30代のはじめの僕は
銀色の自転車を買って
どこまでも走っていった

ほんの少しで取り戻せそうな
やけくその若さは
飲みきれなかったコーラの缶と一緒に
便所で泡立って消えていく

 ....
池掃除を 月に一度 するのです
今回は 藻が浮かび
非常に 大変でした

昔 大きなグリコ看板の下を 覗き込みながら
いっそ 飛び込めたら 気持ち良さそうだねぇ 
と 呟いたけれど
 ....
むかしむかしある所に
哀れなおんながありました
たいへん貧しく生まれたので
おんなは
人に何かをもらうことしか
考えませんでした
自分は哀れな身の上なので
情けをかけてもらうという心得で ....
ディスプレイの黒は
後方の色を遮断した結果

本当の黒になりきれず
矛盾をかかえて装う


皮膜だけの黒


皮膜だけの黒は
全ての色を受け止めながら


解除


 ....
 気難しい顔で、本を読んでいた
 犬が
 ニッと笑った。
  ――それには訳がある。

 犬の気難しさより
 笑いの
 その意味の落差のほうが
 カクッと おもしろかったのであり
 ....
唾を呑むサウンドがトランペットの吹く空気に触れる
一寸先の昼間の終わる頃
己の残像が赤道をつたい一周する

あらかじめ光速を蓄えておく

物語の奥深く数字に置き換えられない おおざっぱな荒 ....
人なかで咳が出ると
はやく止まれとあせる
半径3メートルにいる人たちから
無言で疎まれていると感じて
目的地のことなどどうでもよくなり
消え去りたくなる

独りで居るとき咳が出ると
ほ ....
  無数の傷のついたフライパンで
  三枚のベーコンを焼いている
  その男はただの大人だった
  円周率を小数点以下八桁まで記憶し
  足指のひとつに水虫をわずらう



  ....
そろそろいい歳なので
生意気になるべきだ
自分が自分になるための
いさかいはとことん受け取るべきだ
世界の一員である前に
自分自身であるべきだ
生意気でなければ
こんな男に価値はない
 ....
 
 
高い高いをされてる時が
一番高い時だった
何よりも誇らしい時だった
もう僕を持ち上げられない父が
故郷に帰る段取りを心配している
ぶつぶつとうわ言のように
出鱈目な記憶を繋ぎ合 ....
爪先まで宇宙 今夜も
うちの犬と猿が騒がしい
/妻、戌年、息子、申年

犬猿の仲とは言うけれど
喧嘩するほど仲がいい
とも言うんだな

だから毎日大賑やか

おれは酉年
鳩は、クル ....
きみは阿片を吸ったことはある?
もちろんないよね当たり前だよね

ぼく?
答える必要はある?
答えて欲しい眼だね
香港でね一度だけ

でも阿片窟に辿り着くまでは
大変だったしお金も遣 ....
あんなに抱いたり
キスしたりしていた妻が
今は物体のようにそこにある

その物体も
私のそれと同じように
いつかどちらかが先に
物体ではなくなるのだろう

あんなに抱いた ....
鳥はなぜ逃げない


足下に 跳ね回る

逃げないが 近寄らない

近寄らないのに 逃げもしない

小さな雀



鳥は なぜ逃げる


逃げるのに また舞 ....
雪に埋もれたまま青く影を落とし
家々は俯き黙祷する
気まぐれにも陽が歩み寄れば
眩い反射が盲目への道標

抱擁されるまま

冷え切った頬が温もり
辺りに耳が開かれるころ
頭の後方 梢 ....
 
