絵の具の声が
はじめて油絵具を手にした少女には 聞こえた。
「恥じるな ためらうな チューブから色を ひねりだせ」
開封し、すこしだけ色を出してはみるけれど、ぬっちょりとした色があるだけの
そ ....
降り注いで
優しさの定義
事実で救われるのは
ほんの一握りの時間だけ

わたしの耳に届いていたの
存在し続けることに
疲れた叫び声が、確かに

土踏まずで花を踏む
残酷さを拭いきれ ....
退院の日は花冷えがした。うちにかえってきたら隣家の夫婦がやってきて、それから、いとしい宝籤は(宝籤は母と父が飼っている黒い犬だ)、尻尾を―先端だけがほんのわずかに白い尻尾―ちぎれそうに振って鳴いて .... その漆黒ボディの目的は何かと問われても
生まれつきだから上手く答えられやしない。
私はご存じのとおりどう見てもコーラだよ。

このボディが理由で困ったことなどないね。
言っておくけどもこのボ ....
奪われた事を知った夜は、窓辺に腰掛けて月を見ていた。
初めての恋で僕は嫉妬を覚えた。
奪っていったのは僕の親友だった。
よくある事だよ、と笑った月が恨めしかった。

何も知らなかったのは ....
水彩の草原に僕はひとり仰向けで、
空をゆく雲を見ている。
淡い太陽の光を縫うような、
ぼやける事のない雲の輪郭を僕は指でなぞった。

寂しくなんてなかった。
なんとなくの不安を誰かに知 ....
(一行詩集/  ハァモニィベル「一行の夢」 )


          【一行*夢】
             *

一行の人生が、いま、谷底へ向かって続いている。突然、愛という文字が、両 ....
人は人生を

 (因果因果)と

   押して行くんじゃなくて

 (果因果因)と

   押され続けて、

 生きてゆくような気がする・・・。
私は卵を毎日産む
優秀な鶏
多くの同胞と同じように
一羽ずつ
ケージの中で大切に守られ
整った環境で
健康に育てられ
栄養が 無駄な筋肉や
要らない羽にいかないで
卵のみに集中するよ ....
俺は今夜も酒に呑まれながら








(ヒドイがぶ飲みで)




 ....
  羊の影が
  小径を歩いて行くのがみえた
  人も居らず ごみばかり落ちている
  その小径は雨の臭いに満ちていて
  もう
  まもなく、
  日暮れが訪れる
  マフラー ....
横波 縦波 渦巻く世界
肩肘張って働いて
お疲れなんでしょうね
名も知れないゆきずりの肩に
頭を預けてしまって
安心しているあなた

満ち溢れる心労を
化粧に隠していても
あなたの髪 ....
セバスチャン、これが先割れスプーンよ
僕の記憶はこの言葉を最後に消えている。

豆腐ハンバーグを食べていたのは確かだ。
肉と大豆のコラボに心踊ったのも確かだ。
そして先割れスプーンを手にした ....
耳につっこんだイヤフォンから
流れでるメロディとともに
バス停にたたずむわたし
の前を
容赦なく通りすぎていく
乗用車たちよ
ボリュウムをあげて対抗するわたしを
笑っているのかい

 ....
苔生した岩が目覚めの胸を押し潰す
浅瀬では精霊の呼び声がまだ響いているので
安らかに泉に潜り込む
カーテンの隙間から立ち昇る朝が角度を傾け
夢の泡を貫いてくる
惜しみながら深部を反転したのち ....
  古い蝉が、この部屋の
  窓に貼付いて乾いている
  色々なものが置かれていたが
  結局ひとつもとどまらなかった



  きょうの月は、頼み方しだいでは
  ベランダに ....
桜はやはり山桜

群れず

誇らず

立派であることを強いられていない

そんな桜の下ならば

ほどよい夢を見られそう




--------------------- ....
桜など本当はどうでもいいはずの
酒を飲んで騒ぎたいだけの花見客どもが
急に降り始めた雨に悪態をつきながら
しかしどこかしら楽しげにはしゃぎながら
コンビニの中になだれ込んでくる

最近テレ ....
{引用=  /とけた猫
 
  コバルト色の階段をとけた猫がつたっていく、春、うつむくこと
  は似合わない、踊る石と、まだ眠りから覚めない風を抱いている、
  きみには。

   ※
 ....
人が言葉に触れれば

それは音を立てて崩れ去るだろう

・・・人間というのは日常性の中に

埋没する為に存在しているというのか

人が音楽に触れれば

それはすぐに ....
窓を開けると練馬インターが見える
皆ここからどこかへ行き
或いはどこかから帰ってくる
けれどこの街に立ち寄るわけではない
行き過ぎる人たちの中心に僕らは住んでいる

