英字新聞読んでいるふりしている 雨の日はビー玉に

世界を映して覗き見た。

このビー玉をくれたのは知らないおじさんで

両手に溢れるほどの色とりどりのビー玉をくれた。

雨の日は透明。

夕暮れは橙 ....
特別養護老人ホームで
夜勤のアルバイトをしている

夜勤明けに施設の門を潜ると
男子高校生が
度胸試しに
施設から出たゴミ袋
すなわち
うんこ山盛り袋にタッチしていた

元気な俺な ....
最近、本を読みすぎて、
多分、多分なんだけど、
オナニーしたら、
ザーメンに混じって、
文字があふれるはず。
そうだなあ、
「詩」とか「わたし」とか「語り手」とか、
そんな文字たちがあふ ....
制服は重かった
着る理由も教えられないまま
私たちはだれもが脱げなかった

なにかというと並ばされた
振り向いて
目があうことがこわくて
ホントウノコトがほしくてたまらなかった

大 ....
鷹の爪がむねを突き刺した  純粋が なあ 零れてたぜ
あくびがでる話さ 気長に旅支度しよう  人形は置いてってくれ
飲干した空き缶がぺこっとおじぎしてる なぜか 弱ってる
そんな不恰好な ....
サンデーバザールのあと
あらしが何度か通りすぎ
片腕の乞食が食いっぱぐれ
捨て猫みたいに骨と皮だけになって


水気で頬をいっぱいに膨らませた雲は
策略的なハンターの目つ ....
長袖ビュンビュン

半袖ぴゅんぴゅん

お洒落じゃないから同じような柄ばかりの

シャツたち

ズボンもこれからの季節はずっと

うねうねコーデュロイを色違い二本

これから寒 ....
雨がふるので
膝を立てて
まがった指で
生理用品をつけかえる

角に立っている男たちが花売りを罵倒している

走り抜ける街の多さ
どれだけ降っても
給水塔はふやけない

雨が ....
人は、一生の内に、何度謝るのだろう。
謝罪と、謝礼、どちらの言葉を多く発するのだろう。

皮膚が盛り上がったまま元に戻らない左手首の傷跡を指して
主人が言った。
「君は確かに被害者だ ....
やたらめったら起こる奇跡を奇跡と呼びたくない 人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く

そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも

ただしい角 ....
勝者のいないレース走らされている 可愛かった君が
台風になったと聞いて
かなしかった

あんなに可愛かった君が
なに食わぬ顔で
意味や 時間を
張り飛ばしていく

むかし
一緒にうたっていた歌を
はぐれた風に ....
 
あなたの言葉が わかんない つまんない

そんなんもわからへんのかとか

もっと、つまんない



 
「趣味は何ですか?」と訊かれて、「詩を書くこと」と答えるのは難しい。なんだかものすごく恥ずかしいし、そもそもたぶん、詩を書くことは趣味なんかじゃないと思っているからだと思う、心のどこかで。

  ....
  国
  という言葉がいま浮かんだけれど
  どうしたものか思案している



  一ヶ月近く洗っていない
  ランチョンマットには三箇所の染みがついているが
  それでも洗 ....
毎晩
息をふきかえす恋情の手をにぎって
墓場へつれていく

そうして
同じようにして来たあなたと
抱き合ってから
墓を掘り返し
うめる
ねむる人から
わずかに死がにおっている

うなじにくちびるをつけ
愛してやると
その背中に
にじむように命が動いている

ねむる人よ
安らかに
いまは死のふちをなぞっておいで
白けきった月にベッドが一つ、
そんな腕で枕になりきるのは
楽じゃない。
しかたなく押したボタンの副作用 瀕死のコイの心臓波うつ 往来へでて
てきとうな影をみつけては持ち帰るが
どれもやはりあなたではない

晴れた日には
いつもより多くの影が行き交うが
どれもやはりわたしではない

くもりの日
沸点をこえた ....
秋場所やバニーガールが砂かぶり 果実であると思ったそれは花弁であった
ひたすら内へ内へ花開いているのだ
そして紅く紅く熟れているのだ
いや、未熟な種と共に爛れているのだ
自らを限定してしまった
実の大きさのその中で
虚ろ ....
手のひらを
ひらいたとき
いくつもの時間が
そこで死んでいた

顔をあげると
いくつもの季節が
道路のすみで
凍えていた

ふるえる指で
拾いあげた
だれかの言葉は
死に ....
誰もいない
重ねる手も
合わせる膝も

誰もいない
目をとじても
ひらいても

波さえ
だんだん遠のいて

かわいたページを繰るように
日がしゅんと消えていった

誰も ....
  膝を折って
  床の上に散らばった
  数枚の紙の、種類をかぞえていた



  たえがたい白さは
  閉じたドアを容易くすりぬけ
  光へと落ちぶれ
  痩せた手の甲に ....
 透明な盆栽を両手で包み込みましたが、それは

嘘です。御免なさい。


いつも頭に被ってるのはなにか

考えてみると

渦巻きの中を吸い込まれて

問い詰める問題は君 ....
  精一杯
  わらい疲れたあとはさ、
  窓際にいってごらん?



  夜を徹して
  つみあげられた花が
  ひとときに燃やされてゆくからさ
  空のはじっこに
   ....
午後の床 殺意にも似た日焼あと

濡れた戸をひらいて閉じて行き止まり

食べかけの歯型ごと熟れ黄ばみゆく
まーつんさんのおすすめリスト(3356)
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英字新聞読んでいるふりしている- 北大路京 ...自由詩912-9-26
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