過去にとらわれた方は、遠い目をしてはります

未来にとらわれた方も、遠い目をしてはります


そして現在にとらわれた方は、白昼夢をみてはります




 
ぼくには、ない
その欠片すら、ない
それが不幸なのか
幸福なのかも分からない

あなたにはあるだろうか
なにかに殉じるものが
あなたにはあるだろうか
私は自然と対話する
好きなものが好き
身体性
小さな幸せ
ささやかな愛

これらは
すべて
人間の機械化への道である

おんなじことを

機械達が喋ってた

万国博覧会が ....
親はいないのか
捨てられたのか
たかいのか
ふかいのか
風がきつい
まぶしい
今日の空
ひとのかたちで
風に捨てられて
おまえは
なんていう名の雲か
太郎か、次郎か
花子か、雪 ....
真実思っていることを
と願ってもやはり
愛されるにはと計算も
あり

明かせないことばかりの
真昼の闇
真夜の夢と祈り
流れ星のように

経ってしまえば良いのに
消えてしまえ望み ....
もう充分だと言うのは
きっと身勝手なんでしょうね

でもその気持ちが消えないんです
良くないことだとは分かっていますが

やはりこうして日々を
何とかうっちゃっていると

いつも最初 ....
僕ばかり君が好きで腹たててゴメン 月が満ちて満ちて音楽がこぼれる ごすいって
ひすいに似たような

たおやかに
睡り続ける
午後
もくもくと
宝石になる練習をしよう

纏足の爪先から
あたたかな成分が溶け出していく
あらがえない{ルビ麻薬=レ ....
あなたは眼の前で
ひとがひとに殺される所を視たことがありますか
ぼくは一度だけあります
そこはサイゴンの中央広場でした

それは公開処刑でした
若い女性で南軍からベトコンのスパイとして
 ....
部屋へはいって
コートを脱ぎ

耳飾りをはずし
髪留めをはずし
おどろくほどなめらかなしぐさで
結婚指輪をはずす

このひとはこれから先
なんどひとを壊すだろう
おどろくほどなめら ....
耳をすませてみてよ
聞こえるかい ギターの絃のはじける音
シンセサイザーの 機械的に透明な音
地を這っていくような 重たいベース
いくつも重なり合うドラムの心拍数
張り上げたボーカルの肉声
 ....
暮れなずむ冬道を

人は家を目指して

せかせか歩む


一つ路地を曲がると

落日が

真っ赤な柿の実のように

目に飛び込んできた


夕日よ

こんな ....
ブランコを欲しがったのは私
それを父にせがんだかどうかはおぼえていない

どうだ こんな大きなブランコ
どこにも見たことないだろう

校庭にあるブランコよりも
はるかに高い木の柱と
長 ....
まーつんさんのおすすめリスト(3356)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
OVER_OFF,_OVER_ON(無理してでも飲むんだ)- 竜門勇気自由詩2*13-2-27
鯉の隣- 藤鈴呼自由詩3*13-2-27
砂をんな- salco自由詩18*13-2-26
陰陽魚- Seia自由詩213-2-26
本のチカラ- 石川敬大自由詩14*13-2-26
唾を呑む音から物語りは終わる- 朝焼彩茜 ...自由詩6+*13-2-26
- そらの珊 ...自由詩10*13-2-26
大人- 草野春心自由詩513-2-25
種火- 三田九郎自由詩513-2-25
高い高い- たもつ自由詩1213-2-25
爪先まで宇宙- 北大路京 ...自由詩813-2-25
犬と猿と鳩- 小川 葉自由詩413-2-25
純潔な眠り- HAL自由詩5*13-2-25
夫婦- 小川 葉自由詩413-2-25
ひとつまみ- 芦沢 恵自由詩20*13-2-25
永久の瞬- ただのみ ...自由詩27+*13-2-24
とらわれた方- 殿上 童自由詩22*13-2-24
ぼくには、ない- HAL自由詩7*13-2-24
小さな幸せ- 佐藤伊織自由詩313-2-24
雲の子- たま自由詩40*13-2-24
抵抗- もっぷ自由詩413-2-24
巡礼- HAL自由詩6*13-2-23
僕ばかり君が好きで腹たててゴメン- 北大路京 ...自由詩313-2-23
月が満ちて満ちて音楽がこぼれる- 北大路京 ...自由詩313-2-23
午睡_或いは崩れ落ちる砂の壁- そらの珊 ...自由詩24+*13-2-23
許されない好奇心- HAL自由詩9*13-2-22
結婚指輪- はるな自由詩413-2-22
live(ライブ)- 凪 ちひ ...自由詩413-2-22
落日- オキ自由詩213-2-21
父のブランコ- Lucy自由詩23+*13-2-21

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