引っ越してきたばかりの ....
      その日、私ははじめて人の死体
を見た。いまからおよそ十年前、三月二十六
日の金曜日のことだった。もちろんそれまで
にも祖父や祖母のそれぞれの葬儀に立ち会っ
たことがあるが、その時に ....
押してもダメで引いてもダメなドアは
最初に押したからダメになった

閉じた気分を開いても
誰もこっち向かないのは
それと多分おんなじ

見てわからないものが
聞いてもわかんないのは ....
はじめて宿泊した日は
洗いざらしのシャツとジーンズで
いつ帰るか予定のないひとり旅だった
大きなリュックを背負い
フロントまでの階段を登った



しばらくして
宅急便 ....
死ぬなら一つの未練を残して死にたい
未練なく死んでしまうと
自分がいた世界を忘れてしまうから

楽しかった事や悲しかった事
みんなと一緒にいた
大切な日々を忘れたくない

もし生まれ変 ....
  机に載っていた、何枚かの
  便箋は すみれ色をしていた
  グラスに注がれた玉蜀黍茶を空にするまで
  夕焼けをわたしは眺めていた……飽きもせずに
  複雑そうなものごとが、ほん ....
「会社が潰れるかもしれない…」
夫が青白い顔でポツリと言う

「そう。じゃあ、じたばたしても仕方ないわね」
私は、パッションフルーツ入りの
プレミアムヨーグルトを食べながら答える
視線はス ....
今日は土手を歩く
土手を歩いて風を数える
おまえと 僕と
懐かしい春の風を行進する

川面の丸い光を
後退する四角い針の葉の林を
居眠りする土手の潅木の列を
風はまんべんなく揺らして渡 ....
僕達が存在しないのは

僕達が交換可能だから

僕達が存在するのは

僕達が一つの虚像だから

僕達は自分達を虚として演出する時のみ

この世界に存在する事を許される

もし、 ....
壊れた花がぱらぱらぱら、と舞っている

マヨネーズのチューブを向け、押し出した

その時に思いついた歌

👇

夏休み
透きとおったオレンジ掴んで投げた
おばあ ....
まーつんさんのおすすめリスト(3356)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
血管少女- るるりら自由詩15*14-4-23
土踏まずで花を- 茜井こと ...自由詩3*14-4-23
満足- はるな散文(批評 ...514-4-23
祝福するコーラ- ブルース ...自由詩3*14-4-23
月の涙- ヒヤシン ...自由詩3*14-4-23
水彩画の少年- ヒヤシン ...自由詩10*14-4-23
一行の夢- ハァモニ ...自由詩3*14-4-23
【短詩】因果- ハァモニ ...自由詩2*14-4-23
白色レグホン- Lucy自由詩20*14-4-22
どうしようもねぇな- TAT自由詩3*14-4-22
羊の影- 草野春心自由詩914-4-20
私の肩を信じるあなたへ- イナエ自由詩15*14-4-18
先割れスプーンは知っている- ブルース ...自由詩5*14-4-17
遠い日の歌はバスにひかれる- 茜井こと ...自由詩6*14-4-15
◎ある日- 由木名緒 ...自由詩13+*14-4-12
古い蝉- 草野春心自由詩1014-4-10
風に吹かれて- 眠り羊自由詩114-4-8
PINK- 大覚アキ ...自由詩1014-4-5
春へのコラージュ- 草野春心自由詩914-4-3
世界よ_滅びろ- yamadahifumi自由詩114-3-30
練馬インター- 馬野ミキ自由詩6*14-3-29
三月のドキュメント- 岡部淳太 ...自由詩314-3-26
????- 竜門勇気自由詩214-3-25
ホテル_ハット・ウォールデン- 鵜飼千代 ...携帯写真+ ...13*14-3-25
好きだから- リィ自由詩4*14-3-24
すみれいろ- 草野春心自由詩814-3-23
プレミアムヨーグルトを今日も買いに- 夏美かを ...自由詩31*14-3-23
土手を歩く- オイタル自由詩4*14-3-19
独りじゃない- yamadahifumi自由詩114-3-18
夏がきた- まきしむ自由詩214-3-17

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112