉が 二、三枚
 枝に残っている

 ここに
 光が建っている
 秋 水辺にいるみたいに
 薄く 目を開けて
 飛沫を 頬に浴びて
 無害なことばかり話す有害な人
 舌先から 論理が涎のように垂れて
 皺くちゃのスーツに染みをつくる

 キミに足りないのは嫉妬心だよ
 そう言われた 丸ノ内線の車内で
 他人か知り合 ....
 アーケードを沢山の人が歩く
 なにも考えていないときの
 脳内のような光景

 半透明な意識が血管を流れていく
 言葉がダマになってそこかしこで死んでる
 ふと 誰かの気配を感じて振 ....
 昨晩 新宿で友人と呑んだ
 バーでは若い男女が
 資本主義の終わりを論じていた
 会計前に女はキスをせがんでいた

 友人は家庭に問題を抱え
 僕は三十七で 家庭を持たず
 僕らは ....
そして医者がわたしのカルテに新しい病状について書き込んでいる
その手元を盗み見るがあまりの悪筆でまったく読めない
日本語ではないのかもしれない

秋が失われて久しいのだけど
秋のことは覚えて ....
 目が覚めると異様なほど口中の渇きを感じることがある。一滴ずつ唾液腺から舌で唾液を促し、口中の渇きに唾液を塗りたくる。いったい俺の体はどうなってしまったのだろうか?そんなことを最近感じる。
 鏡の中 ....
それの終わりかけに、
べつになんにもいらなくて
あなたを困らせた

ふつうに愛せたら良かったとおもう
グラスに入れた氷が溶けていくみたいにとか、
生けた花がだんだん萎れていくみたい ....
眠、覆い、考えられるかぎりのイメージ、それから細いタイヤ、太いキーチェーン、議事録、半円状の、氷、「実際よりすくなく感じられる」

どれくらい必要だろう?
どれくらい必要だろう、遠くなってい ....
いったいぜんたい どんな夢なら
許されたっておもえるだろう

まるで裸のような知識で
作られた海を泳いでも
向こう岸はおろか
あのみえてるブイにもとどかない
かつて太陽目がけて投げ上げられた一振りの剣が
この日祭りでにぎわう往来の真中へ落ちて来た
剣がひとりの人を貫いて固い地面に垂直に突き刺さると
群衆は一瞬凍り付き すぐにその場から逃げ出そうとした ....
あと2分しかないよ と言われて
あなたは詩を書きはじめる

あと2分、と言われてわたしは
あなたのことを愛しはじめる

安らかなのは
2分後に
ぜんぶおわるのがわかっていること ....
ヤマメは今月で終わり

本流のニジマスは今年いっぱい

仕掛けを選び

竿を選ぶ

その{ルビ逞=たくま}しさに負けぬよう
 霧が匂う
 隠された風景の先を見ている
 霧はたえず
 その気配でただようしかなく
 歩み出れば崖っぷちに咲く野の花の細い茎を
 つかむような愛ならば

 もはや私に 
 緑なき ....
底抜けの淋しさにあてるために
壊してもよいおもちゃを探してました
そこへ来てあなたが、
きちんとあたたかいものをお食べよ。などと言えば
てきめんに恋をおぼえます

見覚えのある言葉が
 ....
しばらく忘れていたけれど
文字を書くのが楽しい

もう言葉に意味なんてなくて
ただの手遊びだけど

紙とペンさえあれば生きていける
なんて自慢げに話しながら
必死にしがみついてたあ ....
時折

バキッと音がする

幻聴かと思っていたら

或る日気づいた

それはぼくの心の折れる音だった
  淵にいて
  くるくるとまわった
  すごく晴れてた


  池があった
  水に 日もぼうと浮いてた
  ぜんぶ本当にあった


  淵にいて
  かなしさから
 ....
からだに良い毒と
わるい本当をひと匙ずつ
掬って舐めたら昏倒だ

他人の言葉で計る幸福
焼き切れない過去
最後の合図の前に
甘い
嘘をついてくれよ
ライトブルーの空
すこうし白をのせた色
あの色を知っている
埠頭に咲いた可憐な花もまた
無邪気にすみわたって
人の秘密をあらわにさせる
そんな色をしていた
或いは
指を彩る鉱石もまた同 ....
わーい春のさかさま
黄色い花を摘む
卵を買いに行って
転んで帰ってくる

いつかまたここに来ようねって
言ったそばから消えて行った
ちいさく、ずるい人たち

どんな歌も届かないよ ....
この町のどこか
古いアパートの
薄暗い部屋の片隅にひとり
力なくうずくまっている
私を見つけたら
無駄な足掻きでもよくやったなと
労ってあげてください

あるいは
都会の真ん中で、大 ....
手のひらに載せたガラス瓶の中は不可思議な水で満たされていて
米粒ほどの数匹のさかなが泳ぐ
ここで生まれてここで死んでいく
生殖も食事も排泄も
すべてのことがその水を介して完璧にめぐっていくのだ ....
まーつんさんの自由詩おすすめリスト(3067)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
自分(2024.11.29)- 草野春心自由詩324-12-19
脆さ- はるな自由詩624-12-17
最悪- はるな自由詩324-12-16
軌跡(2024.11.10)- 草野春心自由詩5*24-12-14
魚(2024.11.06)- 草野春心自由詩524-12-10
鶏小屋- はるな自由詩624-12-4
よろこび(3)- はるな自由詩224-12-3
何も言わない(2024.11.03)- 草野春心自由詩624-12-2
プールサイド(2024.11.24)- 草野春心自由詩5*24-11-28
涎(2024.10.31)- 草野春心自由詩424-11-25
アーケード(2024.10.30)- 草野春心自由詩224-11-24
資本主義の終わり(2024.10.27)- 草野春心自由詩424-11-21
カルテと文鳥- そらの珊 ...自由詩13*24-10-26
疎林- 山人自由詩9*24-10-11
花瓶- はるな自由詩324-10-9
どれくらいの雨が必要だろう- はるな自由詩524-10-8
ブイ- はるな自由詩224-10-7
影か揚羽か- ただのみ ...自由詩3*24-9-29
2分- はるな自由詩424-9-27
五行歌_【渓流】大物狙い- レタス自由詩8*24-9-21
Reason- リリー自由詩15*24-9-20
玩具- はるな自由詩424-8-15
.txt- mizunomadoka自由詩624-6-21
- HAL自由詩3*24-6-1
淵の話- 草野春心自由詩324-5-14
- はるな自由詩224-3-30
春はうたう- そらの珊 ...自由詩10*24-3-27
さかさま- はるな自由詩524-3-26
伝言- ヒロセマ ...自由詩12*24-3-25
小さなさかなの物語- そらの珊 ...自由詩14*24-3-24

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