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たしかな春の日差しを得ました。土曜日、風は必要以上につめたく、でもそれよりも空気のなかに溶けている季節がしきりに春を叫びます。わたしたちは指先をひんやりに染めながら、ねえねえ来たよね、これだよね、と笑 .... また体の向こうがわで文字が跳ねている。戻っておいで、戻っておいでって思いながら見つめていると溶けて行ってしまう。さきに起きた娘が炭酸水をのみながら、まだ眠ってていーんだよ、と言う。やさしい。朝から .... わたしには、これが、生活なのか、感情なのか、問題なのか気の迷いなのかもうわからず、砦のように敷き詰めた綿の部屋で、あとからあとから湧いてくる埃を集めて捨てている。壊れた予測変換機能付きの思考、締ま .... ふたが空いてしまう。
でも、鍵はしていなかった
おもたいふたでもなかったし、
あかない理由もなかったのだ。

蓋が開いてしまうと思う。
水がたくさん入っている。
それから間違えも入っ ....
 財務省と結託している緊縮財政派の御用新聞が、今度は日銀の保有国債に含み損が生じたと騒いでいる。日銀が債務超過になって破綻するとでも言いたいのだろうが、ここまでくるとザイセイハタンガー的オオカミ少年だ .... そして、見知ったような街で生活している。
すべての箱を開けて、埃を拭い、それなりの場所に配置して、箱を潰しきるのには5日あれば十分だった。そのあとは右のものを左に動かしたり、左のものを上へ持ちあ ....
幼い頃からわたしは低能児だった。
小学生一年から六年までを通して通信簿は全科目がすべて1。
それだけならよかったが小学三年生のときだったか教室でみんながおとなしく勉強をしているときに
わたしは教 ....
額に、頬に、指先、肩に、下腹に、クリームをすり込みながら、世界が嘘になった時のことを考えている。もしくは一時本当だった世界のこと。いま飾ってあるのは、八重咲きの小さいオレンジ色のすかし百合、白に赤 .... 幸福でいることを、なにかに当てはめようとしてしまう。渇いている理由を知るのとおなじに、幸福である理由を、幸福でいてもいい理由を。階段を降りていく夢を見て、涙の乾いてまぶたが開けられないで朝。ま .... 必要なのは、ひろい思考とおもう。
ひろびろとあかるくつめたく心地の良い部屋。
しかもいつどこにいてもそこに行くことのできる。
わたしはふだん灰色の部屋にいますが、
そしてその部屋にはドアー ....
祈りを焚べる、夜、朝、昼にも。
あ   というまに夜になってしまう。秋だもの。だから真っ赤な落ち葉をなん枚も拾って持ち帰る。でも乾いて暗くなってしまう。暗くなると、あかりが余計まぶしく白くみ ....
正直なところ、たしかに生活することは悪くない。湯を沸かし、布を洗い、床を磨き、花を飾る。娘の髪を梳き、夫の靴をそろえ、ときどき、外で花を売ることは。
どうしても今日死ななければいけないのに。とい ....
このベランダにはほとんど雨が吹き込んでこない。建物が林立しているために風が入り込んでこないのだ。降っていても裸足で出る、湿ったタイルの心地、むすめが背中にぴたりと張り付いてくる。
咲いた蘭、いく ....
ここの部屋の、窓からはマンションがたくさんみえる。いくつもの長方形が、かさなる長方形が、夜になれば灯る長方形が。空はすこしみえる。直線で区切られたいびつな図形として。
ニュース、書いては消し、裏 ....
週に3回か4回、自転車を15分こいで通っている花屋は大型マーケットのすみにあって、だからか、こういう時期でも営業を停止しない。でも場所はあんまり重要じゃないのかもしれない、街のなかにある花屋をみる .... ばかなねずみは、りこうなねずみとちょうど同じ数だけいる。
ぼくたちはばかなねずみで、たとえば角砂糖が落ちているのをみつけてはわあっとかけよって、けんかしながらあっと言う間にたべてしまう。そうして ....
わたしのむすめのすごいところのひとつは、ドーナツの穴を食べられるんです。
あるときわたしがおやつのドーナツをかじりながら、「いつだってこの穴が消えちゃうのがせつないよね。」と言ったら彼女は「 ....
