茹でてふやけて
むいて食べる
ほっこほこの里芋にっころ
喉がころころ鳴っており
何かおるのかな
うっすら朝もやけのなか
鳥の声と緑の香りがする畑の中から
里芋 ....
柔らかさ強さと一緒にまとめ買い
遠くには港もないけど筏船
胆石を患ってから知る臓器
美輪さんの美に酔いしれて酔いつぶれ
マイ・ギター埃の積もりて音もせず
わすれたころに君 ....
人が人を検閲することはできない
それはいちばん姑息な魂だから
人は人を弾圧することはできない
それは怯懦の表明に過ぎない
それらを振り払った魂のあり方こそ自由の別名だとおもうのだ
....
バスはC県からT川を超えI県へと進むローカル路線バスだった。
俺はI県側にあるテレビ工場に勤めていたので、毎朝一時間に一本しかないバスに乗って通っていた。
工場に勤める人をはじめ、多くの人は自家用 ....
西の空は何色か
油断してたら殺される
ハサミで切れるものは全部切る
容赦なく切る
ハサミに西日が反射したのが
午後四時
玉ネギが腐り芽がでて
バケモノに変身
殺すつもりでにじり寄る ....
僕が思う現代詩と合唱の関係について(4)
「現代詩は存続の危機にある」
これは様々な詩投稿サイトや詩誌でここ十数年くらい前から騒がれていることだ。
例えば文学極道のコラムやその理念を ....
透明な僕らは一体
どこへと行くのか
透明な彼らは一体
どこへと消えるのか
誰もが両手を出して
銅貨を求めている
だが、その顔は王のようで ....
少年がバス停に走っている間に
母を乗せてバスは行ってしまった
母は後部座席に来て
険しい顔をして少年を見ていた
子供時代の幕切れだった
母は生きているのだ ....
森の入口には、狐が腹這いになって寝そべっていた。
私が森に入ると同時に、狐は見えなくなったが、行く
先々で、炎のようなものが、私の周辺を漂っていた。
淡い狐色が、橙に染まっていったり ....
鉄格子越しに見える空は
いつも哀しい程蒼い
罪人には空が無いのだ
空虚な自分と向き合っているだけなんだ
時々差し入れられるちょっと冷めた食事は
少しだけ生きている実感を与えてくれるの ....
わたしがわたしに出会った日
風が吹いていたかなんて
憶えちゃいない
詩人じゃあるまいし
ただ胸の痛みに耐えかねて
指を切った記憶がすこし
わたしがわたしに出会った日
花の中で虫は死に ....
私は小学校の校庭を思い出す
雨に煙るその校庭を・・・
その光景に、私は写っていない
その光景に初恋のあの子は写っていない
その光景に、一番怖かったあの先生 ....
あふれていくものをせき止めるすべはなく
細い腕がグラスを傾かせるたびに、
毒のカプセルを口の中で遊ばせる作業を
どろどろする部屋の、青い窓から見ている
絆創膏では隠し切れないものが、君の影 ....
川原の小石の上に
きのう置いていった青梅が
今日なくなっていた
こんな寂れた小川に
人が来たなんて
想像つかないし
それなら昨夜
予期しない水が溢れて
流されたのか
....
上へ
上へと伸びてゆくもの
下へ
下へと伸びてゆきたがるもの
いのちを生み出すために
細い指たちは
指切りを繰り返し
相反するからくりを育む
そのなかほどの混沌で
わたしは
ひ ....
各駅停車で、春に向かう
このあたりは 四十年前より 毒々しい
昔はこの辺りのことを 武蔵といった
私は相変わらず 色白だ
恋人の八雲が人間の女にネコババされるのでの時間を ....
僕が思う現代詩と合唱の関係について(3)
(1)(2)は僕がこの文章を書こうと思うようになった動機について書いた。
そして、今回からいよいよ「関係」の部分について言及していこうと思う。 ....
たまには自分の信仰について書いてみる
そいつはキャッチボールみたいなもの
この友はいつだって良い球を投げてくるのだ
「愛」とか「希望」とか「信仰」とかね
おれもそれなりに返すの ....
デブのかく
大量の汗に含まれる
電解質を利用して
発電を行うという計画が
マサチューセッツ工科大学
デブ生理学研究所で進められている
世界中から選ばれた
デブの精鋭たち25人
彼らが未 ....
日は疾うに沈んで
間もなく川面に
星が瞬きはじめるだろう
澱みには
ただならぬ魚が潜んでいる
姿は見えなくても
気配が匂う
どうしてそんな思いを
抱いてしまったのか
目には見 ....
母さん
ぼくは思いだしました
まだ若いあなたの
細くも強いその手にひかれて夏
緑に燃える蜜柑葉をくぐりどこまでも道はつづいていました
おばあちゃんのお家までねと
暑くて永い昼下がり
眩暈 ....
美術館幾つもあって個性的それぞれの色惜しみなく出す
スーパーが次々出来る古い町値下げ合戦いつまで続く
介護する介護士の人微笑んだ老人たちのアイドルになった
落ち葉見てこれから何処へ進 ....
仕事?
仕事はよくわからない
何か気が抜けて手につかない
だけど前準備はしたよ
それよりともだちが大変
今からともだちんとこに行ってくる
みんな長生きしてくれよ ....
資本論を乗り越えて
僕らは何処へゆこうとしているのだろう
勿論資本主義の終末では無いはずだ
文学は世の仕組みを超えて生き続ける
音楽もしかりだろう
もうプロレタリアートと ....
白鳥のひときは目立つ汚れ川
*
この平凡な街の小さな流れに
一羽の白鳥が棲みついてしまった
どうして離れて行かないのか
人はみな不思議がっている
星が輝く夜空
私には
闇を切り取ったキャンパスに
砂を散りばめているように見える
世界に輝く星のほとんどは
ほんとうに
誰も知らない名無しばかり
彼らはただ静かに今日も
誰かに見つ ....
{引用=
つめで
つめを切った
むしり取るように千切った
千切られたつめは
たちまち丸まって
干からびて
ちいさく萎びて不要なものになった
――そのようにして ....
僕が思う現代詩と合唱の関係について(2)
メビウスリング、文学極道、現代詩フォーラム、詩投稿for you、ネット詩MYDEAR・・・
主に僕が出会った今現在機能している詩投稿サイトで ....
うつくしいと
つぶやく声が
聞けるのであれば
この身を
一輪の花に変えよう
うつくしいと
やさしいまで ....
詩というのは
作るもんじゃなく
生まれるもんなんだな
ぽこっ ぽこっと
卵みたいに
たしかに
卵を産む鶏は
息んで呻吟してるさ
だが卵は
....
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