夏がきましたよ。蝉!(叫ぶむすめ)。
都立高校の窓から吹奏楽の演奏が落ちてくる。七月盆が終わって、売れ残った竜胆と蓮の葉。
水をはじいて光を跳ね返すような色の濃い夏の花たち。一年半とすこし働い ....
アネモネがばあっと咲いてる道があったんだよな。四月で風もつよくて、ひざしがばからしく春めいて。花のこと知れば知るほどかなしくなるような気がする。物事って、知れば知るほど仕方なくなる。めりめり泥に飲 .... 箱がたくさんある。
現実にも想像上にも、自分のものも、むすめのものも夫のものも。怠惰な感じのする春の日差しの真中にわたしのそれを置いて、みる。日差しは多くの物事を明らかにする(もし私達がそれを望 ....
金魚がうちにきたとき、はやく死なないかなとおもった。
かならず金魚は死ぬので(わたしよりはやく、それはほとんど確かに訪れる)、早いほうが良いようにおもえたし、単純に生きてるものが、夫と娘と自分以 ....
黄色い布張りの表紙のノートは母が買ってくれたもので、すらすら嘘を書くのにつかった。
三週間連続で書きこんだり、7ヶ月間開きもしなかったりしながらで13年経ったのだ。時間と手垢で沈んだ黄色。
ず ....
10月はさびしい。コーヒーカップにのこるしま模様、イヤフォンごしの喧騒、チェックのスカート、ブーツ、冷えゆく空気をおし返す陽射し。猫たち、痩せて、鳴いてもよわい。指輪を磨くシート、洗剤とシャンプー .... 物語たちはことばのうしろですでに出来あがっている。辛抱づよく待っていてくれるのだ。それはつよくてさびしくてやさしい。
みどり色のオアシスのうえに花を作っていく。わたしの指は傷傷して汚れて、それは ....
素麺と豚肉と茄子の煮たのと味噌汁ととまとと胡瓜と梅干しとご飯と納豆とひき肉冬瓜と青菜の浸しをたべたら作り置きの惣菜がもうないから卵を焼いて豆をもどして、もどしてるあいだに卵はたべてしまうしもう一度 .... 世界は暑くなりすぎだね。っていうあなたの涼やかさ。シャツのなかに風を飼ってるみたいで良い。
そうだねってわたしは言うけど汗でべたべたになった手がすべってつかまってられない。わたしは季節をすべりお ....
むすめに小花柄のワンピースを着せたので、自分は紺色の格子のワンピースを着る。ふくらはぎまで裾のあるざらっとした生地の。雨は降ったりやんだりする。
「びしょびしょになってもいーんだよね」ってむすめ ....
ベランダと窓とレースのカーテンをはさんでみるひざしはやさしい。5階からみる中くらいの街なみも。
駅から歩いてくるだけでもたくさんの花がみられる。うすいオレンジ色のぺなぺなしたひなげしとか花水木と ....
まちに心をゆるすのって何日目くらいだろう。300日とか、500日とかそのくらいかな。冬の洗濯物のにぶい色って、(…)。休日は気がゆるむからたいてい体調がわるい。
むすめはソファで寝ている、なんか ....
わたしは、むかし、少女で、女なんてもってなかった。
街灯も、ベルも、雑誌にのってるカフェも、おんなじように憎かった。
破綻した恋をしていて、みじめで、ときどき幸福だった。
だれも、わたしじゃ ....
まーつんさんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト(142)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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メモ- はるな散文(批評 ...524-2-19
綿の部屋- はるな散文(批評 ...123-12-1
メモ- はるな散文(批評 ...523-11-13
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取るに足らない嘘のこと- はるな散文(批評 ...422-11-17
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メモ- はるな散文(批評 ...621-11-17
メモ- はるな散文(批評 ...321-10-23
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メモ(いくつもの呪い)- はるな散文(批評 ...1120-7-7
メモ- はるな散文(批評 ...620-6-12
メモ- はるな散文(批評 ...520-5-4
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メモ- はるな散文(批評 ...619-10-1
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